この世界には、あまり話題にもならず、存在理由もよくわからない組織や団体があったりする。日米欧三極委員会もそんな組織の一つだ。
この組織は日本とアメリカ、ヨーロッパ間で密接な関係を築き、グローバル化を推進し、世界のリーダーとしての責任を果たすことを目的として創られた。
しかし、この委員会がメディアに取り上げられることはほとんど無いので、その存在はミステリアスであり陰謀論者を惹きつけてやまない。
ジャーナリストの田原総一朗氏は、この「日米欧三極委員会」と「ビルダーバーグ会議」を「経済・金融マフィアの集う2大会合」と称している。
- 日米欧三極委員会について
日米欧三極委員会とは
日米欧三極委員会(トライラテラル・コミッション)は、1973年に設立された非営利組織である。
- 1973年に設立の非営利団体
- 国際会議は年1回、春に開催される
- 世界の抱える問題や解決法について話し合われる
日米欧三極委員会の創設者
この組織はアメリカの大富豪デイヴィッド・ロックフェラーと元コロンビア大学教授のビグネフ・ブレジンスキーの2人を中心に創設された。
ロックフェラーは、ブレジンスキーの著書『テクネトロニック・エージ 21世紀の国際政治』に影響を受けていたのは明白だった。
同書でブレジンスキーは、「北米」と「西欧」、「日本」の同盟を提唱している。
ビルダーバーグ会議に日本を加えたもの
同じくロックフェラーにより創設された国際会議としては「ビルダーバーグ会議」が有名であるが、この会議は「北米」と「ヨーロッパ諸国」の親睦を深めることを目的とした会議で日本のリーダーが呼ばれることはない。
とはいえ、以前からデイヴィッド・ロックフェラーやビルダーバーグ会議の参加者の中には、日本の指導者も会議に加えたらどうかと進言する者たちもいたようだ。
そんなこともあり、本来ビルダーバーグ会議に加わることが出来ない「日本」の参加を認めたものが、この「日米欧三極委員会」だとも言える。
参加メンバー
日米欧三極委員会の「参加メンバー」は、以下のような各界を代表するリーダーたち「335名」で構成されている。
- メディア
- 政治
- 学問
- ビジネス
これまでに、この会議に参加したとされる著名人は以下。
- ポール・ヴォルガー:元FRB議長
- ロバート・ローザ:FRB(連邦準備銀行)役員、CFR(外交問題評議会)役員
- オットー・グラーフ・ラムスドルフ:ドイツ自由民主党党首
- ヘンリー・キッシンジャー:元米国務長官
- ビル・クリントン:元アメリカ大統領
また、その他にはAT&T、ペプシコ、チェースマンハッタン銀行などの企業の経営幹部も含まれていた。
日本人メンバー
「日本人メンバー」は以下のとおり。
- 渡辺武:発足時の日本委員会委員長、大蔵官僚、初代財務官、初代アジア開発銀行総裁
- 大來佐武郎:日本の外交官、元外務大臣
- 宮沢喜一:大蔵官僚、政治家、元内閣総理大臣
- 牛場信彦:日本の外交官、元対外経済担当大臣
- 永野重雄:実業家、元新日本製鉄会長、元経済同友会幹事、元日本商工会議所会頭
- 岩佐凱実:銀行家、元経済同友会幹事、元富士銀行頭取、元経団連副会長
- 土光敏夫:実業家、技術者、元石川島播磨重工業社長、元経団連会長
- 盛田昭夫:ソニー創業者
- 長谷川閑史:元武田薬品工業取締役、元東京電力取締役、経団連副議長
三極委員会のアジア太平洋チェアマン
日米欧の3地域における議長(チェアマン)は以下。
- 欧州:ジャン・クロードトリシェ(2012~)
- 北米:メーガン・オサリバン(2019~)
- アジア太平洋(旧日本):田中明彦(2020~)
三極委員会とアジア太平洋委員会
2000年以降にアジア太平洋地域の参加国が増え、日本委員会はアジア太平洋委員会となった。それにともない、組織名も「日米欧三極委員会」から「三極委員会」へと改称された。
日米欧三極委員会を操る黒幕説
日米欧三極委員会もまた、世界エリートによるニューワールドオーダ(新世界秩序)を推進する組織の1つと噂されている。
この委員会を裏で操っているとされる組織には、ソッチ系ではおなじみの名前もあがっている。
この黒幕説は、ご愛敬といった感もあり、真に受けるのか、笑い飛ばすのかはもちろん自由だ。
- フリーメーソン
- イルミナティ
- テンプル騎士団
- 宇宙人
あとがき
一年に一回、世界中のリーダーや権力者が一同に集まる三極委員会。なぜかメディアは、この委員会に注目しようとしない。
むしろ、そんなものは存在していないかのように、意図的に無視しているようにも感じる。出席者のそうそうたる顔ぶれを考えると実に奇妙である。
元々はただのズル賢い経済・金融マフィアだったのかも知れないが、それに悪魔崇拝やペドフィリアという要素を加えてかき混ぜると、何だか得たいのしれないモノが出来上がるのかもしれない。