不思議な話

世界の穴にまつわる都市伝説2選「地獄の声」と「メルの穴」の謎

いつの時代も私たち人間の興味を惹き付ける「穴」。

人類の歴史は穴とともに進化してきたといっても過言ではない。

男に生まれてきたからは、きわめてみたい穴の底。

穴に潜るは男の本能。

ということで、今回は世界に存在する不思議な穴についての都市伝説を2つばかりご紹介する。

この記事で取り上げること
  1. アメリカ政府が隠蔽し続ける深さ不明の「メルの穴」
  2. ロシアの掘削プロジェクトを中止に追い込んだ「地獄の声」

世界の穴にまつわる都市伝説①「メルの穴」

cooling tower, concrete, perspective

「メルの穴」は、アメリカ・ワシントン州エレンズバーグにある「底なしの穴」

この都市伝説は、「メル・ウォーターズ」と名乗る人物がラジオ番組に出演し、不思議な穴について語ったことが発端となっている。

その後の調査でメル・ウォーターズなる人物が実在したという記録もメルの穴が存在するという証拠も無いことが明かになっている。

底なし穴の伝説

1997年2月、メル・ウォーターズと名乗る男がラジオ番組「コースト・トウ・コーストAM」に出演し、エレンズバーグの農地にある不思議な穴について語った。

彼の話は話題になり、いつしかこの穴は「メルの穴」と呼ばれるようになる。

メルの穴の特徴

メルの穴の主な特徴は以下の2つ。

特徴
  1. 穴の深さは不明
  2. 穴に投げ入れた犬の遺体が生き返った

特徴①穴の深さは不明

メルの穴の直径は2~3メートルぐらいでそれ程大きくはなく、深さは少なくとも約24キロメートル(8万フィート)はあるとのこと。ウォーターズ氏はこの穴をゴミを捨てるのに使っていたそうだ。

しかし、穴に物を落してみても底に着く音がいっさいしないので不思議に思っていた。そこで、釣り糸とオモリを使って穴の深さを調べることにした。

最長で約24キロメートルの長さまで釣り糸をたらしたが、底に着く気配が無かったという。

特徴②穴に投げ入れた犬の遺体が生き返った

ウォーターズ氏の隣人が死んだ飼い犬の遺体を「メルの穴」に投げ込んだ。それから数日後、穴に捨てた犬が生き返り、戻って来たという。

にわかに信じがたいが、映画「ペットセメタリー」を彷彿とさせるエピソードだ。

ちなみに、「ペットセメタリー」は、スティーブン・キング原作の動物の遺体をある墓に埋めると、ナゼか生き返ってしまうというホラー映画。

しかし、なによりも飼い犬を穴に投げ入れるという発想自体が正直言って謎なのだ。

メルの穴は政府の管理下におかれた

その後、ウォーターズ氏のもとにアメリカ政府の役人がやってきて、「穴のある土地」を政府に貸し出すようお願いされる。

ウォーターズ氏が土地を貸し出すと、多額の賃貸料が支払われた。また、役人はその金でアメリカを離れ、オーストラリアにでも住んだらどうかと話を持ち掛けてきた。

ウォーターズ氏は、役人の言う通り、オーストラリアに移住することにしたって、聞き分け良すぎだろ、いいのかそれで。

メルの穴の話には続きがある

この話には続きがあり、年を追うごとにアップデートされていく。

その後もウォーターズ氏は、1997年、2000年、2002年とたびたびラジオ番組に出演し「メルの穴」について語った。

アメリカに帰国しようとしたら反対された

ウォーターズ氏はオーストラリアで数年暮らしたが、やはりアメリカに帰りたいと考えるようになった。

帰国の際に大使館に立ち寄るとワケの分からない事を言われ、アメリカへ帰国するのを止められたという。

ウォーターズ氏は穴から離れても事情を知る者として監視対象だったのだろう。

帰国後にメルの穴に行くと立入り禁止になっていた

何としてもアメリカへ帰りたかったウォーターズ氏は、大使館の反対を押し切り帰国する。

帰国後、メルの穴に行ってみるとバリケードが建てられ立入り禁止になっていた。

政府関係者と思しき黒ずくめの男たちに穴の事は忘れろと脅された

どうしたものかと右往左往していると、いつの間にか黒ずくめの男達がそばに来ていた。そして、声をかけられ話をすることに。

メンインブラックな雰囲気を漂わせる政府関係者と思しき男たちは、ウォーターズ氏の身元を確認すると、「この穴はすでに政府の所有物になっている。命が惜しかったら、穴の事は忘れて近寄らないことだ」と忠告した。

ウォーターズ氏は、ただならぬ雰囲気を感じ取ると、それ以降二度と穴に近づく事はなかった。

もう1人の穴の目撃者ジェラルド・オズボーン

この「メルの穴」を知っている者は、ウォーターズ氏以外にもいたと言われている。

穴を実際に見た事があるという者の中に、ネイティブアメリカン(アメリカ先住民)の「ジェラルド・オズボーン」という人物がいた。

穴の底にはUFOの秘密基地が?

2012年、オズボーン氏は地元の記者に対し「メルの穴」ついて以下のように語った。

「自分は、1961年からたびたびメルの穴に訪れていて、この場所を良く知っている。この穴の底には『UFOの秘密基地』があって、アメリカ政府はそれを隠している」

2002年、彼は30名の調査隊を率いて探索したが、結局「穴」を見つけることは出来なかった。

メル・ウォーターズは偽名

その後、これまでラジオ番組に出演し、メルの穴について語った人物は偽名だったことが発覚する。

メルの穴に関して調査していた地元記者によると、ワシントン州エレンズバーグに土地を所有している者の中に、「メル・ウォーターズ」という人物は存在しなかったという。

つまり、メル・ウォーターズを名乗った人物が一体誰なのかは不明なのだ。

深さ24キロメートルの穴は存在不可能

この「メルの穴」について地質学者のジャック・パウエル氏は以下のように言及している。

「そもそも、深さ24キロメートル(8万フィート)の穴というモノは、存在しえない

深さが24キロメートルもあったなら、穴の周囲の地層からとてつもなく圧力がかかるだけでなく、高熱を発しその形を留めることはできないからだ

使われなくなった鉱山の縦穴がこの話の元になっていると思われるが、何の根拠も無い話に尾ひれが付き、独り歩きした結果、有名な都市伝説となってしまったのだろう」

世界の穴にまつわる都市伝説②「地獄の声」

「地獄の声」は、かつてのソ連(ソビエト連邦)時代に行われていた科学プロジェクトがもとになった都市伝説である。

この話は、1995年以降インターネットを中心に広まった。

ことの発端は、アメリカの宗教テレビ放送局の「トリニティ放送ネットワーク」のおこなった1989年の放送だと言われている。

シベリアの土地で行われた掘削プロジェクト

シベリアの名も無き土地で、「アザコフ」と名乗る人物がソ連の科学技術チームを率いて「掘削プロジェクト」をおこなっていた。

プロジェクトチームは地下14.4キロメートルまで穴を掘り、ついに空洞に達したという。

そこで、空洞の中を調べるために「観測装置」「耐火性のマイク」を穴に下ろした。

マイクが拾った地獄の声

地下14キロメートルの空洞の中の温度は、「1000℃」もあり、その空間からは地獄へ送られた罪人たちの泣き叫ぶ声が聞こえてきたという。

上記は、当時のプロジェクトで録音された「地獄の声」と言われている音声。

地獄の声の正体

「地獄の声」はしばらくの間、オカルトマニアを恐怖に陥れていたが、その正体もついに明らかになった。

その音声の正体は、1972年に公開されたホラー映画「バロン・ブラッド」サントラに収録されている効果音をリミックスして作られたモノだった。

実際にソ連が掘削していた穴はコラ半島

「地獄の声」の正体が判明したことで、この話の全てがただの都市伝説かと言うと、そうとも言い切れない。

ソ連が地下15キロメートルを目指した掘削プロジェクトをおこなっていたのは事実である。

しかし、掘削場所は前述のシベリアではなく、北欧の「ノルウェー」「フィンランド」国境付近に位置する「コラ半島」という場所だった。

この穴の正式名称は「コラ超深度掘削抗」という。

オカルト的な報告はナシ

深さ12,262メートルに到達した1989年のプロジェクトの報告によれば、掘削中に超自然的なモノに遭遇することは無かったと言われている。

掘削中止の理由

順調に進んでいたと思われたソ連の掘削プロジェクトだが、残念ながらソ連解体後の1995年で打ち切りになった。

地下12キロメートルの空間温度は、すでに300℃に達しており、これ以上の掘削は困難だと判断したためだ。

以上が「地獄の声」の概要だが、都市伝説とされているシベリア掘削プロジェクトと音声データがホントは存在しているのではと考えると胸アツである。

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