この世の始まりの謎を解くカギ、「素粒子」。その研究をおこなっているのが世界最大級の素粒子物理学の研究所「CERN(セルン)」だ。
しかし、CERNのおこなっている素粒子やブラックホールの研究はパンドラの箱でもあり、近年その研究は宇宙全体の崩壊を招く可能性があると多くの物理学者が警鐘を鳴らしている。
果たして、CERNが開くのは天国、地獄どちらの扉か。今回は、オカルト的にも謎の多い研究所「CERN」についてご紹介する。
- CERNについて
CERN(欧州原子核研究機構)とは
CERN(欧州原子核研究機構)とは、世界最大の「素粒子物理学研究所」である。
具体的な活動内容は加速器を使用し、次の研究とそれに伴う技術開発をおこなっているとされる。
- 素粒子物理学
- 原子核物理学
LHC(Large Hadron Collider)とは
CERN(セルン)といえば何といっても「LHC」。正式名称は「Large Hadron Collider(ラージ・ハドロン・コライダー)」である。
研究所の地下には全周27㎞におよぶ円状のLHC加速器(大型ハドロン衝突型加速器)があり、スイスとフランスの国境を横断するように設置されている。
この加速器を使って素粒子を超高速で衝突させる実験をおこなっているのだ。
CERNの読み方
名称の由来のセルンは、フランス語で「Conseil Eurpeen pour la Recherche Nucleaire」と書き、その頭文字をとって「CERN」と呼ばれている。
CERNの研究所はスイスとフランスの国境にある
CERNの所在地はスイスのジュネーブの西方とフランスの国境にまたがっている。
CERNの電気代はどのくらい?
ちなみに、CERNの毎月の電気代は研究所自体がスイスとフランスにまたがっている為、両方の国に支払っている。
- スイス側への支払い・・・月額2,450万ユーロ(約34億円)、年額2億9400万ユーロ(約400億円)
- フランス側への支払い・・・月額1600万ユーロ(約22億円)、年額1億9200万ユーロ(約265億円)
ほぼ、LHC(加速器)にかかる電気代だという。衝突実験には莫大な電力と金がかかる。LHC恐るべし。
とはいえ、スイスは世界銀行の総本山。お金はあるだろう。
それに、EUに加盟していないから自国通貨はユーロじゃないので、電気代がいくらかかろうが、刷ればいいだけ。簡単だろ。
シュタインズ・ゲートとタイムマシン
CERNはアニメの「シュタインズ・ゲート」にも「SERN(セルン)」の名で登場している。同作でも、世界最大の素粒子研究所という位置づけは同じ。
しかし、SERNは2034年にタイムマシンを完成させ、世界支配を目論む悪の組織として描かれている。
また、2018年には「シュタゲの原作者」と「CERNの研究者」は、京都で開かれた科学討論会で顔を合わせ討論をおこなったそうだ。
米巨大掲示板にCERNの研究者が降臨?
さらに、さかのぼること2014年、アメリカ巨大掲示板「reddit」内に「CERNだけど何か質問ある?」というスレッドが作られ実際にCERNの研究者が降臨した。
「タイムマシンの研究はどうなの?」というユーザーからの質問に、「それは、SERNにまかせたよ!」というシュタインズ・ゲートを引用したイキな返しにユーザーは歓喜したという。
CERNの日本人研究者は?
CERNに所属する研究者の数は、約1万3000人で日本からも約300人が参加している。
日本の研究者が多い部署はヒッグス粒子の発見に貢献した「アトラス実験チーム」と宇宙誕生時の素粒子の様子を調べる「アリス実験チーム」だ。
- アトラス実験チーム・・・東京大学、高エネルギー加速器研究機構
- アリス実験チーム・・・広島大学、筑波大学
また研究者だけでなく、日本の民間企業もCERNに技術協力をおこなっている。
- 浜松ホトニクス・・・素粒子検出器、LHC製品の部品供給
- 古河電工・・・LHCに使用する超電磁ケーブルの提供
- 東芝・・・衝突実験に使用する特殊な磁石の提供
インターネットを作ったのはCERN
現在、私たちが使っているインターネットの基礎になっている、次のような言語や通信規格などはCERNが発祥とされている。
- HTML(Hyper Text Markup Language)
- HTTP(Hypertext Transfer Protocol)
- WWW(World Wide Web)
これらの技術を発明したのはイギリス人エンジニアのティム・バーナーズ・リーという人物だ。
彼は世界中の技術者たちが迅速に情報共有が出来るように情報技術を開発した。現在この技術は世界中のインターネットで利用されている。
CERNの危険性について
CERNが行っているとされる実験の危険性について。
ブラックホール実験
LHCを使った毎秒数億回もの素粒子衝突実験は、多元宇宙論(マルチユニバース)および、マイクロブラックホールの解明に必要な実験といわれている。
しかし、亡くなったスティーブン・ホーキンス博士をはじめ、この実験を続けることが「宇宙の崩壊につながる」と懸念している科学者が多いのも事実だ。
というのも、ヒッグス粒子は不安定であり、たとえ実験を続ける中で安定させることが出来たとしても、低エネルギーの真空が光速で膨張し宇宙全体を破壊しかねないのだとか。
これはパラレルワールドの解明に必要な研究とも言われているが、その未知への遭遇が滅亡への扉を開く可能性もはらんでいるのだ。
LHC実験が幽霊の存在を解明する?
人類の危険かどうかはともかく、CERNと幽霊のお話なんかもある。
イギリスのマンチェスター大学の物理学者ブライアン・コックス教授は、出演したトーク番組で「もし幽霊が存在するなら、とっくにCERNの加速器がみつけているはず」という発言をして話題になった。
教授によると、幽霊が生前の肉体の情報を保存していれば、LHCなどの粒子を扱う実験装置に検知される可能性があるとのこと。
なので、LHCに検知されないとすれば、幽霊は素粒子物理学に適応しない存在であり科学的には存在しないということになるそうだ。
今後もCERNの実験が霊体の存在の解明に一役買うことになるのか乞うご期待だ。
ワープ実験と飛行機墜落事故
2009年11月、スペイン空港の旅客機が着陸予定の空港から約9000キロ離れた別の空港に着陸したことが確認された。
この旅客機はスペインを出発し、南米ボリビアの空港に着陸する際に姿を消した。この時、CERNではLHCを使った極秘実験がおこなわれていたという。
この実験が原因で周囲の磁場が乱れ、次の3つの場所を一直線状に結ぶ「ワームホール」が形成された。そこにたまたま接触した旅客機が瞬間移動してしまったのではと考えられている。
- CERN研究所内のLHC
- 南米のボリビア
- アフリカ北部
LHC衝突実験と巨大地震
LHC実験が巨大地震を引き起こす可能性も。
バヌアツ共和国の地震でLHCの緊急停止
2016年には、LHCの稼働15分後にバヌアツ共和国でマグニチュード7の地震が発生し、即座に運転を停止するという騒ぎも起きている。
チリ地震もLHC実験の関与が疑われている
2010年に起きたチリ地震にもLHCが関与している可能性も疑われている。
というのも、粒子の衝突実験の際に発生するエネルギーの余波が強力な磁気振動を引き起こし、地震を誘発する可能性があると考えられているからだ。
イタリア中部地震の震源地はCERNのエリア内だった
2016年8月に起きたイタリア中部地震の震源地のノルチャはCERNとイタリアのグラン・サッソ国立研究所を結ぶ「ニュートリノ・ビームライン」の真上にあることが分かっている。
また、グラン・サッソ国立研究所は世界最大の地下研究所でCERN同様、素粒子物理学の研究で有名だ。
この研究所に勤めていた技術者が数週間前からイタリア国内での地震発生を予告していたという話もあるようだ。
悪魔崇拝の儀式?CERNと破壊神シヴァの関係性
CERNの敷地内で悪魔崇拝の儀式がおこなわれていたという。CERNの研究棟の中庭にはヒンドゥー教の神「シヴァ神」の像が設置されている。
この像の周囲に黒いマントの者たちが数人集まり、不気味な儀式を繰り広げる様が撮影された。
地面には、白い服を着た髪の長い女性が横たわっていて、黒いマントの1人がその女性の胸にナイフを突き立てる。まるで破壊神シヴァに生贄を捧げるがごとく。
この動画が公開されると、すぐに悪魔崇拝や宗教的儀式との関連が噂されることに。
その後、CERNの広報担当者は火消しに躍起になり、これは「誰かの悪ふざけ」で施設との関係は一切無いと弁明した。
しかし、動画に収められた儀式の様子が映画「アイズ・ワイド・シャット」に出てくる悪魔崇拝の儀式にそっくりだったこともあり、オカルティックな秘密結社との関係も疑われている。
CERNのロゴ
これが噂のCERNのロゴマーク。よく見ると、「6・6・6」という数字が見えてくる。
こういう組織や機関は庶民をあざ笑うかのように、よくロゴマーク使って遊んでいる。
遊び心は大事さ。
あとがき
「パンドラの箱」のエピソードには、「苦難を経験することで愚か者は賢くなる」という解釈もあるという。
パンドラの箱を開け、宇宙の始まりの謎を解いた時、この世のすべてが崩壊してしまう。そんなこともよくある話で。
筆者は現時点で、この世の中は十分便利だと考えている。だから、これ以上の科学の発展には懐疑的なのだ。果てしない便利さの追求、その行き着く先は「無」であるかも知れない。そこに発展や進歩を喜ぶ者など存在しない。