不思議な話

【2chの都市伝説】犬鳴村の怪異は人々の好奇心と集合無意識と

福岡県の旧犬鳴トンネル付近には、日本の法律が通用しない不気味な集落「犬鳴村」が存在し、この村に入った者は生きて出られないという都市伝説である。

さらに犬鳴村につづく「犬鳴トンネル」という場所では心霊現象が見られるという。

今回は、この犬鳴村と犬鳴トンネルの都市伝説を見ていこう。

犬鳴村の都市伝説

ShinInunaki tunnel.JPG新犬鳴トンネル image:wiki

これまで、犬鳴村に関して出回っている噂には次のようなものがある。

  • 村の入り口には「この先日本国憲法は適用しません」と書かれた看板がある
  • トンネルの前には「白のセダンは迂回してください」と書かれた看板が立っている
  • 日本の地図から完全に抹消されている
  • 江戸時代から差別や迫害を受けてきたため、外界との接触を絶ち自給自足で生活している。また女性が少ないため近親婚が続いているという
  • 入り口から少し進んだところに広場があり、そこにボロボロの白いセダンが置いてある。その先にあるプレハブ小屋には死体が山積みにされている
  • 村の周囲には柵があり、乗り越えたところにロープと空き缶でできた罠が仕掛けてある。
  • 侵入者防止の罠に引っかかると大きな音が鳴り、村人たちが斧を持って追いかけてくる
  • カップルが面白半分で犬鳴村に入り、惨殺された
  • 携帯電話(スマホ)の電波が届かない

犬鳴トンネルの都市伝説

Inunaki old tunnel宮若市側の旧犬鳴トンネル入口。入口左に記念碑。 image:wikipedia

犬鳴村とつながっている「旧犬鳴トンネル」は、トンネル建設中に関係者が死亡しているといういわく付きの場所だ。

1975年に「新犬鳴トンネル」が開通したおかげで古いトンネルはその役目は終えたが、新旧のトンネルでは未だに以下のような心霊現象が確認されているという。

  • 白い車でトンネルに入ると車のボディに大量の血の手形がつく
  • トンネル手前に電話ボックスがあり、かかってきた電話に出ると、暴行事件で死亡した女性のうめき声が聞こえる

犬鳴で実際に起きていた事件

都市伝説や怪談話だけでなく、犬鳴峠や犬鳴トンネルでは実際に事件や事故が起きているようだ。

①旧犬鳴トンネル付近で焼殺事件

1988年、旧犬鳴トンネル付近で事件が起きた。

軽自動車に乗った帰宅途中の男性が顔見知りの5人組の少年グループから車を貸してくれとの申し出を断ると、カッとなった少年たちに無理やり車を奪われ、男性は仲間の家に監禁されたのだ。

少年たちは暴行を加えたあげく、奪った車で男性を連れて旧犬鳴トンネルへと行くと、男性の手足を縛ったままガソリンをかけて焼き殺したという凄惨な事件だった。

②少年10人が肝試しドライブで意識不明

1992年には、犬鳴村に肝試しに出かけた少年10人が乗っていた車が電柱に突っ込み意識不明になる事故が起きた。

③犬鳴ダムで死体遺棄事件

2000年には、犬鳴ダムで死体遺棄事件が発生している。

④若者5人がトラックと正面衝突で死亡

翌年の2001年にも肝試し帰りの若者5人が乗っていた車がトラックと正面衝突して全員が死亡している。

犬鳴村の場所

犬鳴村の正式名称「犬鳴谷村」という。

この村は、1889年まで「福岡県鞍手郡」、現在の「宮若市」に存在していた集落だった。

しかし、1970年から始まったダム建設により姿を消した。

この場所を愛した一部の老人たちは離れられずに、村とともにダムの底に沈んだという。

犬鳴村のあらすじ

福岡県には、犬鳴村という地元では有名な心霊スポットがある。

私は幽霊の類いは信じていないのだが、この地域は霊だの何だのを抜きにしても、非常に奇妙な場所のようなのだ。

犬鳴峠にあるトンネルの横には、よく見ないと見落としてしまうような畦道(あぜみち)がある。

その畦道を登っていくと、どんどん道が狭くなっていき、登りきると地図に載っていない村にたどり着くという。

村の入口には「この先、日本国憲法通じません」と書かれた看板が立っている。

私にはオカルト好きな友人が2人ばかりいて、モノ好きな2人はその村を見に行き、無事に戻ってきたが、やはり奇妙な体験をしたらしい。

これは、その後に聞いた話である。

友人Aの話

ある夜、友人Aがこの村に行った時の話だ。

Aが村の入口にたどり着くと、そこにはプレハブ小屋が建っていた。

しばらく、そのプレハブ見ながら様子をうかがっていると、いつの間にか4,5人の男たちが集まってきていた。

村人たちは、目つきがうつろで正気を失っているような顔つきで、遠目から見ても様子がおかしいことがわかった。

次の瞬間、彼らは一斉に駆け出した。

山で足腰が鍛えられているためか、村人たちの脚力は凄まじく、またたく間に距離を詰めてきた。

そして、手には鎌や斧を握りしめていた。

Aは「これはヤバすぎる」と悟ると、急いで車をバックさせて村からの脱出をはかった。

村の入口付近だけは、なぜか道が広くなっており、容易にUターンできた。

Aは運良くギリギリで逃げおおせたが、車のリアバンパーとトランクあたりには斧で切りつけられたようなギズでボロボロになっていたという。

友人Bの話

次は友人Bの話。

BはAと違い、昼間に村へ行ったそうだ。

Bが村に到着すると、村人らしき人影も無く、誰もいなかったという。

入り口から恐る恐る中へ進んでいくと、ボロボロの家が数軒ならんでいたが、玄関ドアには木が打ち付けてあり、どの家も人が住んでいるようには見えなかった。

さらに、奥へ進んでいくと、村の広場のような少し開けた場所があった。

そこには、ボディのあちらこちらが凹み、窓ガラスはバリバリに割られた、ボロボロの白いセダンタイプの車が放置されていた。

よく見ると、その車には島根県のナンバープレートが付いていた。

何でこんな場所に車が置いてあるのかと奇妙に思い、なんとなく心細くなってきた。

そういえば、少し前にこの辺りで、島根県から遊びにきていたカップルが行方不明になったというニュースがあったが、あれはその後どうなったんだろうと、ふと考えていた。

スマホを見てみると、やはり噂どおりで圏外になっていた。

また、ここから一番近いコンビニにある公衆電話も110番に繋がらないという噂を思い出すと同時に背中に冷たいものが伝うのを感じた。

何があっても助けが呼べないのだとすると、これ以上の散策は危険と思い、友人Bは日が明るいうちに村を出たそうだ。

この都市伝説に詳しい人物に聞いた話では、この村は警察や国家権力が介入できない「特別保護区」に指定されているという。

どうりで、地元では有名にもかかわらず、TVメディアの取材は「犬鳴峠」で止まっているわけだ。

一説には、この村は江戸時代よりも前から、とてもひどい差別や迫害を受けていたことから、いつしか外界との接触を絶ち、村だけで自給自足の生活を送っていたという。

しかし、閉ざされた村では女性が少なかったため、近親婚が繰り返され、村人は遺伝的にも不自由な人たちが増えていったという可能性も考えられるが、確認のしようが無いため、すべてが憶測の域を出ないのだ。

月日が経っても相変わらず興味本位や肝試しでやってくる若者が跡を絶たない。

殺しても殺しても、またやってくる。

置き場所になっているプレハブ小屋に入り切らないくらい。

次から次へと。

あとがき

筆者は、幽霊や霊能者というものを全力全開で信じることを拒否しているが、彼らその道のプロの見解は以下のようになっている。

  • あのトンネルには近づいてはいけない
  • 都市伝説や怪談ブームが必要以上に霊を呼び込み、犬鳴という地域を呪われた場所に変えてしまった
  • もはや、犬鳴村という言葉自体に負のエネルギーが宿っているので、口にすべきではない」

犬鳴という言霊のもつ負の側面と人々の「こうであってほしい」という思いが折り重なり、呪いの地が具現化してしまった。

犬鳴村を作り上げたのは、我々の無邪気な好奇心と集合無意識なのかもしれない。

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