2021年12月26日、カナダを寒波が襲いマイナス51度を記録した。
SNSでは「地球温暖化」というキーワードがトレンド入りし、その存在を疑う発言が随所に見られた。
そんなこともあり、今回は「最近、地球が暑くてクマってます。シロクマが教えてくれた温暖化時代を幸せに生き抜く方法」を読んで地球温暖化についておさらいするとともに、やはり温暖化は嘘やデマなのではないかと考えてみることにする。
この本の感想
かわいいシロクマ親子の写真が盛りだくさんで、それだけで癒される人もいるかも知れない。
文字が少ないので読み終わっても読書したと胸を張って言えるかは微妙なところだが、いたるところで必死にシロクマ親子が地球温暖化のヤバさを訴えかけてくる。
地球温暖化が真実なのか、嘘なのかは横に置いておくとして、温暖化問題とは何なのかを知ることはできる。そんな入門書として手にとってみるのはいいと思う。
それはそうと、一時期、温暖化でシロクマの数が減ったと言われていたが、今は増えているらしい。
地球温暖化の現状
国連の専門機関IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は世界中の科学者たちの科学論文を取りまとめ、温暖化に関する報告書を定期的に発表している。
IPCCは、地球温暖化は間違いなく起きていて、その原因は人間の活動(人為的に発生する温室効果ガス・二酸化炭素・CO2)であると結論づけている。
レジ袋有料化という愚策
レジ袋有料化は、プラスチック製品を減らすことで二酸化炭素の発生を抑え、地球温暖化を防止するという目的で導入された。
プラスチック製品は石油を加工して作られているので、製造や焼却の際には二酸化炭素を発生させるからだ。
しかし、レジ袋をまったく使わないようにしても、温室効果ガスは0.2%しか削減できない。
このような、環境大臣が仕事をしているフリをするためだけの愚策では、温暖化など止められはしないとシロクマも嘆いている。
また、レジ袋を禁止したらむしろゴミが増えた地域もあるという。
海面上昇の被害シミュレーション
東京、大阪、愛知、福岡では、気温が4℃上がって海の水位が上がると、3400万人の住む地域が海水面の下に沈むだろうとシミュレーションされている。
温暖化対策しないと
温暖化対策をしなければ、今世紀中に気温は約4℃上昇すると予想されている。
ただし、氷が解けるのには時間がかかるので今世紀中にこの水位になるというわけではない。
温暖化で懸念される被害
このまま温暖化が進行すると、以下のように今後さまざまな被害が出ると予想されている。
- 台風の強大化
- 豪雨の頻度が増加
- 海面上昇と高潮により浸水被害の増加
- 感染症の増大デング熱、日本脳炎など
- 砂浜の90%が海水の侵食で消滅
- ブナの分布適域が90%減少
- 農作物の収穫量の減少と品質劣化
- サンゴ礁の99%が死滅
- 日本全国で30℃以上の真夏日の増加による熱中症死者数の増加
地球温暖化は嘘なのかホントなのか
- 地球は温暖化していない
- 温暖化しているが、CO2が原因ではない
と考える者たちは「地球温暖化懐疑論者」と呼ばれる。ときに懐疑論者は陰謀論者と同じように扱われることもあるかも知れない。
大人の事情により地球温暖化の信者となった者たちと、それを疑う者たちの主張のせめぎ合いを見てみよう。
今年の夏と冬は寒かったから温暖化してない
例年より寒い日が続いたり、最低気温の更新のニュースなどを見ると、「本当に地球は温暖化してるのか?」と疑問に思うことがあるだろう。
この疑問に関しては、一時的で局所的な「気象」と30年以上の長期的な傾向である「気候」を分けて考える必要があるという。
2019年には北海道の千歳市などでは観測史上国内最低気温を更新しているが、これは一時的な寒気の流入が原因だという。
その一方で世界の年平均の観測史上最高気温は2015~2020年までが上位6位を独占していて長期の変化をみると記録的な温暖化が起きているという。
地球温暖化の原因はCO2ではない
「地球の温暖化はCO2が原因ではない」という意見もある。
他の原因として挙げられるのが「太陽活動」であるが、太陽活動は近年では弱まっていて温暖化の原因と考えられない。
都市のヒートアイランドが原因ではという意見もあるが、温暖化は郊外から海上まで地球全体で起きているのでこれも違うという。
そして、最終的には「CO2などの温室効果ガスが増えたこと以外には理由が見当たらないと」結論づけている。
天気予報も100%じゃないのに将来の天候が予測できるわけがない
天気予報のような「気象」の予測は、複雑な現象が絡むので正確な予想は難しいとされるが、「気候」は長期的な傾向を平均したものなので物理的な計算により予測がつくという。
2100年頃の平均気温はコンピュータでだいたい予測ができるという。
温暖化の研究者の論文に不正があったのでIPCCは信用できない
2009年、温暖化の研究者のメールがハッキングされ流出して、論文データの捏造が疑われた。
この事件は「クライメート事件」と呼ばれ、文書の中には「トリック」という言葉が数回出てきて、「このトリックという文字は『人を騙す』という意味で使われているのではないか」という疑いをかけられていた。
その後、独立した調査機関により調査され不正は無かったとされているが、ほんとのところはどうなのだろうか。
北極の氷が解けても海面上昇は起こらない
「海水の熱膨張」と「氷河や氷床が海に流れ込むこと」の2つが海面上昇の原因とされている。たしかに、「北極海」の氷は海水なので解けても海面上昇は起こらない。
しかし、北極圏にあるグリーンランドの氷床や山岳地帯の氷河、南極の氷床が解けたり崩れ落ちたりすれば、海面上昇が起こるとされている。
氷床とは、陸の上に載っている氷のこと。
NASAが南極の氷が増えていたと発表したから温暖化なんてウソだ
この発表に関しては、人工衛星の観測による高度変化をそのまま氷の量の増減と計算していることや氷の密度計算への不確かさが指摘されている。
その後、南極の氷に関する論文はたくさん出ているが、現在では「南極の氷の総量は減っている」、「特に南極西部の氷河の流失が加速している」という考えで一致しているという。
地球温暖化は自然サイクルの一部であり、今後は寒冷化していく
地球は氷期と間氷期を10万年サイクルで繰り返していて、現在は温暖な間氷期の最中である。
これは天体の周期によって地球に降り注ぐ日射量が変わる「ミランコビッチサイクル」により起きるとされている。
次に氷期がやってくるのは5万年以上も先だといわれているが、氷期への移行よりも温暖化するスピードの方が早く、氷期がこない可能性も指摘されている。
また、寒冷化は太陽活動の低下や大規模な火山活動によっても起こるが、人間が出すCO2温暖化の方が勝っているという。
温暖化した方が人類にとってメリットがあるのでは?
温暖化によるメリットも確かに存在するという。
- 北極海の氷が解け新たな航路が開ける
- 寒冷地は過ごしやすくなる
- 農業に適した場所は高緯度帯に移る
- イギリスがワインの産地になる
- 北海道でおいしいお米がとれる
しかし、一方では不作になる国や地域もあるので、その恩恵は一部に限られるという。
それよりも、温暖化のもたらすデメリットである自然災害の強大化の方が深刻だという。
地球温暖化は特定の国や組織が金儲けするためにでっち上げられた
温暖化により、「電気自動車」や「再エネ事業」などのビジネスが伸びるため、新たな利権が生まれる。
温暖化の推進派たちは「地球温暖化という概念はアメリカの競争力を削ぐために中国によって作り出されたものだ」というトランプ元大統領のツイートも根拠のないデマだと一蹴する。これは、トランプ氏が旧産業に属する保守的な層から支持を集めていたという理由からだ。
さらに、温暖化に懐疑的なオーストラリアは世界最大の石炭輸出国である。つまり、新しい利権と旧い利権の戦いであることは確かだが、どちらが正しい科学的知見に基づいているか、未来を見据えているのかに注目しようとお茶を濁されるのだ。
地球温暖化懐疑論は旧エネルギー産業組織から広まった?
そのほかにも、以下のように様々な温暖化懐疑論が存在する。
- 温暖化の原因は水蒸気である
- 海から発生したCO2が原因
温暖化を信じる者たちによれば、これらの主張は化石燃料業界が資金を提供した組織から広まったと考えられ、拡散効果をねらって作られたフェイクニュースの場合があるのだという。
いや、それを言うなら、あなたがた地球温暖化を信じてやまない人たちも再エネ産業などから資金の提供を受けている可能性もあり、それはお互い様のブーメランであり、どっちもどっち、みそもくそも一緒のどんぐりの背比べではないのか。
PCR検査の生みの親キャリーマリス博士と地球温暖化
余談ではあるが、今は亡きPCR検査の生みの親「キャリーマリス博士」は地球温暖化について興味深い見解を示している。
マリス氏は気候変動の専門家ではないし、変人と言われていた人物だが、自著「マリス博士の奇想天外な人生」の「第11章:科学を語る人々」の中で地球温暖化問題について批判している。
かつて、「フロンガスが上空のオゾン層を破壊する原因だ」といわれ槍玉にあがった時期があった。
そして、冷蔵庫やエアコンに使われていたフロンガスはアメリカでの生産特許が期限切れになるのと同時に使用禁止になった。世界各国で特許料を払わずにフロンが使えるようになると喜んでいた矢先の出来事だった。
ふたたび特許で守られた新しい代替化合物が登場し、フロンはその新製品に置き換えられ生産する企業には再び金が入る仕組みになっていた。新しい利権である。偶然にしてはタイミングが良すぎるとマリス博士も絶賛していた。
マリス博士は、次のような人間活動が温暖化の原因であるとする説は馬鹿げていると語っている。
- 人間の活動が地球温暖化とオゾン層減少の原因であるとする考え方
- 人間の活動による二酸化炭素の排出が地球温暖化の原因だとする説
あとがき
つまるところ地球温暖化問題とは、これまで化石燃料で世界を支配してきた「石油メジャーの既得権益層」と「温暖化ビジネスで新たなエネルギーによる世界の覇権を狙う層」との利権争いと見ることもできる。
数多くの事例から自分にとって都合の良い部分だけを切り取り、論じることをチェリーピッキングという。
これは作為抽出と言われ、フェイクニュースやマスコミの偏向報道、筆者のブログなど多くのメディアで使われている手法だ。
今日も懲りずに互いの不都合な真実を切り取り、マウントを取り合っている。金の成る木は巨大で枝は様々な方角へ広がっていく。その果実はさぞや甘美なものになるのだろう。