自尊心の高い人とは、どういったタイプの人だろうか。
一般的なイメージでは次のようなタイプの人の事を言ったりする。
- プライドが高い人
- 天狗になっている人
- お高く留まっている人
常に、うぬぼれていて、自分は特別だと思っている人の相手をするのは面倒だし、そばにいるのも疲れるだろう。
しかし、これとは反対に世の中には自尊心が低い人も存在する。
自尊心が低いと、劣等感を抱いて人生を送ることになり、「仕事」や「人間関係」などに支障をきたしやすくなる。
また、自分との関係が上手くいっていないと、他人との関係も上手くいかない。
今回は、自尊心の高める方法について書かれているジェリー・ミンチントン著「うまくいっている人の考え方」という本をご紹介しよう。
ジェリー・ミンチントン著「うまくいっている人の考え方」を読んだ感想
「うまくいっている人の考え方」の著者ジェリー・ミンチントン氏は心理学に造詣(ぞうけい)の深いアメリカの作家である。
本書では自尊心の重要性が語られている。
自尊心とは、よく言われる「傲慢」のような意味で使われるプライドの事ではなく、流行りの言い方をすれば「自己肯定感」というやつである。
これは、自分の人格や能力、仕事に幸せを感じる気持ちの事だ。
本書では、自尊心を高める方法が100個紹介されている。
各章の見出しのタイトル
見出しのタイトルは以下のとおりです。
100項目のうちの1から10までのタイトル(項目)について抜粋している。
1 自分を許す
2 自分の長所にだけ意識を向ける
3 したくないことははっきりと断る
4 いやなことを言う人は相手にしない
5 地位や財産で人を判断しない
6 たくさん失敗して、たくさん学ぶ
7 自分のまちがいは堂々と認める
8 自分の気分に責任を持つ
9 自分をけなさない
10 仕事を楽しむ
本書は、前述したとおり100項目で2部構成。
各項目の文章は少なめで読みやすくなっている。
項目の最後には、「うまくいく考え方」として内容が要約されていて分かりやすいのも特徴だ。
僕が感じた「うまくいっている人の考え方」のポイント
100の項目の中で僕が引っかかったのは以下の3つ。
- 完璧を求めない
- 自分と他人を比較しない
- 「良い」、「悪い」という判断をしない
①完璧を求めない
本書では、「完璧主義者は幸せな人ではない」と定義している。
以下が完璧主義者に共通する特徴である。
- 自分は誰よりも物事を処理できると信じているので、余計な仕事をたくさん背負い込む
- 物事の決定に悩み抜く
- 絶えずミスを探し求め、いつもミスを発見する
僕は自分を完璧主義者とは思っていないが、記事の執筆が進まず、とりあえず公開するかどうかの判断に迷うことがある。
しかし、ブログ記事の場合は公開後も修正できるので、時間を掛ければ良いとも限らないのだが、いろいろ考えすぎて進まないことが多々ある。
「完璧主義者は幸せな人ではない」
これに限りなく近づいて行ってる感じは否めない。
パパッと書いてパパッと公開、ズバット参上、ズバット解決的な感じで、おかしな所があれば後で修正するというのが理想なのだろう。
何もかもを完璧にこなすのではなく、むしろそんなに完璧を求める必要がないことを理解することが「うまくいく考え方」である。
②自分と他人を比較しない
- 同じ時期に”○○”を始めたのにあの人は私よりもレベルが上だ
- あの人は成功しているのに私だけ何で上手くいかないんだ
という風に、誰しもが良くない事だと分かっていても、自分と他人を比較して自暴自棄に陥ってしまいがちだ。
本書では自分と他人を比較することは、現実的なセルフ・イメージを育てる妨げにしかならないと言っている。
自分と他人を比較する習慣は、不満や間違った優越感を生むだけだからだ。
心の中で相手と自分との優劣を判断すると、次のような結果になる。
- 自分より優れている人を見れば落ち込む
- 自分より劣っている人を見れば元気になる
しかしながら、ほとんどの場合、「自分はダメだ」という気持ちの方が優勢になるという。
だから、自分と他人を比較するのはどんな場合も好ましくないのだ。
人は誰もがユニークな存在
人は、さまざまな要因が組み合わさって、ほかの誰とも違うユニークな存在になっている。
- 独自の長所と短所
- 才能
- 能力
- 環境
- 人生経験
- ものの見方
- 考え方
- 価値観
自信の無さに押しつぶされそうになったら、「自分は個性的な存在だから、他人と比較しても意味がない」と心の中でつぶやくといいらしい。
それがうまくいく考え方だ。
③「良い」、「悪い」という判断をしない
人間は誰しも、次のことを「良い」か「悪い」のどちらかに振り分けようとする傾向がある。
- 出来事
- 状況
- 他人
しかし、それらは本来どちらでもなく、物事に自分の解釈を適用するから「良い」とか「悪い」とかに思えてくるだけなのだという。
- 100%良い出来事
- 100%悪い出来事
といったモノは存在せず、それは単に視点(ものの見方)の問題に過ぎない。
例えば、「公務員が不足している」といった場合、
- 悪いと考える場合・・・役所などで十分な市民サービスが受けられない
- 良いと考える場合・・・公務員の採用数が増えて就職しやすい
また、「売上が大幅に伸びた」といった場合なら、
- 悪いと考える場合・・・税金をたくさん払わされる
- 良いと考える場合・・・去年より収入が増えた
というように、ある人にとっては悪い出来事も別の人にとっては良い出来事だと言える。
だから政府の赤字は国民の黒字。政府の借金は国民の資産なのだ。
人生の出来事に関する真理とは
本書では、「人生の出来事に関する真理」について以下のように述べられている。
- 誰の利益にもならないほど悪い出来事や状況は存在しない
- すべての人の利益になるほど良い出来事や状況は存在しない
- どの視点から見るかで、どんな出来事にも良い面と悪い面がある
災害が起きた時、その土地の住人にとっては最悪そのものだ。
しかし、土地開発を生業(なりわい)にしている者にとってはビジネスチャンスに他ならない。
世の中の出来事は、誰がどのように見るかによって価値が変わる。
どうせなら「悪い」ではなく「良い」と考えるのが「うまくいく考え方」なのかも知れない。