地球滅亡までの残り時間を示す「世界終末時計」が1月27日に公表された。
注目のタイムリミットは昨年に引き続き、「残り100秒」。
イランとアメリカの衝突で核戦争の危険性が高まった昨年の2020年には、針が20秒進んだことで現在の位置は滅亡「100秒前」まで到達している。
しかし、新型コロナが猛威を振るっている今年2021年は何故か据え置きのようだ。
バイデン政権が誕生し地球温暖化対策や核軍縮に対し希望が見えてきたと言われますが、依然として危険な状態は継続中。
この時計には、やりたい放題やって来た、私たち人間に対する風刺も込められているのだろう。
米科学誌「原子力科学者会報」のCEOのコメント
「終末時計」残り100秒 昨年と同じhttps://t.co/Jy73p0VZ5l
新型コロナウイルスのパンデミック、核戦争、気候変動の脅威を受け、残り時間は昨年と同じとなった。— AFPBB News (@afpbbcom) January 28, 2021
米科学誌「ブレティン・オブ・アトミックサイエンティスト(原子力科学者会報)」は、1年に1度、世界終末時計を使って、地球滅亡までの残り時間を発表している。
同科学誌のCEO・レイチェル・ブロンソン氏は、今年以下のようにコメントした。
世界終末時計とは
世界終末時計は英語で、「Doomsday clock(ドゥームズデイクロック)」という。
核戦争などによる、
- 人類
- 世界
- 地球
の絶滅(終末)をアナログ時計の分針45分の場所からスタートし、真上の「午前0時」の位置までの部分を使って表している。
ご存じと思うが、100秒といってもあくまで仮想的なものであり、実際の100秒ではない。
この愉快な時計は、原子力科学者会報の表紙の絵として使われている。
別名は、
- 運命の日の時計
- 終末時計
とも呼ばれている。
世界終末時計が作られた経緯
第二次世界大戦後、シカゴ大学の科学者を中心とした「シカゴ原子力科学者会」という組織がつくられた。
大戦中に原爆開発の「マンハッタン計画」に参加していた科学者たちは、核エネルギーを保有したままの戦後世界に危機感を持っていたからだ。
そして、その会報がこの「原子力科学者会報」なのだ。
世界終末時計のデザインは女性芸術家によるもの
この会報の編集者であり物理学者のハイマン・ゴールドスミスは、1974年に表紙絵のデザインを芸術家のマーティル・ラングズドーフに依頼した。
芸術家ラングズドーフは、アナログ時計の針で科学者からの見解を視覚的に訴えるデザインを考案した。
ラングズドーフの夫は物理学者だったので、米ソ冷戦時代の微妙にバランスした核戦争の脅威をより直感的に伝える必要性を感じていたからだという。
世界終末時計は1974年から公表されるようになった
世界終末時計は、日本に原爆を投下された日から2年後の1974年から公表されるようになった。
時刻の修正は、原則として1年に1回行われている。
人類滅亡の危険が高まれば、時計の針は進み、危険から遠ざかれば針は戻されることもある。
終末時計の針の修正基準は核の脅威だけではない
針の動きが修正される基準は、なにも核の脅威だけではない。
- 核兵器
- 気候変動
- 環境破壊
- 生命科学の負の側面
などによる脅威も含まれるのだ。
世界終末時計のグラフ
上の図は、1947年から2020年までの世界終末時計の針の動きの推移をグラフにしたものだ。
まとめ
世界終末時計は、世界の壊滅度を分かりやすく可視化したものだ。
お役人や一般市民にもっと環境の事を考えて行動しようよと警鐘を鳴らすのは良い事だと思う。
しかし、終末時計などは茶番で意味がないという声も聞かれる。
当然のことだが、ついに今この瞬間、終末が来たという時に、この時計の針を「0」まで動かす人間などいないからだ。
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しかし、各国政府や国際機関は、
という、より文明にインパクトを与える脅威に対しての準備ができていない。