不思議な話

【バレンタインデーの都市伝説】チョコを贈る習慣はお菓子メーカーの陰謀か?

2月14日は、恋する者の祭典バレンタインデー。

バレンタインデーをチョコを渡すだけのイベントというだけでなく、その由来や日本で広まった理由について考えてみると興味深かったりする。

なかには、バレンタインデーにチョコを贈る習慣ができたのは「お菓子会社の陰謀」なんて話も囁かれている。

この記事では、バレンタインデーの起源や日本でバレンタインデーが広まった理由について考えてみる。

 

バレンタインデーの起源

聖バレンタインとは古代ローマのキリスト教の殉教者ウァレンティヌスのことで、2月14日はウァレンティヌス(バレンタイン)の処刑された日だ。

キリスト教の司祭だったウァレンティヌスは婚姻が禁止されていたローマの兵士たちを憐れに思い、彼らの結婚式を内密におこなっていた。

やがて、その噂が皇帝の耳に入り、ウァレンティヌスは2月14日に処刑されてしまった。この話がバレンタインデーの起源とされている。

バレンタインデー(英: Valentine’s Day)、または、聖バレンタインデー(セイントバレンタインデー、英: St. Valentine’s Day)は、2月14日に祝われ、世界各地でカップルの愛の誓いの日とされる。元々269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日だと、主に西方教会の広がる地域において、かつて伝えられていた。

(出典:ウィキペディア)

聖バレンタイン(ウァレンティヌス)の伝説

上記のとおり、バレンタインデーの起源はローマ帝国が発祥だという説が濃厚とされている。

2月14日は女神ユーノーの祝日だった

当時のローマでは2月14日は女神ユーノーの祝日だった。ユーノーとは、ローマ神話に登場する「結婚や出産をつかさどる女神」である。

ルペルカリヤ祭ではカップルが誕生していた

2月15日は豊作を祈願する古代ローマの祭りであるルペルカリヤ祭。このお祭りでは「くじ引き」形式で男女が出会い、一緒に過ごすイベントのようなものがあった。

前日の2月14日に女性は自分の名前を書いた札を桶に入れる。翌15日に男性が桶から札を一枚ひき、名前の書いてある女性とカップルになり祭りの間一緒に過ごすのだ。

多くのカップルがそのまま恋に落ち、結婚したという。今で言えば、お見合いパーティーや合コン的なものだろうか。

ローマ皇帝クラウディウス2世は兵士の結婚を禁止した

ローマ帝国の皇帝クラウディウス2世「愛する者を故郷に残してきた兵士が戦場にいると士気が下がる」という理由で兵士たちの結婚を禁止した。

キリスト教の司教ウァレンティヌス(バレンタイン)は結婚を禁じられた兵士を憐れんで、結婚式を隠れておこなっていた。

その噂が皇帝の耳に入ると、怒った皇帝はウァレンティヌスに兵士たちの結婚式をしないよう命令したのだ。

2月14日は聖バレンタイン(ウァレンティヌス)の処刑日

皇帝の命令に背いた司教ウァレンティヌスは、最終的に処刑されることになる。

ウァレンティヌスの処刑日は、あえて女神ユーノーの祭日である2月14日が選ばれ、ルペルカリヤ祭の生贄にされたという。

命をかけて若い男女の幸せを願った殉教者ウァレンティヌスにちなみ2月14日は恋人たちの記念日となったのだ。

バレンタインデーの歴史

バレンタインデーは世界中の恋人たちが愛を誓う日とされている。

その中でも日本で広まったバレンタインデーは独自に進化し、ガラパゴス化した行事になっている。

日本のバレンタインデーの起源についても諸説あるが、いくつかの説をご紹介しよう。

第一次世界大戦後のアメリカ説

日本でバレンタインデーが広まったのは、第一次世界大戦後のアメリカの影響という説がある。

戦時中のアメリカ兵は私物を3つしか持ち込むことが出来なかったので、そのうちの1つに栄養価の高い保存食として「チョコレート」を持たせるのが流行ったという。

その後、女性から父親や兄弟、恋人にチョコレートを持たせることが習慣化して、戦後にバレンタインデーの贈り物としてチョコレートを渡すようになり、この風習が日本にも伝わったというのだ。

モロゾフ説

神戸市にある洋菓子メーカー「モロゾフ株式会社」が2月14日にチョコレートを贈るという習慣を作ったとする説である。

これは、1936年2月12日にモロゾフが「バレンタインデーにチョコを贈りましょう」という新聞広告を載せたことに端を発している。

このバレンタインデーの広告が、現在確認されている中でもっとも古いものとされている。

メリーチョコレートカムパニー・伊勢丹説

東京都大田区に本社を置く日本の洋菓子メーカー「株式会社メリーチョコレートカムパニー」が、1958年に伊勢丹新宿店で「バレンタインセールのキャンペーン」をおこなったことが日本のバレンタインデーの起源ではないかとする説である。

森永製菓・伊勢丹説

1960年に森永製菓が「愛する人にチョコを贈りましょう」という新聞広告を出したことや1965年に伊勢丹がバレンタインデーフェアを開催したことが日本でのバレンタインデーの起源という説がある。

しかし、それより前の1956年の西武百貨店や1956年の松坂屋もバレンタインデーの新聞広告を出していたと言われおり、どうやら伊勢丹がバレンタインデーの起源ではないようなのだ。

ソニープラザ説

「日本のバレンタインデーはうちが作った」というのはソニー創業者の盛田昭夫氏の言葉だ。

1968年、ソニー関連事業の輸入雑貨の専門店「ソニープラザ」がチョコを贈るブームを作ろうとしたことからこの説が生まれたともいわれている。

日本型バレンタインデーの特徴

  • 贈り物にチョコレートが重視される
  • 女性から男性へ一方通行的な贈り物である
  • 女性が告白する日と認識されている

日本型バレンタインデーには主に上記の3点の特徴がある。海外のバレンタインデーでは贈り物をチョコに限定していない。

バレンタインデーに贈るものとしてチョコが多いのは、やはり日本独自の文化といえる。

渡すチョコによって意味が違う

  • 義理チョコ・・・友達やお世話になっている人にチョコを渡す
  • 友チョコ・・・女性が女友達にチョコを渡す
  • 逆チョコ・・・男性が女性にチョコを渡す
  • 自己チョコ・・・チョコを自分で買って食べる
  • 強敵(とも)チョコ・ホモチョコ・・・・男性が男友達にチョコを渡す

女性が男性に愛の告白としてチョコを渡す以外にも、渡すチョコの意味も多様化しており、上記の「○○チョコ」も日本で独自に生まれた文化と言えるだろう。

筆者も、義理チョコ、友チョコまでは知っていたが、それ以外のチョコは知らなかった。甘酸っぱい学生時代は何十年も前の話である。

ホモチョコ・強敵(とも)チョコとは

ツイッターでトレンド入りした強敵(とも)チョコの別名。これは診断メーカーの「バレンタインで貰えるチョコの数分かっター」から来ている。

LGBTの話題が取りざたされている昨今、差別的な用語とも取られかねないが、ツイッターのトレンドには「ホモチョコ」というキーワードが出てきてしまう世の中の世知辛さを嘆いている人達もいた。

バレンタインデーはチョコレート業界の陰謀なのか?

日本でバレンタインデーが広まったのはチョコレート業界の陰謀だと噂する人たちもいるようだが、この意見はバレンタインデーというイベントに対する批判ともとれる。

一般男性の中にはホワイトデーのお返しが金銭的負担になっている人もいる。だから義務的なイベントに対して不快感を抱くのだろう。

たとえば、既婚男性でもマナーとして他の女性にお返しを渡さなければならず、本来そのお返しに使う金銭を家族サービスに使いたいと考えている男性にとっては迷惑このうえない。

女性にしてみても、好きでもない男性に対して義理チョコ渡さなければならず、このイベントがあるせいで強制的にチョコを買わされていると感じる人もいるのではないだろうか。

さらに、職場で男性が女性にチョコを要求することがパワハラに当たるという意見もあり、企業によっては義理チョコの受け渡しを禁止しているところもあるそうだ。

企業の利益のために義務的なイベントが無理やり作りだされ、強制的にチョコを買わされているという被害者意識を持つ人びとにとっては、まさにお菓子メーカーの陰謀と言いたくなるのだろう。

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