1973年7月20日、ブルースリーは『死亡遊戯』で共演する予定だった女優ベティ・ティンペイと映画プロデューサーのレイモンド・チョウとの打ち合わせ中に頭痛を訴えて、そのまま死亡した。
検視結果では彼の死因は特定できないと結論付けられている。また、彼の死の原因とされている「脳浮腫」になる原因は5つもあるという。
死因に関する医学的証拠が混沌としているため、いつしかブルースリーの死の裏には何らかの陰謀が存在しているのではと考える者たちもあらわれた。
さらに、生前の彼はインタビューのたびに「自分は早死にする」と口にしていたことも気がかりである。
この記事では、格闘映画の伝説的スター「ブルースリーの死にまつわる都市伝説」をご紹介する。
ブルースリーの死にまつわる都市伝説
公式の死因がブルースリーの死の真相ではないとすれば、彼を葬ったのはいったい誰なのか?
ブルースリーの死に関する都市伝説は数多く存在するが、その中のいくつかを見ていこう。
- 香港で広まった不吉な噂
- 三合会黒幕説
- 武芸界の達人黒幕説
- ブルースリー黒幕説
- 古代中国の悪魔のしわざ
①香港で広まった不吉な噂
ブルースリーが亡くなる数か月前の香港では、不思議なことが起きていた。ブルースリーがまだ健在であるにもかかわらず、彼が死去したという噂がどこからともなく沸き起こり広まっていった。
その噂はどんどん大きくなっていき、香港の大手新聞社の記者たちはブルースリーが本当に死んだのだと思い込み、実際にブルースリーと面と向かって話をするまで彼が生きていることを信じなかった。
その時、その噂は噂でしかなかったが、数か月後にブルースリーが本当に死んだとき、彼らはすでに不吉な予行演習を終えていたので、それほど衝撃を受けることは無かったのかもしれない。
②三合会黒幕説
三合会(さんごうかい)は、香港を拠点とする犯罪組織である。
1970年代、三合会は香港の映画スターに「みかじめ料」を請求していたが、ブルースリーはこのような不当な要求に歯向かっていたことで知られる。
みかじめ料とは反社会勢力に支払う「場所代」や「用心棒代」のことだ。
もしかすると、彼の勇敢な行動が引き金となり、毒を盛られた可能性も考えられる。さらに、彼が死去する数か月前に香港で広まった不吉な噂もこの組織の仕業かもしれない。
③武芸界の達人黒幕説
ブルースリーが武芸界の怒りを買い、達人たちの陰謀により葬られたという説も囁かれている。
ブルースリーは武術の奥義を外国人に伝授しすぎるせいで、武芸界の達人たちから厄介者あつかいされていた。また、実際にブルースリーは伝統的な中国武術の組織と多くの問題を起こしていたようだ。
ブルースリーは亡くなる数週間前、何者かに暗殺拳「ディムマック」の攻撃を受けていたのではないかという憶測も飛んでいたのだ。
「ディムマック」は人の点穴(ツボ・秘孔?)に手をかすめるだけで証拠を残さずに、瞬殺ではなく時間差で相手を葬ることができるという幻の暗殺拳だ。
④ブルースリー黒幕説
ブルースリーを殺したのはブルースリー。この説は著名人の死では、お約束のようによく語られるようになった説だ。この大胆不敵な陰謀説によれば、まだブルースリーは生きているという。
ブルースリーが映画さながらの死を演じてまで消えた理由には、「三合会に命を狙われていた」、もしくは「名声による重圧」などが考えられる。
この説の信奉者たちは、ブルースリーがあるとき、ひょっこりと戻ってくると考えているようだ。『死亡遊戯』といえども、彼にとっては死んだフリも決してお遊びではないのだ。
⑤古代中国の悪魔のしわざ
ブルースリーの家系は代々、「古代中国の悪魔の呪いに苦しめられてきた」とする説がある。この呪いにかかると、どの時代でも長男が生まれると悪魔に取りつかれて命を落とすという。
ブルースリーの家系は特にこの呪いの影響を色濃く受けており、ブルースリーが生まれた時には、わざと女の子の名前をつけることで悪魔をやり過ごそうとしたとされる。
この噂が囁かれるようになったのは、ブルースリーの息子で同じく俳優だった「ブランドン・リー」が不審死を遂げたことが影響している。
ブランドンは、大ヒット映画「クロウ/飛翔伝説」で主役を演じていたが、撮影中に銃の事故で死亡した。
ブルースリーは息子を悪魔から守ろうとしたのか
ブルースリーは、息子のブランドン・リーが悪魔に呪われるのではないかと心底気にかけていたという。
そして、古(いにしえ)の魔術を使ってブランドンを守ろうとしていた。
よく、インタビューで「自分は早死にする」と口にしていたブルースリー。その言葉は、自分の命を犠牲にしてでも息子を呪いから守りたいという覚悟のあらわれだったのだろうか。
関連記事
関連商品