不思議な話

【脳を食べる殺人アメーバ出現!】2人の少年の命を奪った脳感染症とは?

脳を食べる殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」が、8月~9月にかけてアメリカのテキサス州とフロリダ州に出現し2人の少年が被害に遭い、亡くなる事件が起きた。

この記事では、次の「フォーラーネグレリア事件の概要」についてお伝えする。

  • 殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」
  • フォーラーネグレリアが引き起こす感染症「原発性アメーバ性髄膜脳炎」
  • フォーラーネグレリアの日本での感染例は佐賀県
  • フォーラーネグレリアは琵琶湖にいるのか?
  • フォーラーネグレリアは顔にそっくり

殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」事件の概要

Naegleria fowleri lifecycle stages

テキサス州の水道水

2020年9月8日、アメリカ・テキサス州のレイクジャクソン市で6歳のジョアサイア・マッキンタイア君(6歳)が殺人アメーバ・フォーラーネグレリアに感染し「原発性アメーバ性髄膜炎」を発症し亡くなった。

男児の感染経路は、検査でフォーラーネグレリアが確認された以下の2つのうちのいずれかだと言われている。

  • 市民センターの噴水
  • 自宅のホースからの水

フロリダ州の湖

2020年8月2日、アメリカ・フロリダ州に住むタナー・レイク・ウォール君(13歳)が原発性アメーバ性髄膜炎で亡くなった。

タナー君は7月24日~25日にかけてフロリダ州北部のキャンプ場で家族や友人らと過ごしており、敷地内の湖で泳いでいた時に感染したと見られている。

地元住民は水道水を煮沸して使用

水道水の使用規制が解除された後もレイクジャクソンの住民は水を煮沸して使うように求められている。

殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」とは

フォーラーネグレリアとは、微小なアメーバで自然発生する原生動物の一種。

通常は温かい湖や池などの淡水でバクテリアを食べて生きている。

このアメーバは、鼻から人体に侵入し、脳に到達すると原発性アメーバ性髄膜炎という感染症を引き起こす。

その後、脳は炎症を起こし破壊され、感染者のほとんどは感染から5日後に死亡すると言われている。

フォーラーネグレリアの生息地

この感染症を引き起こすアメーバは、世界中のよどんだ淡水や塩素処理が充分でない場所に生息している。

温暖な気候の場所で採取した淡水から、見つかることがある。

  • 温泉
  • プール(塩素消毒が不十分な)
  • 水道水(汚染された)

感染症「原発性アメーバ性髄膜脳炎」とは

「原発性アメーバ性髄膜炎」とは、フォーラーネグレリアが原因で引き起こされる。

感染すると、多くの場合が死に至るという、まれな「脳」と「脊髄」の感染症である。

侵入経路

フォーラーネグレリアは、鼻から中枢神経に侵入する。

脳に到達した場合は、炎症、壊死、出血が起きる。

症状

原発性アメーバ性髄膜炎に感染すると、以下のような症状が出る。

  • 嗅覚や味覚の変化
  • 頭痛
  • 頂部硬直
  • 光に対する過敏性
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 錯乱
  • 眠気
  • けいれん発作

潜伏期間

原発性アメーバ性髄膜炎は、進行が早いため発症すると5~7日で死亡するケースが多く、致死率が高い感染症である。

生存率

この感染症の生存率は3%とされている。

発症すると5~7日で死亡してしまうケースが多いため致死率は高い。

生存例

アメリカではこれまで約150件の感染例が報告されている。

原発性アメーバ性髄膜炎は、抗生物質を使った薬物治療が効果的と言われているが、発症した場合の生存例はこれまで4人だけ。

フォーラーネグレリアの日本での感染例は佐賀県

1996年11月に佐賀県鳥栖市で25歳の女性が発症したのが日本唯一の感染例である。

この女性は、発症後7日目で意識の混濁が起こり、9日目で死亡した。

死亡後の脳の状態は、形状を保てないほど軟化していたという。

フォーラーネグレリアは琵琶湖にいるのか?

日本でも感染例があるだけに油断できないが、琵琶湖などの日本の湖にもフォーラーネグレリアが発生する可能性はあるのだろうか?

結論から言えば、以下のような理由から日本国内の湖や温泉ではフォーラーネグレリアに感染する可能性はないとされている。

  • 日本には四季があるため温水を好むフォーラーネグレリアは越冬しにくい
  • プールなどは塩素消毒されているためフォーラーネグレリアが生きられない

フォーラーネグレリアは顔にそっくりな形をしている

殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」を電子顕微鏡で見てみると、人の顔のような形をしているのが分かる。

下記サイトで画像が見られる。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8213/

あとがき

殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」が、日本で出現する確率は極めて低く、海外でも感染することは稀だと言われている。

しかし、万が一感染した場合、ほぼ助からない。

これ以上の被害者を出さず、安心して水遊びが出来るように、早く効果的な治療法が見つかるのを期待しよう。

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