預言者エリヤとモーセには人の子でありながら、天使をブチのめしたという驚きのエピソードが存在する。
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- 預言者エリア・・・天使サンダルフォンの生まれ変わりとされる
- 預言者モーセ・・・神から律法を授かり十戒などで有名
天使は基本的に「体力」でも「知力」でも人間より優っている。
しかし、ときおり、どういうわけか、その天使を凌駕する勇者が現れるのだ。
今回は、そんな天使殺しの預言者ども2人と格下と思っていた人間にブチのめされ、まさかの屈辱を与えられた不甲斐ない「死天使」たちのお話。
天使サンダルフォンの生まれ変わり預言者エリヤ
預言者エリヤは、天使サンダルフォンの生まれ変わりと言われる人物。
エリヤが天使に生まれ変わる直前、ある「死天使」が勝負を挑んできた。
ちなみに、この死天使が誰なのかは分かっていない。
死天使とは
死天使とは、寿命がきた人間や動物の魂を天国や地獄に送るのが仕事で複数の下級天使たちの総称である。
以下の天使たちが「死天使」の代表格とされる。
- カフジエル
- アズラエル
- サリエル
しかし、VIP級の最重要人物の死に際しては
- ミカエル
- ガブリエル
- メタトロン
といった大天使もその役目をつとめることがある。
神の「えこひいき」にブチ切れた死天使はエリヤにブチのめされる
神が天使を差し置いて、預言者エリヤを天使に格上げしようとしたことにブチ切れた死天使はエリヤに勝負を仕掛けた。
しかし、エリヤは予想以上に強者(つわもの)で死天使と互角以上に渡り合い、圧倒される。
しまいには、神が仲裁に入らなければ死天使はエリヤにブチ殺されていたことだろう。
神の寵愛を賜った預言者モーセ
大預言者モーセにブチのめされた天使は、以下の3人。
- 天使サマエル
- 天使カマエル
- 天使ヘマハ
①天使サマエル
モーセが120歳になった時、彼を迎えにいったのは死天使のサマエルだった。
しかし、モーセは自分の寿命が尽きた事に納得できず、サマエルを杖で殴って追い返した。
「殴ったね。親父にも殴られたことがないのに!」
「それが甘ったれなんだ!殴られもせずに一人前になった大人がどこにいるものか!」
というやり取りがあったかどうかは分からないが、その時、サマエルは殴られたショックで失明してしまったという。
のちにサマエルは堕天使となり、悪魔の王サタンになったという話もあったりするが、人間モーセに殴られた屈辱が、彼を悪の道へと走らせた可能性もあるのだ。
②天使カマエル
モーセは、他にも複数の天使と戦いを繰り広げ、ブチのめしている。
天使カマエル(ケムエル)は天国の門番である。
カマエルは、モーセが神から律法(旧約聖書のモーセ五書)を授かるために、天国の門をくぐろうとした時、「通せんぼ」したので殴り殺されたという。
③天使ヘマハ
次なるモーセの犠牲者は、天使ヘマハ。
ヘマハの仕事は、罪を犯した人間を罰すること。
ある時、ヘマハは兄のアフと協力して、モーセを丸飲みにしようとした。
というのも、モーセが息子のゲルショムに割礼をしていなかったからだ。
しかし、間一髪でモーセの妻ツィポラがゲルショムに割礼を施したので、天使たちがモーセに罰を与える必要が無くなった。
ヘマハは、神の命令でモーセを吐き出した。
しかし、吐き出されたモーセはブチ切れMAXハートで怒りが収まらず、その結果、ヘマハを殺してしまったのだった。
あとがき
一説には、死天使サマエルがモーセに追い返された後、神みずから大天使ミカエルとガブリエルを引き連れて、人間モーセを迎えにいったという話もある。
「俺をヘッドハンティングしたいなら、社長が直接迎えに来いや!」といった感じが否めない。
いずれにしても、天使を蔑ろにし人間を特別扱いしすぎるという暇を持て余した神々の遊びが、天使たちの「嫉妬」や「憎悪」を増幅させ「堕天使」や「悪魔」を生み出すのかもしれない。