少し前に人と機械の融合を目指しているという「トランスヒューマニズム」という概念と「マイクロチップ」が脚光を浴びた。
そして、今回のコロナ騒動で権力者が国民を支配するためにワクチンにマイクロチップを入れているという陰謀論により、ふたたびマイクロチップに注目が集まった気がする。
今回は「人体へのマイクロチップの埋め込み」について理解を深めるとともに、超監視社会への陰謀論的思考につなげていきたい。
- 人体へのマイクロチップの埋め込みについて
マイクロチップを埋め込んだ人間にできること
大きさと特徴
- 大きさ:全長12ミリ×直径2ミリ(米粒大)
- 材質:生体適合ガラス管に電子機器が収められている
- 電源不要(受信により電力が発生するので電池交換はナシ)
- 埋め込んだ場所から動かないようにデコボコがついている
- 耐用年数:約30年程度
- チップの規格は2種類:①RFIDチップ(個人認証用・データ書き換え不可)、②NFCチップ(データ書き換え可)
- 非接触通信でデータ読み取り可能
- 中身のデータをスマホで共有・書き換え可能
- 注射器のような器具を使って埋め込まれる
- 注射器の針は太いが、少しチクッとする程度で痛みはほとんど無い
- いつでも取り出すことが可能
用途
- デジタルID(身分証明)
- キャッシュレス決済
- 家・車・オフィスなどのオートロックの解錠
- 入退室管理
- パソコンへのログイン
- オフィスのコピー機の利用
- 自販機で飲み物の購入
- 鉄道料金を手かざしで支払い(Suicaのような使い方)
マイナンバーとスマホで出来ることを足して2で割った感じだろうか。
埋め込む場所
- 親指と人差し指の間
- 薬指と小指の間
おもに、手の指と指の間の「水かきの部分」に埋め込むという。
費用
- 2万円程度
危険性
- 今のところ、危険性は報告されていない
ペット用のマイクロチップ埋め込みでは、数パーセントの確率でガンが発生するという噂があるが、今のところ、人間への埋め込みに関する副作用は報告されていない。
今後、人体への危険性が報告されるかどうかは不明。
すでに日本でもマイクロチップを埋め込んでいる人たちがいる
この日本でも、すでにマイクロチップを体内に埋め込んでいる人たちがいる。
2018年には、関西にあるIT企業の社長とその会社の一部の社員が手にマイクロチップを導入したことで話題になった。
その会社では、手に埋め込んだマイクロチップで「オートロックの解錠」と「入退室管理」をしている。
その社長によると、AI技術を扱っているという仕事柄、最先端技術やチップ埋め込みによる「人間と機械の融合」に興味を持ったのだという。
スウェーデンはマイクロチップ先進国
2017年、北欧スウェーデンでは世界ではじめて乗客の体内に埋め込まれたマイクロチップによる乗車券の検札システムが導入された。
スウェーデンにはNFC(近距離無線通信)対応のマイクロチップ開発企業「バイオハックス」があり、2019年時点でスウェーデン国内の従業員数千人へのマイクロチップ埋め込みが実施されている。
スウェーデンがマイクロチップ先進国である理由には、スウェーデン独自の「バイオハッキング文化」が関係している。
デジタル技術への信頼度が高い
スウェーデンの人々はデジタル技術に対する信頼度が他国にくらべ高く、その文化にも大きな影響を与えていると言われる。
スウェーデンはデジタル業界への投資が活発におこなわれ、有名なインターネットサービスの「skype(スカイプ)」や「spotify(スポティファイ)」などの企業が生まれた国であり、このようなデジタル技術による製品、サービスが国の経済を支えてきた。
また、スウェーデン出身の哲学者ニック・ボストロム博士がトランスヒューマニズムの発展を後押ししていたり、首都ストックホルムでは「バイオハッカーサミット」という国際会議もおこなわれていて、スウェーデンはバイオハッキング(人体改造)の聖地になりつつある。
人体に埋め込んだマイクロチップはハッキングされるのか?
元ハッカーの人物は「どんなシステムであれハッキングが可能ならば、いずれハッキングされるだろう」という。
また、専門家によれば、どのようなデバイスであれ、ハッキングされる可能性はあるという。
例えば、人体への埋込み型デバイスである「ペースメーカー」は、すでにハッキングされている。
しかし、技術的にハッキング出来ることと、ハッキングしたいと思うかは別だという。
現実に起きている「ハッキング事件」のほとんどが金銭目的によるもので、ハッカー(厳密にはクラッカー)にとってそのような旨味が無ければ、ハッキングされる可能性は低いという。
どのように実行されるかは分からないが、狙われる可能性があるとすれば、キャッシュレス決済のために登録したクレジットカード情報などだろうか。
バイオハックでサイボーグになった男
テクノロジーで自分の機能をアップデートするために、サイボーグになった男がカナダのバンクーバーに存在する。
ラス・フォックス氏は、もともとタトゥーやピアスを全身に施すといった人体改造を趣味にしている人物だった。
彼の肉体には、次のようなカスタマイズが施されている。
- 顔面の左側に蛍光色で電子基板の模様のタトゥー
- 舌先を真っ二つに切り裂いたスプリットタン
- 額に鬼の角のようなインプラント
見た目はイカツく、一見近づきがたい印象のラス氏だが、実は陽気なナイスガイなのだという。
さらに、彼は複数のマイクロチップとマグネット、電子機器などを埋め込み、機能的なテクノロジーとも融合することで、真のサイボーグを目指している。
彼は人間と機械が一体化する未来に期待を膨らませながら、今日も左右の手に埋め込んだマイクロチップを使い倒すのだ。
- 玄関ドアの解錠
- バイクのキー
- 自宅の家具に仕込こんだ護身用の銃の取り出し
- 名刺などのプロフィールとビジネス情報
- 口座番号
マイクロチップを人間の脳に埋め込む準備はできている
イーロン・マスクの出資する企業Neuralink(ニューラリンク)社では、人間の脳とコンピューターを接続する技術の開発が進められている。
その前段階の実験では猿がコントローラーを使わずに、念じるだけで卓球のようなテレビゲームをプレイする姿が見られた。
マスク氏はAI(人工知能)に対抗するために、人間の脳とコンピューターを融合させて、機能を拡張することを目指している。
というのも、AIが人間の知能を追い越す現象「シンギュラリティ」のやってくる時期が当初予想されていた2045年から2029年に早まったと言われていることに危機感を抱いているからだ。
実際には、すでに人間の脳とコンピューターを接続する「ニューラリンク」の技術は完成していて、2021年度中に人間での臨床実験がスタートする予定である。
この技術が本格的に運用されるようになれば、人の意識や知識をコンピューターネットワーク上にアップロードし、仮想現実の中で永遠に生き続けるというSF映画やアニメなどの異様な世界がやってくる。実に気持ち悪い。
トランスヒューマニズムとは
マイクロチップやバイオハック(人体改造)と一緒に出てくるキーワードに「トランスヒューマニズム」というものがある。
トランスヒューマニズムとは、日本語では「超人間主義」などと言われ、新しいテクノロジーを使って人間の体と能力を進化させようという思想のこと。
現代の人体改造や超越主義が必ずしも不老不死を目的にしたものとは限らないが、ニック・ボストロム博士によれば、トランスヒューマニズムの歴史を遡ると、古代メソポタミアの書物「ギルガメッシュ叙事詩」に行き着くという。
そこには、「不死の探求」、「若返りの泉」、「不老不死の霊薬エリクサー」などが登場し、老化と死から逃れる方法を探し求める描写が見られる。
バイオハッカーとは
バイオハッカーとは、大学や企業に所属する既存の研究者ではなく、最新テクノロジーを使って生物学的な改変をするアマチュア生物学者のこと。
その中でもトランスヒューマニズム(超人間主義)の思想をくみ、最新技術で人体改造を行い、身体と認知能力の進化を目指す者たちを「グラインダー」と呼んでいる。
雇用主による従業員の監視
情報が本来の目的以外の用途で使われ、不利に働く可能性もある。
たとえば、ある会社の雇用主が社員証の代わりに従業員にマイクロチップ埋め込みを実施する。
もし、その雇用主が秘密裏に従業員の知らない場所にマイクロチップ読み取り用のリーダー端末を設置していたら、トイレに何分間入っていたとか、どの場所にどのくらいの時間たむろっていたのかも詳しく記録され、そのようなデーターがあなたの人事に影響をおよぼすかもしれない。
あとがき
マイナンバーや今回の某ワクチン騒動は、マイクロチップを使った超監視社会への布石なのではと思う時がある。
つまり、異物を体内へ入れることや何も疑問に思わずに政府からの要請を受け入れやすくするための一種のトレーニングだったと考えられる。
これは、今後、政府が全体主義によりマイクロチップ埋め込みを推奨、もしくは義務化しやすいようにするためなのかも知れない。実に気持ち悪い。
筆者は近未来SFアニメが大好きだし、人体改造も個人的な趣味ならば微笑ましく思うし否定はしない。
しかし、アニメのような技術や未来はアニメの中だけにして頂きたいと切実に願っている。
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