アイスコーヒーのフタと海洋プラスチックごみ問題について
突然だけど、僕はアイスコーヒーが好きだ。
寒い冬でも、雪が降っていても、好んでアイスコーヒーを飲むので、友人からは「おまえ、内臓病んでんじゃない?」とよく言われる。
いまだに、内臓が病むことと冬のアイスコーヒーの関連性はよく分からないままだ。
ところで、僕はコンビニにある〈淹れたてコーヒー〉のアイスコーヒーをよく飲むのだけど、買い物ついでに立ち寄った〈セブンイレブン〉でいつものようにアイスコーヒーを飲もうとしたら、いつもの〈フタ〉と〈ストロー〉がなかった。
そのかわり、ホットコーヒーのカップのフタに似ているが、透明で直接口を付けて飲むタイプのフタがあった。
自宅の近所のセブンイレブンでは、まだいつものフタとストローだったので一瞬呆気に取られた。
これは、タピオカブームが爆発した時に同時に話題になったストローなどが原因の〈海洋プラスチックごみ問題〉の影響だなとピンときた。
そんなわけで、本記事では〈アイスコーヒー用のフタの変化〉に遭遇したことで気になりだした「海洋プラスチックごみ問題」とセブンイレブンのアイスコーヒーの新しいフタについての話。
セブンイレブンのアイスコーヒーの「ストローなしのフタ」
セブンイレブン・ジャパンは、すでに今年の8月から高知県内で試験的にこの〈ストローなしのフタ〉の導入をしていた。
これは、使い捨てプラスチックの使用量削減のための対応だという。まだ、一部の店舗のみの導入試験だが、しばらくすると全国の店舗でも広がっていくのだろう。
近年、海洋上に増加している〈プラスチックごみ〉が大問題になっている。日本だけではなく、世界的にこの使い捨てプラスチックを削減していく動きが始まっている。
コンビニの〈淹れたてコーヒー〉では、これまでホットコーヒーに関しては直接口を付けて飲むタイプのフタが導入されていたが、アイスコーヒーは未対応だった。
これからアイスコーヒーを飲むときにストローを使うのをやめれば、日本中で出てくるストローごみは確かに減るだろう。
現在、海洋上に散乱してしまっているプラスチックごみに関しては、どうしようもない状況になっているようだが、これ以上増やさないという目的ならやってしかるべきだ。
アイスコーヒーの「飲み口付きのフタ」のメリット
アイスコーヒーの〈飲み口付きのフタ〉のメリットは、アイスコーヒーを淹れる時の手間が減ることだ。
これまでは、コーヒーマシンでアイスコーヒーを淹れたあと、お好みによりミルクとシュガーを入れてからフタをしてストローを挿すという流れだった。
しかし、〈飲み口付きのフタ〉にすることで、ストローを挿す手間が減りフタをするだけで終わる。
これは自分がアイスコーヒーを買う時に限って、同じタイミングでアイスコーヒーを買うお客さん2,3人とバッティングするといった混雑時に効力を発揮する。
つまり、ストローを挿すというたった1つの動作を減らす事で、今までよりコーヒーマシン周辺の狭いスペースに密集する人口密度の圧力と何とも言えない気まずさからの脱出速度を速める事ができるのだ。
アイスコーヒーの「ストローなしのフタ」のデメリット
一方、アイスコーヒーの〈飲み口付きのフタ〉のデメリットとと言えば、アイスコーヒーを飲むときに氷が邪魔して飲みづらい事。
肝心のアイスコーヒーよりも先に、氷が口の中に侵入してくる。例えるなら、ガラス瓶のラムネを飲む際、ビー玉が引っかかるはずの窪みを避けて飲み口と唇のあいだに割って入ってくるあの感じ。
今まではストローを使用する事により、強固なストローの壁が立ちはだかり、この氷の我先にという主張を抑えていたが、これからはストローの恩恵を受けることはできない。
だけど、この〈飲み口付きのフタ〉も使い続けることによって、氷が先に口に入ってきても、もうこれは普通のこと、といつの日か慣れてしまう。違和感を感じているのは最初だけだ。
米澤穂信さんの『氷菓』的に言えば、「全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典になっていく」のだろう。
ストローも変更。バイオポリマーストロー「PHBH」とは
バイオポリマーストロー「PHBH」とは、セブンイレブンと化学メーカーの〈カネカ〉が〈脱プラスチック〉に向けて共同開発した〈植物由来100%〉のストロー。
植物油などのバイオマスが原料で微生物発酵プロセスにより精製される。このストローは、廃棄されたとしても自然界に存在する多くの微生物により分解され最終的には炭酸ガスと水になる。
〈プラスチックごみ〉のポイ捨ては良くないが、もし海や山などの自然環境の中に廃棄されたとしても、分解されて自然の一部に帰るのであれば、素晴らしいことだ。
海洋プラスチックごみ問題について
〈海洋プラスチックごみ問題〉についても少し触れておこう。
ポイ捨てなど適切に処理されなかったプラスチック製品は、雨や風などの自然の力で吹き飛ばされて最終的には〈海〉に辿り着く。
よく海に行くと海面にレジ袋などのプラスチックごみが浮いていたりすることに気づく。
そして海に浮かんでいる〈海洋ごみ〉の約70%が〈プラスチックごみ〉だと言われている。
プラスチックは自然界では分解されにくい物質なので増えていくいっぽうである。また、2050年までにプラスチックごみが魚の量を上回るという調査結果もある。
マイクロプラスチックとは
プラスチックごみのうち、大きさが5㎜以下のものを〈マイクロプラスチック〉と言う。
マイクロプラスチックはおもに2種類ある。
僕たちが毎日使っている洗顔料や歯磨き粉の中に含まれているスクラブ材(粒状のもの)などの〈マイクロビーズ〉と言われるもの。
もう一つは、海に漂っているプラスチックごみが段々と削られ小さくなっていったもの。
ちなみに、この〈マイクロビーズ〉は排水溝から河に流れていき、最終的には海へ辿り着く。
世界中の海に漂う海洋プラスチックごみの現状
現在この地球では年間800万トンの海洋ごみが発生していて、すでに海に漂っている海洋ごみの総量は1億5,000万トンにのぼる。
海に面する192か国の中で、海に流出したプラスチックごみの年間流出量を見てみると、日本は全体で30位に位置している。
また、先進国ではアメリカに続いて2番目にごみが多いという結果になっている。日本の景気も下火で最近では日本が先進国なのかさえ疑わしいものだが。
海洋プラスチックごみが人間と海洋生物にあたえる影響
人間にとっては便利な道具であっても、それとは関係ない動物達にとっては単なる毒。
人間は、生活を便利にする道具を使うのならば、その処理の仕方もきちんと考えなければならない。
それを、おろそかにしてきた結果がこの海洋プラスチックごみの問題とも言える。
海には僕らが食料にしている魚もいる。魚がマイクロプラスチックを食べ、その魚を人間が食べる。
その結果、人間の体内からマイクロプラスチックが出てくる。最終的には、自分たちに返ってくる。
あとがき
もともと海洋ごみの問題は、メディアでも取り上げられているので、知っている方も多いと思う。
とはいえ、日常的に使っている製品の形や材料が変わったりなど、その影響が身近なものになってようやく自分たちの身近な問題だと気づくこともある。
〈プラスチックごみ〉の問題を踏まえて考えてみると、コンビニのアイスコーヒーのカップもプラスチックではなく紙にした方が良いのではと思った。
