日常の話題

線状降水帯とバックビルディング現象について

いや~、梅雨が明けません。

それどころか、もう少しで梅雨が明けるというこの時期に九州から東海、関東と日本各地への豪雨被害が広がっています。

2020年7月4日から降り続く雨は、九州では球磨川、筑後川、大分川などを氾濫させました。

とくに、熊本県の被害は甚大であり死者は59名を数え、気象庁は7月9日今回の豪雨を「令和2年7月豪雨」と命名しました。

とにかく、降りだすと長時間に渡って豪雨が降り続く「線状降水帯」とその種類の1つである「バックビルディング現象」なるものが気になったので調べてみました。

線状降水帯とは

線状降水帯とは、次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなして組織化した積乱雲群です。

また、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞する事で作り出される、線状に伸びる強い降水をともなう雨域である。

  • 長さ50~300㎞程度
  • 幅20~50㎞程度

線状降水帯を英語で言うと

線状降水帯の英語表現は下記のようになっています。

  • Training (meteorology)
  • a linear rainband
  • squall line

アメリカでもっとも使われているのは「Training」です。

これは、雲の帯が電車の車両が連なる様子に似ているため名付けられたようです。

ちなみに、google翻訳で調べてみると・・・

「Linear precipitation zone」

とフルパワーで直訳してくれました。

線状降水帯のメカニズム

線状降水帯の詳しい発生メカニズムは、まだ解明されていません。

4つの発生しやすい条件が挙げられています。

線状降水帯が発生しやすい4つの条件

  1. 雲の元となる暖かく湿った空気の流入
  2. その空気が山や冷たい前線とぶつかり上昇
  3. 積乱雲を生みやすい不安定な大気状況
  4. 積乱雲を流しては生む一定方向の風

線状降水帯の実体は複数の積乱雲の集合体です。

また、線状降水帯は局地的な集中豪雨の原因になっていると見られています。

気象庁気象研究所の分析によると、1995年~2006年に発生した台風以外の豪雨261件のうちの約60%にあたる168件は線状降水帯が原因でした。

日本全国で発生しますが、九州と四国に発生することが多いそうです。

線状降水帯の種類

  • バックビルディング型
  • バックアンドサイドビルディング型(テーパリングクラウド)
  • スコールライン型

線状降水帯は下層風と中層風の組み合わせにより3つのタイプに分けられます。

その中でも「バックビルディング型」「バックアンドサイドビルディング型」の線状降水帯は集中豪雨により甚大な被害をもたらします。

広島県でバックビルディング現象注意の予報が

広島県で2020年7月9日の夜から10日にかけて「バックビルディング型」の線状降水帯が発生するおそれがあるとして警戒が呼びかけられました。

バックビルディング現象

バックビルディング現象とは、積乱雲が風上で連続して発生し、風下では雨が降り続ける現象です。

その際、風上(後方)の積乱雲がまるでビルが立ち並ぶように見えることからこの名前がつきました。

通常の積乱雲は極めて狭い範囲に1時間当たり20ミリという雨を降らせて消滅します。

しかし、バックビルディング現象では、次々と積乱雲が発生し、1時間当たり100ミリ前後の猛烈な雨を広範囲に降らせ続けます。

また、バックビルディング現象の発生時間や場所を予測するのは困難とされています。

日本でこれまでに起きたバックビルディング現象と言われている豪雨

  • 2013年7月の山口・島根県の豪雨
  • 2014年7月の沖縄県や新潟県の豪雨

広島県内でこれまでに発生したバックビルディング現象

  • 平成30年7月豪雨
  • 平成26年(2014年)8月豪雨(広島土砂災害)

線状降水帯とゲリラ豪雨との違いとは

ゲリラ豪雨とは、1つの積乱雲(単独の積乱雲)により発生し局地的な豪雨をもたらします。

ゲリラ豪雨の特徴

  • 10キロ四方の狭い範囲
  • 1時間ほどで収まる

対して、線状降水帯はゲリラ豪雨が行列を作り連続でやってくるイメージです。

まとめ

現在リアルタイムで九州および、日本各地で線状降水帯の起因の豪雨が降り続いています。

今回の「令和2年7月豪雨」で命を落とされた方のご冥福と更なる災害と被害が発生しないことを祈ります。

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