1980年代、日本はバブル景気のまっただ中。このバブルの悪ノリを象徴する出来事といえば、三菱地所による「ロックフェラー・センター」の買収だろう。
1989年、三菱地所がニューヨークにあるロックフェラー・センタービルを約2000億円で買収した。これは日本企業による外国不動産の買い漁りを象徴する出来事だった。
ロックフェラー・センターは「ロックフェラー家が米国を乗っ取った証」であった。本来なら、その米国を象徴するものに日本企業が手を出すことなど出来ないのだ。
ロックフェラー・センターを買収した理由
当時、三菱地所がロックフェラー・センターを買うことが出来た理由。正確には「買わされた理由」というべきだろうか。それについて考えられる理由は次の2つ。
- 三菱地所にロックフェラー・センターを買収させ、米国民の怒りをかきたてる
- 三菱地所がロックフェラー・センターを買収した価格よりも低い値段で買い戻す
三菱地所によるロックフェラー・センター買収は米国民に日本への恐怖心を植え付けるためのマインド・コントロールだった。この出来事と前後して米社会では日本叩き(ジャパン・バッシング)の嵐が吹き荒れていた。
だが、米国は本心では日本などまったく恐れていない。すでに日本は彼らの所有物だからだ。そもそもグローバリストは米国の象徴を渡すつもりはなかった。後日、彼らはさらに安い値段で三菱地所から取りあげるのだ。
買っていいのは買われる覚悟があるヤツだけなのか
1990年、日本のバブルが崩壊し、経済がガタガタになると、三菱地所は高値で買ったロックフェラー・センターを維持できなくなった。さっそく売りに出そうとするが、買い手がつかず、値下げするしかなかった。
結局、三菱地所はビル14棟のうち12棟を損金1500億円を出して売却した。 ちなみに、この物件を購入したのは、あの名高きゴールドマン・サックスを含む投資家グループだった。
バブル景気で調子に乗っていた三菱地所が痛い目にあっただけなのか、それとも米国内の対日感情を煽るため三菱地所が利用されたのかは不明だが、現在日本の土地は外国勢力へ向けて絶賛発売中である。