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消費税廃止後の内需拡大による成長戦略は軽視されているのか?

日本は最高税収を記録したそうだよ。そもそも日本は自国通貨だし、財政健全化や国債償還60年ルールもやめて、他の国のように借り換えで対応すればいいのに。

なんてたってほら、日本は「世界最大の対外純資産を持っている国」。消費税を廃止したあとに毎年23兆円の歳入が減るっていうけど、国内の消費が喚起されて内需拡大するという視点が抜けているように思うんだが。

緊縮財政派の人たちはそこらへんを考えてないというか、無視しているのかね。

日本が最高税収を記録した事実

2024年度の税収は約73.4兆円で5年連続で過去最高を更新。企業業績の回復やインフレによる名目GDP増が寄与と。

最高税収の内訳

  • 消費税:約23兆円
  • 所得税:約20兆円
  • 法人税:約14.5兆円

2024年度当初予算で歳出は約110兆円。税収を上回る約35兆円が赤字国債で賄われている。最高税収でも財政赤字は解消されていない。ってそんな胸を張って言われてもな。

そもそも、財政赤字を解消する必要があるのかと。通貨発行なんだから税で回収しまくったら世の中からお金がドンドン間引かれて無くなってしまうよ。国家財政と家計は別物だというのにね。

自国通貨と対外純資産を理由に財政健全化をやめてみる?

  1. 日本は自国通貨(円)の発行国なのでデフォルトリスクが低く、財政健全化にこだわる必要がない
  2. 国債償還を借り換えで対応すればOK
  3. その裏付けは世界最大の対外純資産、約450兆円

これらを理由に財政健全化をやめてみると、どうなるのだろうか。

①自国通貨の強み

日本は外貨建て国債がほぼゼロで、国債の95%以上が国内保有だ。MMT(現代貨幣理論)的にも政府は円を刷って債務を返済可能でデフォルトは理論上ありえない。

2025年時点で日本銀行は国債の約50%を保有しており、量的緩和で低金利を維持。借り換えはすでに実践されており、2024年度も約35兆円もの新規国債を発行している。

②世界最大の対外純資産

2023年末の財務省のデータによれば、日本の対外純資産は471兆3,061億円で33年連続世界一位だそうだ。

これは海外投資や企業の外貨資産が豊富な証拠で経常収支黒字(2023年で20兆6295億円)を支えている。これは1985年度以降で最大規模の黒字である。

対外資産は国家の信用力の裏付けとなって、円安時でも外貨流入で経済を安定させるバッファーとなる。ただし、これは民間と政府の資産であり直接国債償還に使えるわけではない。

③借り換えの現実と限界

現状、国債残高は1200兆円(GDP比200%超)。借り換えで対応しているが、金利が1%あがると利払い費が12兆円増える。

2025年時点の政策金利は0.25%で日銀の利上げ圧力が高まれば財政負担が急増。市場が「無限の国債増発」を疑えば、円安や国債価格下落(金利上昇)が起き、輸入インフレ国民生活が悪化する。

しかし、そもそも国債発行の目安は国債の残高ではなく、インフレ率、国家の供給能力である。戦争や災害などで供給能力が破壊されない限り、理論上インフレ・ターゲットを目安に国債発行は可能である。国債残高1200兆円。「だから何」である。

消費税廃止で内需拡大と経済効果の話はどこへ?

消費税廃止の話をすると、歳入が23兆円減るという否定的な主張ばかりでが散見されるが、国内の消費が喚起され、内需が拡大するという経済効果については見落とされがちだ。

消費税廃止による歳入減と経済効果を検証

歳入減の規模

消費税廃止で税収23兆円が消える。代替財源としては国債発行が必要だと考える。

経産省の試算では、消費税1%減でGDPが0.2〜0.3%増。金額にすると約1.2〜1.8兆円増が見込めるという。

乗数効果

消費が増えることで生産や雇用を刺激し、さらに経済が拡大。楽観的に見れば20兆円近くまで伸びる可能性もある。

税収への還元

内需拡大で所得税や法人税が増える。GDPが15兆円増えれば、税収は3〜4兆円上乗せできる(税収弾性値1.1〜1.2で計算)。

現実的な成約

消費性向

日本人の貯蓄率は約5%(2023年)。可処分所得が消費でなく貯蓄に回れば効果は半減との声もある。

でもまあそれも、これまで政府の経済政策が間違い続けてきた結果だし、貯蓄に回そうとする国民が悪いわけではないよ。あと老後に3000万円必要とか言って脅すのもよくないわけよ。

企業行動

消費税廃止で商品やサービスの価格が下がるとは限らず、企業が値下げせず利益を増やすケースも考えられる。

だが、たとえ価格が下がらなかったとしても、消費税減税や廃止には意味がある。中小零細企業などは、これまで消費税として取られていた収益が従業員の賃上げの原資となるからだ。

政府と国民のギャップ

政府の立場

財政健全化

国債残高の膨張を抑えたいザイム教は「歳入減はそく国債増=将来負担」と警鐘を鳴らす。消費税は安定財源として不可欠と主張。

防衛費との違い

年数兆円の防衛費増は「緊急性」で国債発行が許容されるが、年23兆円の永続的な歳入減は「財政規律の崩壊」と見なされる。

国民の視点

内需優先

消費税廃止で内需を拡大し、経済を活性化。その税収増で財政を立て直せる。

国債の柔軟性

自国通貨と対外純資産の裏付けにより、国債の借り換えで対応可能。

国民と政府の考え方の違い

政府は最悪のシナリオ(金利急騰・円暴落)を回避する保守的姿勢。一方、多くの国民は「経済成長による好循環」を重視するアプローチ。

この両者の違いが「財源がない」と「内需拡大で賄える」という主張の対立を生んでいる。

日本はどうなる?解決策は?

リスク

財政健全化をやめて消費税廃止と国債借り換えに突き進めば内需は拡大するが、金利上昇や円安で破綻リスクもある。対外純資産は強みだが、万能ではないとザイム教徒はいいたげだよな。

可能性

内需拡大でGDPが20兆円増え、税収が4〜5兆円戻れば、残りの18兆円を国債で賄えばよい。

現実的提案

段階的な減税

消費税を一気に廃止せず、5%(11.5兆円減)に下げ、内需効果の検証をはかる。

歳出の見直し

防衛費10兆円や輸出還付金5兆円、中抜き省庁などを削り、財源を捻出。

国債の活用

内需拡大への「投資」と位置づけ、数年間は国債発行による財政出動を許容する。

結論

「最高税収+自国通貨+対外純資産」は通貨の強力な裏付けになる。だから財政健全化を緩め、消費税廃止を試してみる余地はある。

内需拡大で23兆円の穴の一部を補填すること(12〜18兆円)が可能だが、全額賄うのは難しいとの声もある。だから、残りは国債発行でやることになる。

建前上、政府が「財源がない」というのは保守的な危機意識と政治的優先度の違いなのか。はたまたザイムの教義的なものなのかは分からない。

だがしかし、この時、内需拡大が考慮されていないのはそのとおりで、成長戦略が軽視されている証拠なのだ。

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