世界中で問題を起こしまくりの問題児、路上テロな芸術家バンクシー。
世界と社会を皮肉り、ときより作品の中に魅せる陰謀論的な不思議なアプローチから目が離せない。
「ネットニュースとかでバンクシーって名前は見るけど、いったい何なん?」と疑問に思っている方も大勢いることだろう。
この記事では、これまでに発表されたバンクシーの作品と謎の路上芸術家ついてアーティスティックに迫ります。
おばあちゃんのくしゃみで家が傾く?
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2020年12月10日、バンクシーの新作がインスタグラムに投稿された。
作品の展示場所はバンクシーの故郷イギリスの港町ブリストルのヴェールストリートと言われる傾斜が22度もあるイギリス屈指の坂が急な住宅地だ。
作品タイトルは「Aachoo!!」で日本語では「くしゃみ」の「ハクション」に相当する擬声語。
内容は、おばあちゃんがくしゃみをした勢いで入れ歯を吹き飛ばしてゴミ箱も倒し、はては黒い傘を持った通行人をも飛ばされそうになっている様子の写真(2枚目の写真)で確認できる。
急な坂に建てられた住宅の傾きの錯覚を利用して、まるで家がくしゃみの一撃で傾いてしまったかのように見える仕掛けになっている。
作品のテーマはコロナ禍でもマスクをしない人たちへの警告なのだろうか。
バンクシーの公式インスタグラムでは、フォロワーから「お大事に」といったコメントが見られた。
後輪の無い廃棄自転車で環境問題を訴える?
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2020年10月17日、バンクシーが自身のインスタグラムで新作アートを発表した。
作品はイギリス中部ノッティンガムの道端で発見された。
- 後輪のない廃棄された自転車
- 壁に描かれたタイヤをフラフープ代わりにして遊んでいる少女
今作は上記の2つの要素で1つの作品になっていて、「環境問題」と「大量消費社会」を皮肉ったモノになっている。
自転車が盗まれたら嫌だなと思ったが、良く見るとしっかりU字ロックが付いていた。
用意周到、さすがはバンクシー。
バンクシーがマスク着用を推奨か?
2020年7月14日、インスタグラムにバンクシーの新作が投稿された。
新作が描かれた場所はロンドンの地下鉄・サークルラインの車内。
上記のバンクシー公式インスタグラムに投稿された動画では、実際にバンクシーが車内でステンシルアートを創作している風景を見る事ができる。
- くしゃみをして鼻から飛沫が飛ばしているネズミ
- マスクをパラシュートがわりにして遊ぶネズミ
などがコミカルに描かれており、マスクの着用を推奨する作品となっている。
作品は「マスクをせよ、さらば与えられん」と名付けられ、ネズミとマスクなどをモチーフにしてコロナパンデミックを表現している。
運転席のドアにはバンクシーの名前もマーキングされている。
さらに、動画の最後のシーンには駅の壁と地下鉄のドアの2か所に以下のメッセージが記されていた。
- 私はロックダウンされた
- でもまた立ち上がる
バンクシーが黒人差別を批判
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上記はバンクシーが、アメリカでの黒人男性死亡事件を受けて自身のインスタグラムに発表した人種差別問題の風刺画だ。
デモは世界各地で展開され抗議活動が続いた。
この風刺画には、「黒い人物が写った遺影」と「手向けられた花」と「ロウソク」が描かれていて、ロウソクの火はアメリカ国旗に燃え移っている。
バンクシーは、「黒人の人生を悲劇的にしているものは白人の作った社会システムであり、これを改善するのは白人の役割だ」と問題の解決を訴えている。
バンクシーの新作に関する個人的な考察
自分がこれを見た時「2つの意味が隠されているのでは?」と感じた。
- 黒人差別問題への抗議
- アメリカ支配層の終焉
パッと見は、バンクシーがインスタで語ったとおり「黒人差別問題への抗議」がメインであると思う。
しかし、この絵の「黒い人物の遺影」と「燃えるアメリカ星条旗」をしばらく見ているとアメリカをこれまで支配してきた闇の政府(ディープステート)の終焉も含まれているのではと勘ぐってししまうのだ。
陰謀論的なうがった見方だが、これまでもバンクシーの作品は権力や支配に対しての風刺が多いので、そう見えてしまうのかもしれない。
バンクシーの壁画にマスクが付け足されてコロナ対策?
【一体誰が】バンクシーの壁画少女に巨大なマスク イギリスhttps://t.co/J2in3v7dqP
正体不明の路上芸術家バンクシーが『真珠の耳飾りの少女』を元に描いた壁画。建物の壁にある警報器を耳飾りの代わりにしている。 pic.twitter.com/lS3mQ5kpka
— ライブドアニュース (@livedoornews) April 24, 2020
2020年4月、このほどバンクシー関連の最新ニュースがあった。
2014年、イギリスのブリストルで謎の匿名画家バンクシーがオランダ画家フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」をもとにして描いたとされる壁画に、マスクが付け足されたとの事。
もっともこれがバンクシー自身の仕業なのかは不明である。
バンクシーの自宅待機中の新作は意味深なネズミーランド?
自宅待機中のバンクシーさんの最新の活動。奥さんに怒られた模様。#バンクシー pic.twitter.com/i1xIa6zztK
— けむり舞踏会 (@watwag8) April 20, 2020
コロナで自宅監禁中のバンクシーの新作。
ネズミがいっぱい、トイレがネズミ―ランドな仕上がりの本作はとっても意味深だ。
バンクシーとは
バンクシーは英国を拠点として活動する路上芸術家(ストリートアーティスト)であり、またある時は政治活動家、映画監督としての顔を持つ謎の人物。
社会を風刺したストリートアートは破壊的なエピグラムをスパイスにして版画の一種であるステンシル技法で表現される。
一見ブラックユーモアをまとった彼の落書きは、いつしかアートであり芸術作品として認知されていった。
世界各地のストリートや壁、都市の橋梁などに、もうただの落書きとは言えない彼のアート作品が日夜刻まれ、観光スポットとしても有名です。
バンクシーはアートテロリスト
バンクシーの作品に使われる芸術的手法はステンシルアートと呼ばれる型紙をくりぬいてスプレー塗料などで転写するテクニックだ。
街中の壁などに資本主義や権力などをあざ笑うメッセージ性の強い作品を表現したり、美術館や博物館に無断で作品を陳列するといった犯罪的なパフォーマンスにより彼を「芸術テロリスト」と呼ぶ者もいる。
バンクシーは企業やアーティストの依頼は全て断っている
バンクシーといえばブラーのジャケ。 pic.twitter.com/itOLhietQo
— masagoro 27才 (@maccaroni_MA356) February 23, 2020
バンクシーはストリートでの表現にこだわっており、ほとんどの依頼は断っている。
過去に受けたのは次の2つのデザイン案件のみ。
- 2002年・・・ファッションブランド「モンタージュ」のTシャツのデザイン
- 2003年・・・英国のロックバンド・ブラーのアルバム「シンク・タンク」のジャケットのデザイン
大企業では、ソニーやナイキ、マイクロソフト、音楽アーティストではデビッドボウイ、オービタル、マッシブアタックなどがオフォーしたものの、依頼は断られたそうだ。
バンクシーに落書きされた建物オーナーはラッキーなのか
バンクシー作品のほどんどは街の壁面などに無断で描かれおり、行政が清掃の際に落書きとして消去することがある。
しかし、近年のバンクシー人気のせいか、落書きされた建物のオーナー自身が描かれた壁面部分をアクリル板で保護したり、壁をくりぬいて落書き部分を取り出したりしている。
壁の落書きがオークションで約5000万で落札される
2007年には海外オークションのサザビーズにバンクシーの作品6点が出品され約5000万円で落札された。
たかが壁の落書きでも、価値が生まれてしまえば高額取引される。
建物のオーナーからは、迷惑どころか嬉しい悲鳴が聞こえてきそうだ。
近年のバンクシーの活動
2009年ブリストル市営美術館で美術展が開催される
#Onthisday in 2009 the extraordinary #Banksy versus Bristol Museum exhibition closed.
Over 100 works by the artist were displayed & people queued around the block to get in.
Read & see more: https://t.co/guUegBcS7e pic.twitter.com/V8XKp37eGx
— Bristol Museum & Art Gallery (@bristolmuseum) August 31, 2018
2009年にはイギリス、ブリストルの市営美術館でバンクシーの大規模な美術展「Banksy versus Bristol Museum」が開催された。
バーサスという単語が使われているあたりが挑戦的である。
テーマパークの「ディズマランド」をプロデュース
バンクシーは2015年に「ディズマランド」というテーマパークのプロデュースもしている。
これはイギリスのサマセットで5週間の期間限定で開催されたもので、バンクシーを含む計58人のアーティストによるアート作品が展示された。
この「ディズマランド」という語感から気づいた人もいると思うが、一説によるとこのテーマパークはディズニーランドを風刺したものだと言われている。
バンクシーにとっては行き過ぎた資本主義の象徴とも言えるネズミ―ランドも批判対象だ。
都市伝説的にはネズミ―は小児性愛や人身売買とも関わりがあるとも噂されている。
僕は子供の頃からネズミ―に対して何らかの邪悪なものを感じており、これまで1度しか行ったことがない。
世界的なコロナの影響で従業員の大幅解雇が最近のニュースでも伝えられたが、コロナが収束してたとしても、これまでのように従業員が集まるのだろうか。
創業者を含め、いろいろと闇が深いみたいだからな。
バンクシーは2020年横浜のアソビルでも展覧会が開催
#おうちでバンクシー展 #StayHome
《キリスト ウィズ ショッピング バッグズ》
現代のクリスマスへの皮肉を込めた作品.
慈悲や思いやり,寛容,感謝のための祝日が,消費するだけの日へと変わり,人の愚かさ等により企業が儲かるだけだと訴えている#バンクシー展 無料音声ガイドhttps://t.co/o2BqesXBqo pic.twitter.com/6jtLORgq0V— バンクシー展 天才か反逆者か (@BANKSYJAPAN) April 27, 2020
2020年3月15日~9月27日まで日本の横浜にある複合娯楽施設アソビルで「バンクシー展 天才か反逆者か」という展覧会が開催されている。
バンクシーを取り上げた映画
- バンクシー・ダズ・ニューヨーク
- セービング・バンクシー
- バンクシーを盗んだ男
上記のように近年バンクシーを取り上げたドキュメンタリー映画も多数制作されている。
バンクシー・ダズ・ニューヨーク
バンクシーを盗んだ男
バンクシーの活動と代表作品(時系列)
2つの動物園で落書き開始
ロンドン動物園のペンギンコーナー
バンクシーはロンドン動物園のペンギンの囲いに登って、ペンギン目線で落書きした。
”We’re bored of fish.” 我々は魚にはもう飽き飽きだ
ペンギンもたまには魚以外の物を食べたいのかもしれないね。
ブリストル動物園のゾウのコーナー
バンクシーは、イギリスのブリストル動物園のゾウの囲いで、ゾウの気分で落書き。
”I want out. This place is too cold. Keeper smells. Boring,boring,boring.”
外に出たい。ここは寒すぎる。飼育員は臭う。退屈・退屈・退屈。
メキシコの壁画に落書き
2001年には、メキシコのゲリラ組織の占領地域で壁画とステンシル画の作品を残している。
戦場カメラマン並みの度胸で命の危険がありそうなエリアにも入っている。
バンクシーが、ただの迷惑な落書き小僧で終わらないのは、こういう危険をかえりみないところがあるからだ。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)などに作品を勝手に展示する
2005年にはニューヨーク近代美術館、通称MoMAをはじめ、ブルックリン美術館、アメリカ自然史博物館、テート・ブリテン(イギリス)などの施設に無断で勝手に自分の作品を展示するというゲリラなアート活動を繰り広げた。
大英博物館にも勝手に作品を陳列
あと美術話で好きなのがバンクシー。
かの大英博物館に『街外れに狩りにいく古代人』という題名の遺跡のかけら(壁画の一部)を勝手に(←ここ重要)展示してたという。
内容はショッピングカーを引く古代人で、バレた後に一旦返却され、大英博物館が正式に買い取ったという奇跡が詰まった話 pic.twitter.com/1UeGFon6G5
— コトー@FM51.0 (@FM_kotoh) June 26, 2017
2005年にはイギリスの大英博物館にショッピングカートを押す古代人と槍が刺さる獣がカートに入る様子を描いた「街外れに狩りにいく古代人」を無断で展示した。
後日、この作品は大英博物館の正式なコレクションに追加された。
バンクシーの勢いに大英博物館も力技で押し切られたと見るか、シャレのわかる大英博物館の懐の深さを讃えるべきなのか迷うところだ。
銃で狙われながらバレスチナの壁に落書き
2005年には「イスラエルとパレスチナを隔てている壁に子供が穴を開けている様子」や「穴の開いた壁から見えるビーチ」などの9つの絵を残した。
バンクシーの広報担当によると、彼が作品を描いている間、イスラエルの治安部隊は空に向かって威嚇射撃をしたり、たくさんの銃口が彼を狙っていたという。
銃口が自分を狙っている状況で冷静に壁画が描けるバンクシーは強者なのか。
裸の男がバスルームの窓からぶら下がる壁画
2006年には、イギリス・ブリストルで「裸の男がバスルームの窓からぶら下がる壁画」を描いたことで、インターネット上でこの壁画を消すかどうかが問われた。
その結果、97%の人からバンクシーの壁画を残すべきとの意見が上がったため、この壁画は現在も存在している。
パリス・ヒルトンのデビューアルバムのフェイクを制作し勝手に店に並べる
「Paris Hilton & Danger Mouse – Paris」 こんなのも、あります!!
映画「Exit Though The Gift Shop」に登場するいたずらCD。#banksy #parishilton https://t.co/LVcilnLQXa pic.twitter.com/0fjwPFKFk0— GALLERY21 (@Gallery21daiba) July 22, 2017
同じく2006年にアメリカの有名人パリス・ヒルトンのデビューアルバムのフェイク(偽物)を500枚制作しイギリスの48のレコードショップに無断で陳列攻撃した。
このフェイクアルバムはデンジャーマウスにより作られた楽曲で次の楽曲が採録されていた。
Why am I Famous?(私は何で有名なの?)
what Have I Done?(私が一体何をしたの?)
歌詞カードにはパリスの顔の部分に犬の頭が貼り付けてあったり、ヌードのマネキンにパリスの顔写真が貼り付けられたコラージュ画像が載せられていた。
アルバムジャケットの見た目からは偽物と判断できなかったため、いくつかのCDは店が気づく前に一般客に購入されてしまった。
のちにそのフェイクCDはオークションに出品され、最高で750ポンド(約10万円)の値段がついた。
アメリカのディズニーランドにも勝手に作品を展示
Banksy’s Guantánamo at big thunder mountain pic.twitter.com/oLb5LQ0Z8d
— carneinsideyou (@carneinsideyou) October 13, 2018
またまた2006年のことだが、バンクシーはアメリカ・カリフォルニア州のディズニーランド内にある乗り物「ビッグサンダーマウンテン」の近くに、グアンタナモ米軍刑務所の囚人が着ているとされる、オレンジ色の囚人服に似たジャンプスーツと黒い帽子、手錠を着けた人形を無断で設置した。
これは、まさに陰謀論的な展示物攻撃で悪魔崇拝とペドフィリア(小児性愛)に関連している人々はドナルドの手により、極秘でキューバにあるグアンタナモ刑務所にドナドナされるという、有名人大量逮捕的なドナドナの噂だ。
悪魔○○ + ペ〇〇〇〇ア = ネズミ―○○○
という公式でQ.E.D証明終了なのかは分からないが、さらに謎が深まって色んなことがつながっていく。
ちなみにドナルドはダックではなくトランプの方だ。
アニメ「ザ・シンプソンズ」のオープニングをプロデュース
2010年、バンクシーはアメリカの人気テレビアニメ「ザ・シンプソンズ」のオープニングをプロデュースしてアニメやグッズの多くが制作されているアジア地域の劣悪な労働環境を毒づいた。
パレスチナに世界一眺めの悪いホテルを開業
2017年3月、バンクシーは自分の壁画があるパレスチナの分離壁の目の前に「世界一眺めの悪いホテル」を開業した。
このホテルはバンクシーが出資している、れっきとした宿泊施設でホテルの開業とともにバンクシーはパレスチナ問題に関する全てを歓迎するという声明を発表した。
ホテルの支配人であるウィサム・サルサー氏は「パレスチナの人々に暴力ではなく芸術によって世界の人々に声を伝えられる」ということを示すことが出来たと語っている。
バンクシーの絵がシュレッダーされる
2018年10月にバンクシーの作品である「赤い風船に手を伸ばす少女」がサザビーズオークションに出品された。
作品が約1億5千万円で落札された直後、額縁の下側に仕掛けられたシュレッダーが作動し作品が切断されたため、会場は騒然となった。
バンクシーはインスタグラムの投稿でこのイタズラの成功を喜び、自身が額縁にシュレッダーの仕掛けを仕込んでいる様子を映した動画を公開すると作品タイトルは「愛はごみ箱の中に」へ変更された。
このバンクシー本人によるサプライズに関してオークション会社はシュレッダーの存在を知らなかったと発表。
しかし、このハプニングは話題作りと作品の価値を吊り上げるためにバンクシーとオークション会社が仕込んだヤラセではないかとの見方もあるようだ。
ちなみに、作品の下側だけがシュレッダーされ途中で止まってしまったのはマシントラブルのせいだとか。
兵庫県でバンクシーが描いた可能性があるとされるネズミの絵が発見される
世界的路上アーティスト「#バンクシー 」が書いたと噂の落書き。(西宮神社付近)スーツケースと傘を持つネズミちゃんが上を向く感じのお馴染みのやつ。発見もかなり前だが、わざと消さない?
落書きはダメ。
だけど、ロマンはあると思うな。(撮影)Y氏#ハムスターのいる生活#アート#写真 pic.twitter.com/Skh4OZDjiq
— Y氏のsausage dog@ソーセージ中毒犬 (@sausagedog1234) January 12, 2020
そして、世界を股にかけるバンクシーの舞台は日本へ。
2019年12月、兵庫県の市民公園付近の壁に「ネズミの絵」が2点発見された。
この絵はバンクシーの作品である可能性があるとして、アートとして評価する意見もあったのだが、やはり公共施設に対する落書きとして無視できないということで結局は警察に被害届が提出されることになった。
バンクシーにとって落書きは政治や権力と戦うツール
バンクシーは、この落書きを上級国民に対する下級国民の復讐であり、安全地帯でぬくぬくと守られた敵から「権力・領土・栄光」を取り戻すためのゲリラ戦の1つであると表現していた。
バンクシー作品に込められている意味やテーマ
バンクシーの作品に込められるているのは、次のような政治的で社会的なテーマだとされている。
- 反戦
- 反消費主義
- 反ファシズム
- 反帝国主義
- 反権威主義
- アナーキズム
- ニヒリズム
- 実存主義
また、彼が作品内で批判している人間的要素は次のようなものだ。
- 欲
- 貧困
- 偽善
- 退屈
- 絶望
- 不条理
- 疎外
まさに、聖書か哲学かといった感じだ。
バンクシーは選挙で占拠しようとしたら占拠されそうになるの巻
バンクシーの退化する議会って日本の政治もじゃ… pic.twitter.com/3UNJWMaFGo
— こむぎもち (@komugi_osa) April 1, 2019
そんな政治的、社会的なメッセージを尖ったナイフのように我々に突き立てるバンクシーだが、ときには危険な目にも遭う。
バンクシーは2017年の英国総選挙において、保守党の立候補者に反対する投票をした有権者に対し無料で彼の作品のプリントを提供するというプレゼント企画を決行する。
すると、州議会はバンクシーの企画に関して贈収賄の疑いで調査すると言い出した。
あせったバンクシーは翌日にこのプレゼント企画の中止を発表するハメに。
これも腐敗しきっているイギリスの政治家に対する皮肉だったが、イギリスだけでなく日本も一緒だよ、政治家の腐敗が止まらないのは。
バンクシーの正体とは
バンクシーは正体を明かさないが、それが世間の関心を集めていることは確かだ。
謎の匿名アーティスト、バンクシーの正体に関しては諸説あるようだ。
ブリストル公立学校の元生徒ロビン・ガニンガム説
2008年のイギリスのタブロイド紙である「メールオンサンデー」の調査によると、ブリストル大聖堂公立学校の元生徒たちはバンクシーの正体がロビン・ガニンガムという人物だと信じているとのことだった。
この説はバンクシーの作品の発見場所にもとづいて2016年に唱えられはじめた。
つまり、バンクシーの作品の見つかった場所とガニンガムという人物の動きには相関関係があることが分かったそうだ。
また、バンクシーとは7人組のアーティスト集団ではという憶測も飛び交っている。
2014年にはインターネット上で「バンクシーが逮捕され正体が分かった」というフェイクニュースが流れた。
マッシブ・アタックのメンバー説
バンクシー、マッシブアタック説あったけど、どう?
似てるような…違うような… pic.twitter.com/sJlRIypw8k— ☭地獄先生 (@mecha_Elvis) July 8, 2019
2016年、スコットランドのジャーナリスト、クレイグ・ウィリアムズという人物がバンクシーの正体に関する調査結果を発表している。
ウィリアムズの説は、バンクシーの作品は集団で作られており、バンクシーの正体はマッシブ・アタックというバンドのメンバーの「ロバート・デル・ナジャ」だとするものだった。
バンクシーの壁画の出現するタイミングとマッシブ・アタックのライブスケジュールの日程がピッタリとハマるため、この説の確証を得たとのことだ。
ロバート・デル・ナジャはもともとグラフィティアーティストだった
ロバートデルナジャさんやん..? pic.twitter.com/fyWl5aQhFy
— フール (@aki_born) August 29, 2019
ロバート・デル・ナジャが、バンド結成前はバンクシーのようなグラフィティ・アーティストだったこともこの説を後押ししている。
しかし、バンクシーが有名になる前にインタビューをした翻訳家の鈴木沓子氏によるとバンクシーの正体は「マッシブ・アタックの方ではなかった」と語っている。
バンクシーはどっちのロブなのか分からない
2017年6月、英国のミュージシャンであるゴールディが、あるポッドキャスト番組にゲスト出演した際、バンクシーの事を「ロブ(ロバート?)」と呼んだという。
この発言により、バンクシーの正体は「ロバート・デル・ナジャ説」が濃厚とされた。
- ロビン・ガニンガム
- ロバート・デル・ナジャ
しかし、上記の2つの名前「ロビン」も「ロバート」も愛称はともに「ロブ」になるため、この時ゴールディがどちらのロブのことを呼んだのかは未だに不明だという。
ロンドンの国立肖像画美術館にはバンクシーの肖像画がある
ロンドンにあるナショナルポートレートギャラリーという肖像画専門の美術館には写真家ジェームス・パフによる覆面を被っているバンクシーの肖像写真があるという。
2010年の映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」では、やはり覆面を被ったバンクシー本人が登場し喋っている。
パレスチナを訪れた観光客に偶然撮影されてしまったバンクシー
バンクシー本人を捉えた世界初の写真を収録。元マネージャーによる作品集「BANKSY CAPTURED」が5月発売。現在先行予約を受け付けています。https://t.co/r7oynOhKDx pic.twitter.com/OWK2BTKOuB
— FASHIONSNAP.COM (@fashionsnap) April 26, 2020
2017年12月に英国のタブロイド紙デイリーメールにバンクシーの写真が掲載された。
パレスチナに旅行に来ていた観光客が壁画を制作している人物の写真をたまたま撮影したら、それがバンクシーだったというものだ。
この写真には帽子をかぶったスリムな中年男性が写ってる。
しかし、この写真自体、フェイクの可能性があると言われている。
バンクシーの正体なんかはどうでもいい
世界の皆さんは、バンクシーの正体について興味津々のようだ。
だが、僕個人としては正直バンクシーの中の人については興味がない。
「誰がやっているのか?」よりも、「何をやっているのか?」が大事だ。
バンクシーがこれからもこの腐った世界や政治、社会について、または支配者層の闇についての毒を吐き続けてくれればそれでいい、悪態をつき続けてくれればそれでいい。