ナチスのアドルフ・ヒトラーは人類史上もっとも残虐非道な権力者とされる。600万人のユダヤ人が収容所で虐殺され、その数は世界中にいるユダヤ人の3分の2だった。
そもそもヒトラーの目的はヨーロッパをその手中に収めることではなかったという話も存在する。ただ、彼の崇拝する魔王の要求を満たすために、大量殺戮や破壊をおこなったのではないかというのだ。
この記事では「ヒトラーを背後から操っていたのでは」と噂される4つの組織についてご紹介する。
- 死の同盟団「スカル・アンド・ボーンズ」
- トゥーレ教会
- バイエルンのイルミナティ
- シオン賢者
死の同盟団「スカル・アンド・ボーンズ」
スカルアンドボーンズは、アメリカのイエール大学で設立された秘密結社。
表向きには構成員同士が協力しあい、アメリカで経済的、社会的に成功することを目的としている。
組織のロゴは、海賊をイメージさせる髑髏(頭蓋骨)と「×」にクロスした2本の骨でデザインされている。
構成員はボーンズマンと呼ばれ、以下のようにさまざまな組織内に存在している。
- 歴代CIA長官
- 金融や石油産業の中枢
- 国防総省
- 国務省
かつての構成員として有名なものには、次のような人物たちがいる。
- ジョン・ケリー:2004年アメリカ大統領選挙候補者
- ジョージ・W・ブッシュ:第43代アメリカ大統領
- ジョージ・H・W・ブッシュ:第41代アメリカ大統領
- プレスコット・ブッシュ:ジョージ・W・ブッシュの祖父
ジョージ・W・ブッシュの祖父プレスコット・ブッシュは、ハリマン家のローランド・ハリマンと関わりがあり、銀行家として成功した2人はユニオン銀行の頭取と社長となる。
その後、ヒトラーに資金援助をおこなっていたドイツの鉄鋼王こと「フリッツ・ティッセン」とも深い関わりをもった。
トゥーレ協会
スカル・アンド・ボーンズのドイツ支部とも言えるのが、トゥーレ教会である。
トゥーレ教会は1918年ミュンヘンで結成された秘密結社。アトランティスの伝説とも共通点が多い「伝説の地トゥーレ」からその名がとられている。
トゥーレはアーリア人の故郷だと考えられているようだ。
ヒトラーとトウーレ協会
公式にはヒトラーはトウーレ教会の施設を訪ねたことはあっても入会してはいないというのが定説になっている。しかし、彼が実は会員だったとする噂も存在する。
当時、協会のリーダーを務めていたのはディードリッヒ・エックハルトという人物。
第一次世界大戦で敗れたばかりのドイツは崩壊寸前だった。1919年にトウーレ協会に入会したヒトラーはエックハルトを反キリストだと信じた。そして、さらなる大戦を引き起こし必要な殺戮を実行するリーダーに選ばれた。
トゥーレ協会と悪魔
スカルアンドボーンズおよび、トゥーレ協会は「古代の悪魔と契約すること」が可能だと信じている。
魔王の命令に従えば、偉大な力を手に入れ、地球を支配することができるというのだ。
また、性的倒錯や性行為を通して黒魔術の修行をおこなえば、呪術や儀式の力は増大し、悪の力により道が開けると考えている。
トゥーレ協会がナチスに力を与えたのか
トゥーレ協会は悪の力を利用してドイツ人の意識を操作し、ナチスに力を与えた。
ナチスは人間の憎悪や恐怖、欲望という心理を悪用し、善良な市民の心に悪を植え付けた。トゥーレ協会はヒトラーが台頭するような政治的な風潮を生みだした。
ヒトラーが権力を握ると、いとも簡単に世界大戦を誘発し、死の収容所は人間の意識を変えてしまうほどの巨大な魔力を生み出すための生贄の箱となった。
エックハルトの最後の仕事
トゥーレ協会のリーダー、エックハルトの行った最後の仕事は、ヒトラーを性的不能にすることだった。
彼は非常に暴力的な黒魔術の儀式をおこなった。
それ以来、ヒトラーは暴力的な性的満足を求めるようになり、20世紀最大のモンスターが生まれたというのだ。
バイエルンのイルミナティ
バイエルンのイルミナティ。
歴史あるドイツの秘密結社は、マフィアやテンプル騎士団を支配している言われるが、この組織もヒトラーやナチスと関わりがあったのではと考える者もいるようだ。
イルミナティは戦前のドイツに存在した多くのオカルト結社の裏に存在し、直接的では無いにせよ、ヒトラーを陰で操っていた黒幕だったのかもしれない。
ヒトラーの部下であったハインリヒ・ヒムラーは、イルミナティと関わりの深い複数の秘密結社と通じていたとされる。
シオン賢者
シオン賢者は、ユダヤ人長老により組織されたグループとされる。そのユダヤ人指導者たちの話し合いをまとめたとされる議事録が、かの有名な偽書『シオンの議定書』である。
そこにはユダヤ人が世界を征服するための計画が記されているというが、近年では反ユダヤ主義者がユダヤ人を悪者として世界中に喧伝するために意図的に作ったものだとされる。
ヒトラーはユダヤ人大量虐殺を正当化するため、この『シオンの議定書』を偽書だと分かったうえで利用したのではないかと考えられている。
エックハルトの遺言
トゥーレ協会のリーダーだったディードリッヒ・エックハルトは、死の直前に次のような言葉を残している。
「ヒトラーに従え、さすればヒトラーは踊る。だが、これまでヒトラーに指示を出してきたのは私だ。私がヒトラーを導き、その目を開かせ、権力者と対話する方法を教えたのだ」
ヒトラーは生前、彼に未来を見せようとする「あいつ」の存在に怯えていた。「あいつ」とは、「堕天使ルシファー」のことだと噂する者もいる。
もしかすると、ヒトラーと「あいつ」を引き合わせた人物は「エックハルト」だったのかもしれない。