不思議な話

ハワイ・カナダ・スペイン世界同時多発的な山火事は陰謀か?

2023年夏、ヨーロッパから北米、太平洋などで猛暑や乾燥による世界同時多発的な山火事が発生している。

ネット上ではこの世界同時多発的に起きている火災が国際金融資本による土地の収奪を目的とした陰謀なのではないかと話題になっている。

偶然、これらのリゾート地で起きている山火事は「破壊と再生」をセットにしたショックドクトリン的(災害便乗型資本主義)な意味を持つ陰謀なのだろうか?

2023年に起きた世界同時多発的な山火事

2023年夏、世界同時多発的な山火事が発生した。

  • ハワイ
  • カナダ
  • スペイン
  • ギリシャ
  • 米ワシントン州

ハワイ州マウイ島の山火事

2023年8月8日、ハワイ州のマウイ島で現代史上最悪の死者を出した山火事が発生した。火災が発生したのはマカワオ、ラハイナ、クラ、その他の場所など4か所。

特に被害が大きかったのは、かつてハワイ王国の首都があったマウイ西部のラハイナ地区だ。

SNS上にはクラウドソーシングのデータベースに基づく住民5200人以上のリストが掲載されているが、約1130人が未だに行方不明としてリストされているため、死者数はさらに増える可能性がある。

ハワイ州知事のジョシュ・グリーン氏によると、少なくとも火災により消失した2,200の建物のうち、その86%が住宅だったという。

FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)の長官ディアン・クリスウェル氏は、さらに多くの死体があったと述べた。

8月30日現在で115人の死亡が確認されており、これはアメリカ人としては最多の453人の死者を出した1918年の山火事、「ミネソタ州のクローケー火災」以来である。

マウイ島の壊滅的な山火事の集団訴訟が起こされたことを受け、電力会社の株は急落した。

カナダの山火事

カナダ西部、ブリティッシュコロンビア州でも大規模な山火事が相次いで発生している。8月18日には州全域に避難命令が出された。

カナダは過去最悪の山火事シーズンに突入しており、消火活動に当たっている消防士も犠牲になっている。

2023年夏のカナダでは、韓国やキューバの国土面積を上回る約12万1400キロ平方メートルが山火事で消失した。

スペイン領カナリア諸島の山火事

2023年8月16日、「大西洋のハワイ」と呼ばれるスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島で山火事が発生し今も広がり続けている。

山火事の影響は島内11ヵ所の町に及び、1万2000人以上の住民が避難を強いられたが、今のところ観光地区は被害を免れているという。

消防隊の出動は過去最大規模で本土の軍も支援している。テネリフェ島では1週間前の数日間、気温30度台半ばの猛暑が続いていた。

ギリシャの森林火災

2023年7月から始まったギリシャの森林火災は2000年以降でEU史上最大規模と発表され、これまでに子供2人を含む27人が死亡している。

現在わかっているだけでも次の場所で発生している。

  • ギリシャ北東部エブロス県
  • アテナ北西部アノリオシア
  • アテネ郊外パルニサ山
  • アテネ中部エヴィア島、ヴィオティア県の村
  • アテネ西部アスプロピルゴスの工業地帯
  • アッティカ高速道路付近のフィーリ村

ギリシャ北東部、トルコとの国境に近いエヴロス県では大規模な山火事が発生し3日間で約1500平方キロメートルが焼失し、同県のアヴァンタス村の焼失した建物から移民と思しき18人の遺体を発見された。

シリアやアジア各地からEUを目指す移民の多くは、トルコ側からエブロス川を渡り、加盟国ギリシャへ入る。エブロスにある「ダディアの森」は移民たちの移動ルートとして知られている場所だ。

米ワシントン州で山火事

米ワシントン州では2023年7月以降、乾燥した天候の影響により複数の山火事が発生した。

10月まで火災が発生し続けるとの予測から州知事は州全域に非常事態を宣言した。

8月18日、ワシントン州東部のスポケーン郡では2つの山火事が発生し、住宅を含む建物300棟や農地、森林など推定80000平方キロメートルの面積が消失し、1人が死亡した。

考えられる発火原因

マウイ島(ハワイ)の山火事は、強風で破損した送電ケーブルが落下し、地上の草に発火したことが火災の原因とされているが、おなじく破損した送電線が原因となった大規模な火災は2018年11月米カリフォルニア州でも起きている。

通称「キャンプファイア」と呼ばれるこの森林火災では85人が死亡、6万ヘクタール以上の土地と1万9000件の家屋と店舗が消失し、同州北部の小さな町パラダイスは焼き尽くされた。

この地域を管轄する電力会社PG&E(パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック)は自社の電力設備に問題があったと認めている。出典:AFPBB

また、火の勢いが増してスピーディーに燃え広がった原因として次の事が考えられる。

  1. 2023年のエルニーニョ現象とハリケーンドーラ
  2. 輻射熱
  3. 警報システムは作動せず
  4. 水道システム機能不全
  5. 古い住宅
  6. 残り火
  7. 燃えやすい草
  8. ラハイナには逃げ道がない

①2023年のエルニーニョ現象とハリケーンドーラ

2023年、ハワイはエルニーニョ現象の影響を受け、部分的な気候変動があり、例年よりも暑かった。

とくにマウイ島はこれまでのシーズンのほとんどで深刻な干ばつに見舞われており、山火事が発生しやすい米カリフォルニアよりも危険だった。

ハリケーンドーラはハワイ諸島を直撃することはなかったが、最接近時にはラハイナの山火事を悪化させる働きをした。

マウイ島沿岸から約500マイル(約804キロメートル)離れた所にいたドーラと島の北側で発達した高気圧の間に勾配風が発生し、そこにハリケーンドーラが接近し、突風の速度が上がり始める。

ハリケーンと高気圧による時速102マイルの超強風が西マウイ山脈を越えてラハイナ盆地に押し寄せた。

そもそも、このハリケーンは7月下旬に熱帯低気圧として始まっていた。それが大西洋でハリケーンとして発生し、太平洋を約1万マイル(約16000キロ)横断するという信じられないことが起きた。

当時、ラハイナ上空では時速45マイルから60マイル、ハワイ島上空では時速80マイルの突風が発生していた。

②輻射熱

地理的条件も味方し、火災は西側の太平洋と東側の西マウイ山脈にまで広がり、スピーディーに燃え広がることに加勢した。

これは、ハリケーンドーラと高気圧の影響で発生した時速80マイルの勾配風の功績が大きいと考えられる。

北からの突風が炎を煽るだけでなく、燃焼に必要な酸素を豊富に供給した。さらに西の山脈を背にしているため、火災の輻射熱がラハイナに向かって反射され、より高温になった。

その温度が卓越風によって火の中に注入され、より高温になる。熱風はすぐに火の中に送り込まれて、いわゆる溶鉱炉のようになった。

今回の火災では山脈を背にしたあらゆる場所に拡散しただけでなく、少なくともその熱の半分が山に吸収され、入ってくる風の温度がさらに上昇した。

③残り火

残り火は風にひろわれて空中を舞い、移動する。そしてまた別の場所に落下して火災を広げる可能性がある。

火災の時、風によって投げつけられる物体ファイアブランド(火のついた木片)もその1つだ。火災中に巻き込んだ風により生じたファイアブランドや屋根瓦なども火災を広げる原因となる。

その後、フラッシュオーバーが発生する。フラッシュオーバーとは、室内の局所的な火災が数秒から数十秒の短時間で部屋全体に広がる現象。室内に充満した引火性のガスが爆弾のように発火する。

木が発火し始めると、実際には爆発性のガスが放出されることがある。これはバイオガスのようなもので、時速80マイルの風が吹いた時にはすでに発火しており、温度が非常に高くなっていたと考えられる。

さらに、ファイアネード(firenado)という現象もある。これは非常に高温な火炎と、非常に高速な熱の上昇により巨大な炎が竜巻のように立ち上がる現象で、極端な対流の過程で炎が炎を引き寄せるのだ。

④燃えやすい草

島の40万ヘクタール以上の土地に影響を及ぼした要因はまだある。それは、この土地が火災が発生しやすい草で覆われていたということだ。

ハワイ州マウイ島の火事の被害が拡大した原因として注目されているのが侵略的な外来植物の存在だ。

この外来植物の特徴は景観を一変させ、燃えやすいという点だ。つまり、容易に発火しやすい状況を作り出し、火災が多発するというのだ。

  • ヒゲクリノイガ
  • ギネアキビ(ギニアグラス)
  • トミツグラス(トウミツソウ)

これらはアフリカ原産の外来植物である。当時は牧草として導入されたが、数十年後に火災を助長する燃料となることなど知る由もなかっただろう。

これらの外来植物は枯れても腐ることはなく、枯れた状態でそこにあり続ける。そして、固有種よりもたくましく、火災に強く、徐々に固有種と置き換わっていくという。まさに静かなる侵略だ。

ハワイではグローバル化の影響で1990年代にサトウキビ・プランテーションが廃止されて土地が放棄されたため、外来種の侵入を許す広大なスペースが生まれた。

ハワイ大学の火災生態学者クレイ・トラオアーニヒト氏は火災問題のほとんどはプランテーション時代が終焉を迎えたあと、土地所有者が放置した土地が外来種の草原になってしまったことが原因だと指摘している。

外来種のいない島に外来種を持ち込むと、生態系全体の構造とバランスが完全に変わってしまう。

この例では、乾燥期間と火災を引き起こす可能性のある枯れ藪が多くあるので、その種のすべてが今、大規模な土地収奪のプロセスになっているという陰謀論の1つの見方を作り出す役割を果たしている。

⑤警報システムは作動せず

ハワイ緊急管理庁のアダム・ワイントラウブ報道官によると、約400台の警報機を備えた世界最大級の統合型屋外サイレン警報システムは火災中に作動しなかったという。

ハワイ諸島で2番目に大きな島であるマウイ島には住民に警告するための屋外サイレンが80台設置されているが、人々が火災から命からがら逃げる中、それは機能することは無くただひたすら沈黙を守っていた。

当時はほとんどの電気と携帯電話などの通信サービスがすでに停止されていたため、火災がどれほどのスピードで広がるのかを予測することが出来なかったのだ。

⑥水道システム機能不全

もう一つの不幸な出来事はニューヨークタイムズ紙が町の水道システムの機能が不十分だった可能性があると報じたことだ。

たとえ消防士が消火栓を使用していたとしても、大火災を鎮火するだけの十分な水圧をえられなかったというのだ。

水道システムの機能不全。停電すれば電動ポンプも停止する。水があっても停電なら消火できない。消化する方法が存在しないという明らかなシステム上の欠陥である。

⑦古い住宅

もう一つの要因はラハイナの歴史的性質。建物の多くは木造で非常に古く、おそらく現代の建築基準を満たしていない。

現代の建築基準では火災を遮断するために防火扉や防火断熱材、その他の考慮事項が必要である。

古い住宅にはこうした考慮事項があまりなく、建築基準に則した現代住宅が普及することも無く、このような問題が長期間放置されてきた。

⑧ラハイナには逃げ道がない

火災と強風に襲われたマウイ島は本当に災害に対する準備が出来てなかった。

特にラハイナ地区は北と南に出入りする道路が一本しかなく、これらの道に沿って火災が起きた。

この道を塞がれた場合、そこの住民に逃げ道がないため被害は拡大する。

世界同時多発的な山火事についてのあやしい噂

Devastation in Maui August 8, 2023 出典:NASA

この噂話には、土地を買い占めようとする投資家や億万長者、マウイ島を世界初のスマートシティとして再建しようとする怪しい計画まで登場する。

ハワイの火事を例にあげ、これらの山火事に関する不可思議な噂について見ていく。

  • 資本家の土地収奪の噂
  • 15分都市構想
  • 温暖化アピール
  • 燃えない富裕層の家
  • 指向性エネルギー兵器

資本家による土地収奪

ネット上にはマウイの大規模な火災が裕福な資産家や億万長者が土地を安く手に入れるために、土地収奪が目的で引き起こされたとする説も見られる。

ざっとこれまでのハワイの歴史を見てみても、すでに土地の収奪や乗っ取りが起きている。

  • 1795年:カメハメハ1世(大王)は白人たちが持ち込んだ銃器を利用して、3つの王国が分立していたハワイ諸島を統一し、ハワイ王国を建国した。
  • 1820年:カメハメハ2世の治世に多くの宣教師がアメリカから移住し、キリスト教文化がハワイに定着していく。また、アメリカ人によるプランテーション農業のための土地の収奪およびキリスト教的価値観の押し付けが始まっていく
  • 1840年:憲法を公布し、立憲君主制になる
  • 1843年:イギリスがハワイの領有を宣言する
  • 1849年:フランスがハワイの領有を宣言する。ハワイをめぐる列強の抗争が激しくなる
  • 1850年:中国からの組織的な移民が始まる
  • 1891年:カラカウア王没後、リリウオカラニ女王が即位
  • 1893年:リリウオカラニ女王がアメリカとの不平等条約を撤廃する動きを見せると、これに反発したアメリカ人農場主らが海兵隊160名の支援を得てクーデターを起こし、王政を打倒。臨時政府を樹立。女王はイオラニ宮殿に軟禁される
  • 1894年7月4日:アメリカによる併合に時間が掛かると判断した臨時政府は新憲法を発布し、ハワイ共和国を宣言した。大統領に就任したサンフォード・ドールは、最初で最後のハワイ共和国大統領となった
  • 1895年1月16日:ハワイ人王政派が武装蜂起したが、原住民は短期間で鎮圧、虐殺され、ハワイは完全に乗っ取られた。この武装蜂起を支援したとして、リリウオカラニ女王が逮捕、幽閉される
  • 1895年1月22日:リリウオカラニ女王廃位により、ハワイ王国が滅亡
  • 1898年8月12日:米西戦争(アメリカ・スペイン)でハワイの地政学的重要性を認識したアメリカはハワイ共和国を併合し、米自治領ハワイ準州となる
  • 1959年8月21日:ハワイはアメリカ50番目の州に昇格し、本格的なリゾート開発が始まる

そして、今回の土地収奪の目的は莫大な資産を投じてつくられる巨大複合リゾートや以下に説明するスマートシティや15分都市と言われる次世代の都市構想にあるともっぱらの噂だ。

15分都市構想

15分都市構想。これは日本ではスーパーシティやスマートシティの名で知っている人もいるだろう。

15分都市とは新時代における人々の生活の利便性を追求した都市構想で、コンセプトは「シンプル」である。

この町では医療や教育、食料品、緑化スペースまで、必要なものは自宅から徒歩か自転車で15分圏内の場所で揃うという。

15分都市は、住みやすく連携した街を作ることと環境汚染を改善する取り組みを同時に行うことを目的としている。ここでは自家用車を極力使わず、空気を浄化して道路に緑を増やし、地球温暖化につながる汚染のレベルを減らす。

しかし、SNSで「15分都市:15‐minute cities」と入力すると次のような主張をごまんと目にすることになる。

  • ディストピアの到来
  • 「区域」から出ると罰金が課せられる
  • 個人の自由が阻害される
  • 都市という名の監獄
  • 世界規模の社会主義思想
  • 愚かな為政者が車の運転の許可される地域を勝手に決めてしまうクソ構想

などなど、この都市計画に懐疑的な人々は支配層が世界各国の住民を表向きにはこの便利な都市に閉じ込め、監視、管理を強化し、より彼らの都合の良い世界を構築するためのものだと主張している。

こうした懐疑論が出てくる背景にはコロナパンデミック後の格差・気候対策として世界経済フォーラムで打ち出された「グレートリセット論」や越後屋と悪代官が一丸となって推し進めようとする悪だくみがある。

コロナの次は気候変動をダシにして儲けてやるという地球温暖化詐欺、それを利用しての「鳥かご」の設置、つまりは気候対策を理由に国民の自由を極力制限してくるという説を信じる者が増えたからだろう。

果たして真実はどちらなのか。

温暖化のアピール

昨今、御用学者やマスコミなどは常日頃から地球は温暖化しているということを大衆に刷り込むことに必死だという噂もある。

これに対し、一部の研究者の中には寒冷化に向かっていると考える者や、たとえ温暖化していたとしても、それは人間の活動が原因ではないと主張する者も存在するようだ。

つまりは、CO2の削減には大した意味はなく、意味があるとすれば経済的な側面にあるという。それは削減できていない国から罰金を取ることや電気自動車や太陽光パネルなどの温暖化対策グッズの販売、大衆を閉じ込めるための15分都市の建設に対してのみだ。

この噂話では国際金融資本は、自分たちの金儲けのために次から次へと新しいイベントを作り出し、ビジネスチャンスをでっち上げあげる必要があり、「地球温暖化詐欺」と呼ばれる物もその1つだとされている。

燃えない富裕層の家

マウイ島で燃えているのは貧困層の家ばかりで富裕層の大邸宅は燃えていないという噂がある。

だが、富裕層の家は新しい建築様式で現代の耐火基準に従って建てられた家であるため燃えずらいという反論もある。

それ以外にも富裕層の家は広大な敷地にあり、数マイルまたは数エーカー離れているため火が燃え移ることがなかったことや、どの家も青々とした緑の芝生があるが、非常によく手入れされており短かったため、ラハイナ地区の住宅に比べて火災の被害はそれほどでもなかったという話だ。

指向性エネルギー兵器

SNS上では「マウイ島の火事は山火事ではなく、上空、宇宙から発射された高出力レーザーによって引き起こされた」とする陰謀論が拡散された。

上の画像がレーザー攻撃の証拠として悪用されたフェイク画像の元ネタ(スペースXのインスタグラムより)。米航空宇宙企業スペースXが2018年にロケットを打ち上げた時のものだ。

それは火災を起こすために使用されたDEW(directed energy weapon:指向性エネルギー兵器)であるとし、マウイ島で起こったことは地元住民に対する侵略攻撃だと主張した。

しかし、上空からレーザー攻撃されている刺激的な画像はマウイ島とは何の関係もない過去のロケット打ち上げの画像を加工した物だと判明している。

また、実際に指向性エネルギー兵器は米軍などにより開発されているが、人工衛星からピンポイントで地上を攻撃できるものではないという指摘も出ている。

話は変わるが、意図的にネット上にフェイク画像や映像をばら撒いているのもエリート層の仕業とする説もある。

これは大衆誘導や洗脳の一種で、誰が見ても明らかにフェイクと分かるような画像・映像を大々的に取り上げ、みんなで笑いモノにすることによりエリート層にとって都合の悪いその他の情報も全て陰謀論だと一般人に刷り込むための手法だという。

あとがき

出典:ハワイ州緊急事態管理庁

2022年2月、ハワイ州は包括的緊急管理計画を発表し、様々な自然災害がハワイに与える影響をランク付けしているが、驚くべきことは「山火事」が最下位にランクされており、火災によるハワイ住民への影響とリスクが軽んじられている可能性があるということだ。

住民の軽視はそれだけにとどまらない。不動産業者なのか投資家なのか定かではないが、ハワイの人々に電話やメールを送りつけ、「土地を売る気はないか?」との話を持ちかけてくる輩がいるという。まさにショック・ドクトリンだ。

マウイ島の住民が所有しているものは火災により失われ、建築基準を満たしておらず保険にも入れなかった人々はパニックに陥っていることだろう。

そんなもっとも不安で脆弱なタイミングで被災者へコンタクトを取り、恐怖を煽って土地を安く買い叩こうとするハゲタカどもは恐ろしく利己的で愚かである。

内外のマスコミは住民の境遇を慮るよりも、突然の空からの攻撃で炎上した陰謀論の火消しに大忙しのようだ。

出典:ハワイ州緊急事態管理庁ロイター

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