不思議な話

【サンジェルマン伯爵と不老不死の謎】年齢サバ読みは挨拶替わりのギャグなのか?

サンジェルマン伯爵は、18世紀のヨーロッパを中心に活動したとされる人物。

彼をよく知る者たちはみな、何十年経っても彼の見た目は変わらず、老いず若いままだったと語っている。

いつしか彼は不老不死なのではと噂されるようになったという。

サンジェルマン伯爵とは

Count of St Germainサンジェルマン伯爵 image:wikipedia

サンジェルマン伯爵な、スペイン王女と貴族の間に生まれた私生児というのが一般的な説になっている。

しかし、本人の公言していた話も含め、生いたちにも諸説あるようだ。

  • ルーマニア王家にゆかりのある者
  • ポルトガル系ユダヤ人
  • イタリアのメディチ家にゆかりがある者

また、彼は比較的に身分の高い出自のためか、様々な分野の教養を持ち、化学、音楽、芸術のジャンルで、その才が評価されていた。

そんな彼の半生は、謎に満ちており正体が明らかになるのはフランス社交界にデビューする晩年67歳以降だった。

しかし、この年齢も怪しいもので、社交界に出入りしていた頃の彼の見た目は40代より更に若く見えたという。

サンジェルマン伯爵の死

伯爵は、1671年もしくは1707年に生まれで1784年にドイツで亡くなったとされる。

享年は93歳。

サンジェルマン伯爵の伝説

サンジェルマン伯爵には様々な噂や伝説があったが、彼は敢えて否定しなかったという。

語学堪能

  1. ギリシア語
  2. ラテン語
  3. サンスクリット語
  4. アラビア語
  5. 中国語
  6. フランス語
  7. 英語
  8. イタリア語
  9. ポルトガル語
  10. スペイン語

10か国語に堪能で、今で言う多言語話者(マルチリンガル)というやつだった。

これだけ話せたら、だいたいどこに行っても生きていけそうだ。

音楽の才能もあり

  • 作曲
  • ヴァイオリン
  • チェンバロ(クラヴサン)

ヴァイオリンやピアノに似た鍵盤楽器チェンバロの演奏のほか、作曲にも才能を発揮していた。

化学と錬金術にも精通

化学と錬金術にも詳しく、最終的には不老不死に関する本を執筆したのではと言われている。

また確証は無いが、カリオストロ伯爵が所有していた、

  • カバラ
  • 錬金術
  • フリーメイソン

について書かれている秘伝書「The Most Holy Trinosophia」の著書はサンジェルマン伯爵だと言われている。

ダイヤモンドの傷を消す

たくさんの宝石を所有し、それについての知識も豊富で、秘術でダイヤモンドの傷を消したとされる。

不老不死

何年何十年の時を重ねても、その容姿は老いることなく、若々しかった。

そして、「自分は不老不死なので、霊薬を口にする他は食事は必要としない」と伯爵みずから語っている。

その秘薬の効果は凄まじく、様々な時代、時を超え、ゆうに「2000〜4000年」は生きているといわれた。

それが、自らの錬金術の研究によって作り出したモノか、所属する秘密結社から与えられたモノかは不明である。

未来を予言した

フランスに現れた伯爵は、王家の危機を予言し、王妃マリー・アントワネットに忠告したが、聞いてもらえなかったという。

催眠術が使える

サンジェルマン伯爵は、催眠術にも長けており、相手に術をかけ、姿をくらますことが出来たという。

色々と多才すぎる男。

古代から歴史的イベント・人物と絡む

サンジェルマン伯爵は、その長い長い寿命のおかげもあり、その目で直接歴史的なイベントを観察するだけでなく、歴史的人物とも関わりを持ってきたと自身で語っている。

  • カナの婚礼
  • バビロン宮廷の陰謀
  • ソロモン王やシバの女王と面識あり
  • キリスト教勢力の十字軍に参加
  • イングランド王リチャード1世と会話した
  • ゲーテは伯爵の弟子

イエス・キリストの最初の奇跡とされる「カナの婚礼」にはじまり、ソロモン王とも面識があり、なんと「ファウスト」などで有名なゲーテは伯爵の弟子だという。

サンジェルマン伯爵の目撃者たち

ヨーロッパ史上最大の謎を持つ人物「サンジェルマン伯爵」の目撃者たち。

哲学者ヴォルテール

ヴォルテールはフリードリヒ2世に宛てた手紙で、「サンジェルマン伯爵は、決して死ぬことはなく、すべてを知っている人物」だと書いている。

また、フリードリヒ2世も「サンジェルマンは死ぬことのできない人間」だと語っていた。

作家ニコラ・シャンフォール

ある時、フランスの作家ニコラ・シャンフォールが、伯爵の使用人に「あなたの主人はホントに2000歳なの?」と尋ねた。

すると、使用人は「それはお教えすることができません。私はたった300年しかお仕えしていないのです」と答えたという。

作曲家ジャン・フィリップ・ラモー

ラモーによれば、「人生で何度かサンジェルマンに会ったが、数十年経っても、いつも同じ年齢のサンジェルマンだった。彼の存在は神秘そのものだ」と言っている。

稀代のプレイボーイジャコモ・カサノヴァ

カサノヴァは、オランダでサンジェルマン伯爵と面会したが、この時、伯爵の身につけていたアルメニア風の装束を見て、彼こそが伝説の「彷徨えるユダヤ人」ではと考えたそうだ。

「彷徨えるユダヤ人」は、古くから伝わる民間伝承だ。

「彷徨えるユダヤ人」
あるユダヤ人が十字架を背負いゴルゴタの丘へ向かって歩くイエスを罵った。
そのせいで、キリストが再臨するまで生き続ける運命となった。そのユダヤ人は、100年に一度、30歳に戻るという。

ナポレオンの甥

かの有名なフランスの英雄ナポレオン・ボナパルトの甥であるナポレオン3世は、サンジェルマン伯爵に興味を抱き、彼について調べるよう警察に命じた。

しかし、その後、集められた伯爵についての資料は、宮殿が火事で燃えた際に消失したとされる。

タイムトラベラー説

サンジェルマン伯爵が、日中戦争で目的されたという情報もあるため、タイムトラベラーではという説もある。

サンジェルマン伯爵はイルミナティの「魔術師」だった

サンジェルマン伯爵は、かつてイルミナティのメンバーだったという噂がある。

メンバーリストにはその名前が記されており、魔術師(術師)の階位が与えられていたという。

彼は、魔術や錬金術の知識をもってイルミナティの組織に貢献していたのだろうか。

今は日本にいるという噂

ホントのところはどうか知らないが、サンジェルマン研究家の話では、伯爵は1984年から何故か日本に滞在しているという。

しかし、専門家にも緘口令がしかれているらしく、詳細は不明である。

現代のサンジェルマン伯爵の呼び声も高い荒木飛呂彦先生

漫画ジョジョの奇妙な冒険でお馴染みの、巨匠荒木飛呂彦先生は、現在60歳であるが、若い頃からほとんど容姿の劣化が見られないことで有名。

さすが、波紋の使い手といったところか。

あとがき

サンジェルマン伯爵と使用人は年齢に関して聞かれた時は、「300歳」や「2000歳」という風にサバを読んで答えていたのかも知れない。

つまり、退屈した社交界の金持ちたちを楽しませるために、2人は今でいうコントのような一連の「やり取り」を挨拶がわりの「お約束」として前もって仕込んでいた。

ずいぶん昔の話になるが、筆者が子供の頃は八百屋や魚屋などへ買い物に行くと、会計の時「お決まり」のように「10円なら10万円」、「100円なら100万円」とジョークまじりにお釣りを渡すオジサン達がいたのを思い出した。

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