アドルフ・ヒトラーの暗殺計画は、少なくとも42回は企てられたという。
しかし、ヒトラーに仕掛けられたた謀(はかりごと)はそれだけにとどまらない。
第二次世界大戦中、アメリカ軍にはヒトラーを女性化する計画が存在したというのだ。
- ヒトラー女性化計画について
ヒトラー女性化計画
ヒトラー女性化計画。その目的はヒトラー女性化によるドイツ軍の弱体化、および戦争の早期終結を狙ったものであった。
このヒトラーに対するもろもろの謀略は、おもにアメリカのOSS(戦略諜報局・Office Strategic Service)により実行されていた。
しかし、最初からヒトラーの女性化を狙った企みが存在していたわけではなかった。
- ドイツ軍の弱体化
- 戦争の早期終結
ヒトラー失明計画
ヒトラー女性化計画が立案される前には、ヒトラーを「失明」させるという計画が存在した。
アメリカのOSS(戦略諜報局)は、秘密裡に「水と反応すると気体が発生し、時間をかけてターゲットを失明に追いやる非殺傷型化学兵器」の開発に成功していた。
1942年4月、OSSはヒトラーとムッソリーニの2人がヒトラーがオーバーザルツブルグに所持していた別荘で会談するという情報を手に入れた。そこで、上記の化学兵器を用いて「ヒトラー失明計画」を実行する。
OSSの計画は以下のようなものだった。
- 失明に追いやる化学兵器を別荘に仕掛け2人を失明させる
- ドイツ・イタリア国内のカトリック教徒に戦争協力をやめるようにローマ教皇に御触れを発表させる
しかし、なぜかヒトラーが会談場所をザルツブルグのクレスハイム宮殿に変更したためこの計画は失敗に終わったのだった。
ヒトラー女性化計画始動
「失明化計画」が失敗したのち、OSSは計画を再度ねりなおすことにした。そこで注目されたのがヒトラーの性格だった。
OSSがヒトラーの性格を精神科医に分析させると以下のような行動や傾向から「ヒトラーの性格は女性的である」と結論づけられた。
- ヒトラーは毛布を嚙む癖がある
- おしゃべり好きと演劇性
- 他人に責任を転嫁しがちで執念深く復讐心も強い
- 粗食を好み運動を好まず長寿を願う
- 嫉妬深い
- 子どもをかわいがるが自分の子を持とうとしない
この診断結果はあくまで当時の医学に基づくもので、現代の精神医学に照らし合わせると妥当とは言えない。
また、女性の性格に対しての過度な偏見も多くみられ、SNSの発達した現代であればフェミニストの餌食、いやフェミニストの方々が黙っていないだろう。
ちなみに、当初OSSにはヒトラーの「てんかん発作」を増進させるというアイデアも出されたようだが、そのような薬剤が存在しなかったため断念されたという。
ヒトラー女性化計画実行
1942年の秋、OSSは熱でも水でも変性しない高濃度の「女性ホルモン」を開発した。それをヒトラーの食べる野菜に振りかけ摂取させる計画が実行された。
OSSはヒトラーの食べる野菜を納品している農家を特定し、そこで働いている反ナチスの小作人を買収し、工作員に仕立てあげた。
それから2週間後、その小作人から女性ホルモン液をふりかけた野菜をヒトラーへ納品したとの報告がOSS本部に入った。
計画の成功に本部は沸き立ち、「ヒトラーにブラジャーをプレゼントしよう」、「マニキュアも忘れずに」などとふざけ合う様が見られたという。
ヒトラー女性化計画失敗
その後、まてどもまてどもヒトラーが女性化したという話が出てくることもなく、ヒトラーが本当に高濃度の女性ホルモンを摂取したのかどうかは謎である。
また、OSSの記録では、この計画は失敗したとされている。
しかし、1942年以降たしかにヒトラーの体調は悪化していて、それは女性ホルモン投与の影響によるものではないかと戦史作家の児島襄(こじまのぼる)氏は語っている。
アメリカ軍が考える謎の珍兵器
アメリカ軍や諜報機関がたくらむ謎の計画や珍兵器開発への情熱は毎度ながらに頭が下がるものがある。
ヒットラー女性化計画にとどまらず、実際に兵器化されたかどうかは不明だが、日夜、存在を疑ってしまうような珍兵器が考案されては儚く消えていくという兵どもが夢のあと。
そのいくつかをご紹介しよう。
- オナラ爆弾
- オカマ爆弾
- 私を刺して、私を襲って兵器
オナラ爆弾(誰だよ?オレ?爆弾)
オナラ爆弾は「オナラ」や「口臭」の強烈な臭いを敵陣地に拡散し、敵兵同士で「今誰がこいた?」、「おまえ?」、「おれ?」と疑心暗鬼にさせ士気を鈍らせる効果を狙った珍兵器だ。
これまで、この爆弾の有効性についての研究がおこなわれてきたが、「人は常日頃からオナラの臭いを嗅いでいるので、戦場でオナラ爆弾で攻撃されたとしても、それが兵器による攻撃だと気づかないのではないか」ということにやっと気づいたのだという。
オカマ爆弾
オカマ爆弾は「アメリカ空軍研究所」が開発研究をおこなっていた「催淫性非殺傷化学兵器」である。その呼び名は計画の珍妙さを揶揄するものだという。
1994年、アメリカ空軍のライトパターソン基地の研究所に「非殺傷型化学兵器の多角的な可能性」という「文書」が存在した。
この文書では敵部隊にこの「催淫剤」を投下し、敵兵同士で同性愛行動を起こさせ、敵部隊を混乱に陥れる可能性が示唆されていたというが、この化学物質は発見されていないとも記されている。
この珍兵器開発は1994年から6年間おこなわれ、研究はその後放棄されたが、空軍は研究費として750万ドルを要求したという。
また、このオカマ爆弾の研究は、2007年ノーベル賞のパロディ版である「イグノーベル平和賞」を受賞した。
私を刺して、私を襲って兵器
「私を刺して、私を襲って兵器」は、戦地にあらかじめ多くの「蜂の巣」を隠しておき、敵部隊にミツバチのフェロモンを噴霧することにより、蜂の猛攻撃を食らわすというもの。
国防総省には、このような化学兵器に関するアイデアが多く寄せられたが、1994年に提案されたもので実際に開発されたものはなかったという。
あとがき
余談ではあるが、ヒトラーの主治医にテオドール・モレルという人物がいた。
彼はヒトラーの活力、精力増強のため、牛の前立腺から男性ホルモン(テストステロン)を抽出し、定期的にヒトラーに処方していたという。
この男性ホルモンがOSSの投与した女性ホルモンを相殺し、ヒトラー女性化計画を無効化していたとすれば、1942年以降のヒトラーの体調不良は男性ホルモンと女性ホルモンを同時期に過剰摂取した影響とも考えられる。