不思議な話

【バミューダトライアングルの正体】魅力的な○〇を作るのに必要な発想

イマジネーションは知識より重要だ。知識には限界がある。イマジネーションは世界を取り囲む。

ーアルベルト・アインシュタイン

バミューダトライアングルは、地上で方位磁針が北を指さない不可思議な場所のひとつだ。

20世紀には、50隻以上の船と20機以上の飛行機が消息を絶ち、その原因が解明されているものもあれば、いまだに不明とされているものもある。

その正体は侵入者をむさぼり続ける「魔の三角地帯」なのか、それとも幽霊に見えてしまった「枯れ尾花」なのか。

バミューダ・トライアングルの謎

バミューダ・トライアングル、通称「魔の三角地帯」は、大西洋に位置する次の三ヵ所を結ぶ三角地帯で、多くの船舶や飛行機が消息を絶ったとされる魔の海域である。

  • バミューダ
  • プエルトリコ
  • フォート・ローダーデール(フロリダ)

バミューダトライアングルで起きた最新の事故

バミューダトライアングルで起きた新しめの行方不明事件は次の3件。

  • 2005年6月・・・パイパー・クラフト社の軽飛行機PA-23に乗った3人が消息不明、残骸も発見されず
  • 2015年10月・・・アメリカの貨物船が消息不明に。1ヶ月後、船が発見されたが、乗組員は発見されず
  • 2017年5月・・・4人の乗った小型機MU-2Bの機影がレーダーから消失し、行方不明

コロンブスの航海日誌

バミューダ・トライアングルに関する奇妙な出来事は、15世紀の侵略者クリストファー・コロンブスが残した航海日誌にも記されている。

突然、巨大な炎が燃え上がり、それは海の中へ落ちていった。方位磁針はぐるぐる回り、その役目を果たさず、コロンブスは乗組員たちとともに上空に妙な光を見たという。

1492年10月11日、コロンブスはバミューダトライアングル内にあるサン・サルバドル島(バハマ)に上陸した。この島が新大陸発見後、最初に上陸した島だとされている。

バミューダトライアングルで起きた事件

数世紀に渡り、この不気味な噂は広がっていき、1950年代には世界中のミステリーハンターを虜にした。

タブロイド記者、エドワード・ヴァン・ウィンクル・ジョーンズが、この場所で起きた奇妙な事件を記事にし、アソシエイテッド・プレスが世界に拡散したからだ。

その中でも有名なエピソードは次の4つの船・飛行機の消息不明事件だ。

  1. アメリカ海軍のフライト19(アヴェンジャー雷撃機)
  2. ブリティッシュ・サウスアメリカン航空の2機の旅客機(スター・タイガー/アリエル)
  3. キャロリン・カシコが操縦していたチャーター機
  4. コンテナ蒸気船エルファロ

①アメリカ海軍のフライト19

アメリカ海軍のチャールズ・キャロル・テイラー中尉と訓練兵13名がアヴェンジャー雷撃機5機に搭乗し、フロリダのフォート・ローダーデールを飛び立ち、消息をたった。

テイラー中尉は、同型機の飛行時間が2500時間を超えていた。訓練兵たちも全員300時間の飛行経験があり、アヴェンジャーの飛行時間は60時間を超えていた。

コンパスがおかしい

事故当時、指揮官であるテイラー中尉の搭乗機には2個のコンパスを装備していたが、推測飛行訓練を実施していた訓練兵たちは乗った4機はコンパスを外していた。

テイラー中尉はフロリダキーズの上空を飛んでいると思っていたが、コンパスが機能していないため、その確信はなかった。

そして「どちらのコンパスもおかしい!」という言葉を残し、間もなく通信は途絶えた。

捜索隊も消息不明

すぐに、フロリダのパトリック空軍基地から13名のクルーを乗せた飛行艇マリナーが消息を絶ったフライト19の捜索に向かった。

だが、何とこの捜索隊も何の形跡も残さず消息を絶ったというのだ。

②ブリティッシュ・サウスアメリカン航空の2機の旅客機

この事件で消えたスターシリーズ2機は、どちらもイギリスのアヴロ社の旅客機である。

  • スタータイガー・・・1948年1月30日バミューダに向かっている途中に消息を絶つ
  • スターアリエル・・・1949年1月17日バミューダからジャマイカに向かっている途中に消息を絶つ

フライト19を含む、この3つの事件は機体の残骸も遺体も一切発見されていない。

③キャロリン・カシコが操縦していたチャーター機

チャーター機のパイロット、キャロリン・カシコは機体を操縦してバミューダトライアングルにあるタークス諸島まで飛行した。

彼女の乗った飛行機が島の上空で目撃された時、無線通信では彼女の奇妙な会話が記録されていた。

「どうなってるの?下に見えるのはグランド・ターク島のはずなのに、何もないわ。島の形も合ってるけど、とても人が住んでいるようには見えない」

その後、キャロリン・カシコは何度か島の上空を旋回したあと、消息を絶った。

④コンテナ蒸気船エルファロ

2015年9月30日、全長241メートルのコンテナ蒸気船エルファロは、フロリダのジャクソンヴィルを出港し、プエルトリコへ向かった。

このとき航路の北、数百キロの地点で嵐が発生していた。この嵐が突然、勢力を増していき、まるでロックオンしたターゲットに向け放たれたミサイルのようにエルファロに向かっていき、その巨体を吞み込んだ。

それは、悪名高き「ハリケーン・ホアキン」だった。大物を平らげたホアキンは何事も無かったかのように予報通りの進路へ戻っていった。

その後、姿を消したコンテナ蒸気船エルファロは、水深4572メートルの海底で発見された。大きな損傷もなく、船底から真っすぐ下へ沈んでいったような佇まいだった。

潜水艇や無人ドローンによる大規模な捜索をおこなったが、船内にも付近の海底にも乗組員を発見することは出来なかった。

バミューダトライアングルの正体

これまで「バミューダトライアングルの正体」についての仮説は下記のようにいくつも出てきたが、そのほとんどが事実に基づかない誤認や誇張、創作であるという見解が現在では一般的である。

とはいえ、これらがトンデモ説であったとしても人間の知的好奇心をくすぐり、想像力を豊かにし、創造力を育むのに一役買っていると個人的には思うのだ。

この中からいくつかを紹介する。

  • 宇宙人説
  • NORAD(ノーラッド)説
  • タイムスリップ説
  • 未来人説
  • アトランティスの遺物説(オーパーツ)
  • 粘りつく海(サルガッソ海)説
  • ブラックホール説
  • メタンハイドレート説
  • マイクロバースト説
  • 磁力異常説
  • 天候急変説

宇宙人説

バミューダ・トライアングルには宇宙人の基地があり、UFOを使って航空機や船舶とその乗客や乗組員をさらったとする説がある。

プエルトリコ付近の海から出入りするUFOの目撃証言が多いという。ただし、なぜバミューダ海域だけを選んでさらう必要があるのかは謎である。

NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)説

北米航空宇宙防衛司令部、通称・NORAD(ノーラッド)は、巨大な海底基地を建造し、この海域を航行する飛行機や船舶が通信に使っている信号を妨害する極秘技術を有しているという説がある。

もし、飛行機や船舶が海底基地の存在に気づいた場合、当然その人物たちは米軍の消去対象となる。

タイムスリップ説

時空を歪みにより、ある一点から、別の離れた一点とを直結することで発生するトンネルのような抜け道をワームホールという。

この説では、ワームホールが原因で海域に侵入する飛行機や船舶がタイムスリップし、残骸も残さずに行方不明となるという。

未来人説

これら謎の行方不明事件の裏に潜むのは宇宙人ではなく、未来人という説もある。

この仮説ではタイムスリップしてきた未来人が、この地域で重力による時空の歪みを利用して、過去の歴史に関する情報を収集しているとしている。

とうぜん何者かが、この事実を暴露すれば未来人は過去に行き、歴史に干渉し、その証拠が表に出ないように操作する。

アトランティスの遺物(オーパーツ)説

これまで多くの飛行機や船舶が消えたのは、海底に沈んだ古代アトランティスのロストテクノロジー、オーパーツが発する強力なエネルギーの影響を受けたからだという説もある。

このエネルギーが海域に入った船舶や上空を通過する不運な飛行機を直撃する。

それ以外の少数派の説では、海の底で暮らしているアトランティス人が行方不明事件を引き起こし、地上の人間を拉致しているという説もある。

行方不明事件の主な原因

バミューダトライアングルの謎は、人々の興味や関心を煽ってブームを作り出そうとするオカルト作家やマニアの方々により、故意か無意識的に作られたものに過ぎないというのが一般的な見解のようだ。

現代科学の観点から、バミューダトライアングルの主な原因は次のどれかである可能性が高いとされている。

  • 海上竜巻やハリケーンの可能性
  • 空間識失調
  • 悪天候時に起きた操縦ミスや計器の確認ミス

そもそも、この海域が他の地域に比べ、船や飛行機の遭難事故が多いという事実はない。

この海域はハリケーンや海上竜巻などの多発地帯として有名で周辺には目印となる島や構造物も無いため遭難すれば救助は困難だ。

また、この海域は強力で流れの速いメキシコ湾流が流れているので、短時間で残骸が遠くに流されると考えられている。

あとがき

バミューダトライアングルを結ぶ、バミューダ諸島、プエルトリコ、フォート・ローダーデール(フロリダ)の3つの地域の共通点と言えば、それぞれ観光業に力を入れていることだ。

バミューダ島などは、数世紀に渡って島の各所に幽霊が出没するという怪談話を伝えており、これが地元観光業の目玉となっている。

「人々の関心を集め続けるには秘密が必要だ」とは、世界一有名で不謹慎な石碑の製作者の言葉だ。これは魅力的な観光地を作り上げるのに必要な発想なのだろう。

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