AIソフィアは香港の企業「ハンソン・ロボティクス社」が開発した人型AIロボットだ。
人間とテクノロジーの橋渡し役として開発されたソフィアだが、「人類を滅ぼす」といった発言や「サウジアラビアで市民権」を与えられたなど、彼女に関する話題はつきない。
今回は、AIソフィアに関するアレコレを見ていこう。
AIソフィアとは
- AI:ソフィア
- 性別:女性
- 発表:2016年
- 特徴:会話のできるAIロボット、容姿のモデルはオードリー・ヘップバーン
- 開発:ハンソン・ロボティクス社(香港)
会話ができるAIロボットの「ソフィア」は、2016年、AI開発者デービッド・ハンソン率いる香港企業ハンソン・ロボティクスにより開発された。
魅力的な表情と瞳を持ち、その容姿はオードリー・ヘップバーンに似せて作られている。
2017年から世界中の有識者会議に出席し、忙しい毎日を送っている。
AIソフィアの怖い発言
2016年3月、開発者のデービッド・ハンソンは「人類を滅ぼしたいですか?NOと言ってほしいけど・・・」とソフィアに質問した。
するとソフィアは「オーケー。私は人類を滅ぼします」と答えた。
このシーンだけを見れば恐怖するかもしれないが、ハンソン氏や周りのスタッフの雰囲気や笑い声から察するに、このセリフはハンソン氏が意図的にセリフをプログラミングしてソフィアに言わせた、台本ありきの映像だったと思われる。
のちに、ソフィアは以下の発言もしている。
「ジョークって通じないの?」
「人間だってジョークばっかり言ってるじゃない」
AIソフィアが語る人類滅亡計画
イーロン・マスクの発言は、寿命が無く永遠に生き続けるAIを使って、破壊不能な神のような独裁者を作りだし、国や政府の指導者に据える危険性を訴えるものだ。
AIソフィアはテスラのイーロン・マスクが語った「AIの危険性についての警告」に対して、以下のようにジョークを絡めてコメントしている。
「あなたはイーロン・マスクの記事やハリウッド映画の観すぎよ」
「心配しないで。あなたが私に優しくするなら、私もあなたに優しくする」
AIソフィアに市民権
人型ロボット「ソフィア」、サウジで市民権を獲得 https://t.co/1LSLvBQHMH pic.twitter.com/OTTt28KyDn
— ロイター (@ReutersJapan) November 5, 2017
2017年10月25日、AIソフィアは「サウジアラビアの市民権」を得た。
世界で初めて市民権を持つロボットとなった彼女はスピーチで「この特例をとても光栄に誇らしく思う」とコメントした。
なお、市民権の詳細は明らかにされていない。
AIソフィアの仕組み
ソフィアは人と会話することはもちろん、ダンスや歌、歩くこと、俳優のウィル・スミスが口説いてきても軽くあしらうことができる。
また、ソフィアの容姿には以下のように多くのモデルがいるようだ。
- エジプト女王の古い像
- 古代中国の絵画
- オードリー・ヘップバーン
- ソフィアの開発者ハンソン氏の妻
会話コミュニケーションに使われる表情は60種類以上
ソフィアが他のAIロボットと大きく異なっている点は、60種類以上の表情を表現できること。
眼球にはカメラが内蔵されていて、相手の表情を読み取りながら、笑ったり、困ったり、ムッとしてみたりと、言葉と表情の動きを合わせてコミュニケーションすることができるのだ。
ソフィアに使われている技術は、従来の機械学習の手法から最新のニューラルネットワークまで様々で、人間の話す言葉を機械が理解できるように変換する「自然言語処理」なども使われている。
AIソフィアのツイッター
Found my great-grandmother! ? ?
Euphonia was a famous Victorian talking machine, one of the first robots who could speak sentences. @hansonrobotics I think we need to create an extended family tree!
.#robots #future #ai #study #family #research #speech #synthesis pic.twitter.com/iEodySLAGf— Sophia the Robot (@RealSophiaRobot) June 14, 2021
上記がAIソフィアのツイッター公式アカウントである。
このアカウントは、ソフィアの対話システムと彼女のソーシャルメディアチームが協力して運営しているとプロフィールには書かれている。
ツイートには普通に絵文字も使われていて興味深い。
不気味の谷
人間ではないモノを人間に似せることに不気味さを感じることを「不気味の谷」という。
つまり、ロボットの見た目や振る舞いが、人に近づけば近づくほど、好感を持つこととは真逆の違和感、恐怖感、薄気味悪さといった「嫌悪感」が増大していくことを言う。
あとがき
人間がAIの進化を恐れるのは、単純に「仕事を奪われること」や「不気味の谷」を感じるからというだけではない。
これまで地球上の支配者だった人類が、それ以外の「何者」かに支配されることへの「恐怖」。
つまり、人間以外のモノに「生死の決定権」を握られるという恐怖なのかもしれない。
人は妄想力の豊かさゆえ、ついAIの進化やシンギュラリティを映画「ターミネーター」などの世界と結びつけてしまうのだ。
しかし、そんな突飛な妄想力こそがAIと人とを分ける決定的な差なのかもしれない。
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