最近、近所のカラスたちが夜中の1時とか2時とかにガーガーとうるさくてチョット寝つきが悪くなっている。
「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」は、いつ来てもおかしくない状況だと言われているが、大地震が「これから来る」とわかれば、少しは落ち着いて避難の準備が出来るかもしれない。
そこで静かに語られているのが、地震などの災害が起きる前に見れらる動物たちの前兆行動である。
- 地震を予知する動物たちとその前兆行動について
大地震が起きる前に見られる動物たちの前兆行動
小さな動物は、より敏感に環境の変化を感じ取るとされている。
以下が生物学の研究者が明らかにした、地震発生の4~5日前から反応しはじめ前兆行動をとった動物たちだ。
- ネズミ
- モグラ
- カラス
- 魚
- ミミズ
地震の1日前あたりから前兆行動が見られた動物たち
- 犬
- 猫
犬や猫と暮らしている人はたくさんいらっしゃると思う。自分の飼っている動物が普段と違う行動をしていたら気になるだろう。
地震の一日前あたりから前兆行動が見られた家畜たち
- 豚
- 牛
野生の動物たちやペットだけでなく家畜の動物にも前兆行動が見られるようである。
犬や猫の前兆行動
神戸市、淡路市で飼育されている犬、猫のうち大地震発生時にいつもと違う前兆行動をとっていた割合は以下のようになっている。
- 犬の約20%
- 猫の約30%
犬や猫だけでなく鳥や魚など、その他の動物たちにも様々な前兆行動が見られたという。
犬や猫の前兆行動の具体例
- いつもより鳴く、遠吠えする、鳴き方がいつもと違う
- 興奮していて落ち着きがない
- おびえる、ふるえる
- 地面を掘ったり、いつまでも地面の匂いを嗅いでいる
- 逃げ出だしたきり、地震がおさまるまで帰ってこない
- 外に出たがる、逆に出たがらない
- 体調をくずす
- しきりに困った表情をする
- いつもより甘えてくる
上記は大地震が起きる前に確認された犬や猫に見られた前兆行動の具体例である。
飼っているペットが突然おびえ出す
筆者も以前、犬を飼っていた事があるが、雷が鳴りだすと異常に怯えて震えていた。
実際にペットが普段と違う行動をとったというデータによると、震度5以上の大きな地震前が多かったそうである。
近所の犬が興奮状態になる
自宅周辺で飼われている犬の多くが興奮状態になったということも報告されている。
自分のペット以外にも異変がみられるということは高確率で異変が起こる前ぶれかも。犬は特にソワソワしたり、落ち着かなくなったり攻撃的になる。
近所中の犬が一斉に興奮状態になったら、準備をはじめた方がいいかもしれない。
猫が高い所に登ったきり降りてこない
猫が高い所に登ったきり降りようとしないのは、地震を予知した時に見せる前兆行動ではないかと言われている。
- 2011年・・・東日本大震災
- 2016年・・・熊本地震
上記の地震災害後、猫を飼っている家庭を調査してみると、地震が発生する数時間前にこの前兆行動が多く見られたと報告されている。
魚の前兆行動
地震の前にナマズが地震を予知するのは有名な話だ。私たちに身近な魚と言えば、ペットとして飼っている金魚や熱帯魚だろう。
この金魚や熱帯魚などにも次のような前兆行動が見られることがある。
- いつもより動きが活発
- 水槽内の魚たちがみんな同じ方向に泳ぐ
漁業の不漁と豊漁との関連性
阪神淡路大震災の震源地だった淡路島の北側では震災の数日前からマダイ(真鯛)が大不漁になっていた。
逆に普段、魚の少ない淡路島の南側では、いつもの30倍の量のマダイが穫れたという。これは地震を察知した島の北側にいたマダイが南に避難したためと考えられている。
魚の回遊については、海水温や地磁気の変化とも関連していて様々な災害の前兆行動とも言えるだろう。
深海魚が浅瀬で見つかると地震が起きる
深海の魚は海底のプラスイオン、電磁波などの変化を感じ取って海面に浮上するのではと考えられているが、これは災害の前兆という都市伝説にもなっている。有名なのは「リュウグウノツカイ」の話だ。
深海魚の言い伝えは古くから知られていて、1743年に出された江戸時代の怪奇本、「諸国里人談」にも収録されている。
これについては、2019年に大学の研究チームが調査結果を発表しており、根拠のない迷信であると結論づけている。そうはいっても言い伝えは言い伝えとして、どっちか分からないというのもロマンがあって良い。
大量の魚の死骸が水面に浮かんでいる
大量の魚の死骸が水面に浮かんでいるのも大地震の前兆と見られることがある。
日本に生息していないクジラが浜辺に複数打ち上げられたり、湖で大量の魚の死骸が浮かんでいたというのも大地震が起きる一週間前に発生した事例の1つだ。
これは、「水位の変化・温度・音・匂い」などに反応したのが原因ではないかと言われている。そもそも、湖の水位、温度、音、匂いの変化が起こること自体が異変の前ぶれではないかとされている。
カラスの前兆行動
よく鳥が夜中に突然騒ぎ始めるときは、地震の前兆なんて言われたりする。その中でも身近な鳥と言えばカラスの勝手でしょう。
カラスに関しては以下のような言い伝えがある。
- カラスの大群が移動するときは地震に注意
- カラスの大群が異常な鳴き声で騒いでいる時は大地震の可能性
過去の大地震では実際にカラスが集団で姿を消すという前兆行動が目撃されている。また、熊本地震が発生する前にもカラスの大群が飛び去っていく姿が目撃されたという。
カラスは危険察知能力が高いのだろうか。みなさんの近所に普段いるカラス達がもし消えたりしたら要注意かもしれない。
うちの近所のカラス達も普段は夜中に騒いだりしないのだが、最近すごくうるさくなっている。
宏観異常現象(こうかん・いじょう・げんしょう)とは
地震の前の動物たちが前兆行動を取ったり、井戸水が濁るなどの人の感覚で認識できる異常を「宏観異常現象」という。
この宏観異常現象の中には、「ことわざ・民間伝承・迷信」として知られているものもある。
宏観異常現象の具体例
- 地鳴り
- 地電流
- 竜巻
- 地下水・温泉・海水の水位や水質の変化
- 地震発光現象
- 天体や気象現象の異常
- 通信機器・電磁波の異常
- 動物の異常行動
上記が宏観異常現象のさまざまな具体例で、これに動物の前兆行動も含まれる。
地震発生前に動物たちの前兆行動が見られた期間
地震発生前に動物たちの前兆行動が見られる期間には、以下の2つのピークがあると言われている。長いものは約1か月前あたりから、直前では2時間から3時間前に確認されたという。
- 1ヶ月~4、5日前
- 一日前~2、3時間前
動物の前兆行動の原因は空気中のプラスイオンや電磁波か?
大地震前に確認された動物たちのいつもと違った行動には、地中から発生した「プラスイオン」が関わっているという説もある。
プラスイオン化現象は、地震が活発な地域では一般的な自然現象で地震前の地殻変動は空気のプラスイオン化を引き起こす。
また、空気中のプラスイオンは「体に良くない」と1960年代から医学界でも良く知られていて、人はプラスイオンに不快感を感じ、頭痛、吐き気を引き起こしたりする。
数年前に滝のそばや森林浴をするとマイナスイオンで心身が癒されるというのが流行ったが、これと正反対のものだ。この不快でいつもと違う感覚に影響を受け、動物たちは騒いだりどこかへ逃げたりするのかもしれない。
プラスイオン発生のメカニズム
- 地震発生前に地殻変動によって地盤に圧力がかかる
- 地中にある亀裂から様々な分子やイオン、電磁波が放出される
- 空中に放出されたイオンにチリやホコリが付着してプラスイオンになる
地震発生前のプラスイオンの発生メカニズムは上記のようになっている。
地盤から放出された電磁波の影響でも空気中の分子やイオンがプラスイオン化する。
もちろん、このプラスイオンは海中の地盤からも発生するから、海の魚たちもこのプラスイオンの影響を受けている可能性がある。
動物の前兆行動に専門家は否定的
大地震の発生前に見られるという動物たちの前兆行動。これについて研究者の多くは「心理的な注目効果」であると否定的なスタンスをとっている。
つまり、動物たちが前兆行動をとるのは、なにも大地震の前だけではないということだ。
動物たちの異常行動が気になったのが、たまたま大地震の前だったというだけで、「そういえば、あの時・・・」と結果論的に前兆行動と大地震を結び付けただけだろうということだ。
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