今回は、CIAが極秘に行っていたとされる謎の洗脳実験「MKウルトラ計画」について。
これは陰謀論ではなく、正式文書も公開されている事実。
そんな「漫画みたいな事があるわけない」は通用しないのだ。
MKウルトラ計画とは
「MKウルトラ計画」とは、1950~1960年代末までおこなわれていたCIA(アメリカ中央情報局)と英国のタビストック研究所が連携し、極秘裏に進められた洗脳実験である。
「MK」はドイツ語でマインドコントロールの意味する。
陰謀論が真実だったという事例の1つで、実験には以下のような非人道的な手法が使われたという。
- 薬物投与(LSD)
- 電気ショック
- 放射性物質
- 超音波
目的はマインドコントロール
公開されたCIAの文書には、「マインドコントロールの効果を実証するための実験」と記されており、生物的、化学的なアプローチだけでなく、放射性物質も利用されていた事が明らかになっている。
しかし、当時の実験に関わった研究者でさえ「研究の最終目的」を知らない者も多かった。
この実験には興味深いエピソードがある。米兵が朝鮮戦争で中国の捕虜になり、共産主義者になって帰ってきたというものだ。
それに興味を持ったアメリカがマインドコントロールの研究を本格的にはじめたと言われている。
被験者はアメリカ人とカナダ人
MKウルトラ計画の被験者になったのは、アメリカ人とカナダ人の次の職業の人たちだった。
- CIA職員
- 軍人
- 妊婦
- 精神障碍者
実験は被験者に同意も無く大量のLSD(自白剤)を投与するという非人道的なものだった。
実験には様々なものがあり、「LSDを77日間連続で投与する」といったものや、ギャングのリーダーに薬物入りの飲み物を与え、自分や組織が犯した犯罪、詐欺、殺人に関してを自白させるといったものまであった。
前身はペーパークリップ作戦
MKウルトラ計画の前身は「ペーパクリップ作戦」だと言われている。
ペーパークリップ作戦とは、第2次世界大戦中のナチスドイツで「拷問・マインドコントロール」などの研究に従事していた科学者を「アメリカに亡命させ軍事利用するための計画」だった。
ここで集められた科学者と情報を基にMKウルトラ計画はスタートしたとされる。
MKサーチに改称し実験は続けられた
その後の「米ソ冷戦時」の1964年には、MKウルトラから「MKサーチ」と名前を変えて実験は続けられた。
MKサーチでは、「自白剤を使ったソ連のスパイの尋問」や「超音波を使用した記憶の消去」といったといった実験が行われていたという。
とはいえ、機密文書が破棄され資料がほとんど残っていないため、実験の全貌を解明することは難しい。
公開された資料
前述したとおり、この実験に関する資料はほとんど残されていない。
1973年、当時のCIA長官だったリチャード・ヘルムズが証拠隠滅のため、関連文書を破棄したからだ。
かろうじて残っていた数枚の文書だけが1975年のアメリカ連邦会議で公開された。
MKウルトラ計画に関する映画
作り話ではなく、事実であった「MKウルトラ計画」をテーマにした映画もいくつか作られている。
実験室KR-13
世界大戦後も秘密裡にMKウルトラ計画を続ける組織を描いた映画。
今日も治験アルバイトとして集められた一般人が人体実験の犠牲になるのだった。
陰謀のセオリー
MKウルトラ計画の被験者だったタクシー運転手が主人公。
洗脳実験の後遺症により過度な陰謀論の信者になってしまった主人公は、ある女性をストーキングする。
しかし、その付きまとい行為には「ヒロインの護衛」という目的が隠されていた。
RED/レッド
政府が陰で行っていた極秘プログラム。
その過酷な実験に耐え抜いた人物が1人だけ存在した。
男は人格破綻と引き換えに超感覚と記憶力を得たのだ。
エージェント・ウルトラ
主人公マイクはコンビニ店員をしている。冴えない毎日を送っているが、実はMKウルトラ計画の被験者という過去を持つ。彼は無能だ。
しかし、その無能さはMKウルトラ計画中止の際に人格を書き換えられたからだ。
マイクは、かつての研究者に封印された能力が覚醒してしまったことでCIAの派閥抗争に巻き込まれていくのだった。
ジェイコブス・ラダー
主人公はベトナム戦争の帰還兵でPTSDにより心に傷を負っている。
同じく心に傷を負った戦友たちに起きた奇妙な出来事に関わるうちに主人公の現実も崩壊していく。
彼が最後に辿りついた極秘実験の謎とは。
ジェイソン・ボーンシリーズ
マッド・デイモン主演の人気スパイ映画。
筆者も好きな映画なのだが、主人公のジェイソン・ボーンが洗脳と拷問によりCIAのエージェントとして仕立てられて行く様はまさしくMKウルトラぽさが出ている。
MKウルトラと有名人
ハリウッドなどのショービジネスの世界では映画俳優や歌手を使って大衆洗脳が行われている。
例えば、影響力を持つアーティストなどのミュージック・ビデオでは、洗脳プログラムとして以下のような悪魔的シンボルが見られる。
- 片方の目を手で覆うしぐさ:イルミな△で組織に忠誠を誓う
- ハンドサイン:コルナサイン、666、A-OK
- 蝶(バタフライ):洗脳・拷問後の異次元にいる感覚を表す
- 白黒のチェック柄:フリーメーソンの儀式の間の床
- マネキン・・・洗脳・拷問後の空っぽの自分を表す
- ヒョウ柄・・・性的なイメージの象徴
- 2本の角・・・悪魔崇拝者の信仰対象であるバフォメット
ショービジネスの世界に横行する「MKウルトラ」は、悪魔の価値観を広めるための大衆洗脳であり、一部の俳優やアーティストはイルミナティに洗脳された操り人形となっている。
ときに、大衆洗脳の道具となって一般人を騙し続けることに罪悪感を持ち、セレブ自身が告発するケースも見られる。
あとがき
日本のある「企業・政党・新聞社」などを作ったのはCIAだという話もある。
現代では薬物や電気ショックの代わりに、「映像・音楽・ニュース」といった媒体を使えば「マインドコントロール」をおこなうのは十分可能である。
そして、それはもう実験ですらなくなっているといっていい。ホントは存在していない「モノ」があたかも存在するかのように広められ、そのような環境が作り出されている可能性すらあるのだ。
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