不思議な話

ジョージア・ガイドストーンが建てられた経緯と作者について|関係者の証言

陰謀論やいろんな憶測が飛び交っているが、ジョージア・ガイドストーンの作者「R.C.クリスチャン」と彼の所属する組織についての情報は依然として不明である。

この記事では、ジョージア・ガイドストーンの作者と関りのあった2人の人物、フェンドリーとマーティンの証言をもとに「謎の人物R.C.クリスチャン」と「石碑が建設された経緯」についてご紹介する。

ジョージアガイドストーンの作者を知る2人の人物

  • 地元の建設会社の社長ジョー・フェンドリー
  • 地元の銀行家ワイアット・マーティン

ジョージアガイドストーンの作者を良く知る人物は上記の2人だ。

2人はジョージアガイドストーンの完成後、メディアの取材で作者とされるR.C.クリスチャンについて語っている。

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建設会社社長フェンドリーの証言①

地元ジョージア州エルバート郡にある建設会社イグニト・カンパニーの社長フェンドリーは、ジョージアガイドストーン建設に関わった。

石碑の完成直後に取材にやってきたアトランタのテレビ局の記者に石碑の作者R.C.クリスチャンについて語っている。

R.C.クリスチャンをどうやって追っ払うか考えていた

フェンドリーはR.C.クリスチャンから石碑の建設計画について聞かされた時、どう思ったかとインタビューで聞かれた。

「馬鹿げたことを言い出す奴だと思って、どうやって事務所から追い出そうか考えていたよ」とフェンドリーは答えた。

フェンドリーは前に請け負った大きな建設プロジェクトの建設費用よりも値段を吊り上げ、R.C.クリスチャンに石碑の建設をあきらめさせるつもりだった。そのため石碑の建設工事には特殊な道具や重機、有償コンサルタントなどが必要だと説明した。

R.C.クリスチャンは本気だった

ただ頷きながら話を聞いていたR.C.クリスチャンは諦めるどころか石碑の完成にどれくらいの日数がかかるのかを聞いてきた。

少なくとも半年はかかるだろうとフェンドリーは答えると、話の最後にR.C.クリスチャンはこの町に銀行はあるのかと尋ねた。

フェンドリーはこの段階になってやっと、このおかしな人物が冗談ではなく、本気で石碑を建てようとしているのだと気づいた。

銀行家マーティンの証言①

マーティンはジョージアガイドストーンの作者とされるR.C.クリスチャンと一番多く関わったとされる人物だ。

彼は地元エルバート郡のグラニト・シティバンクの経営者だった。

マーティンは身長が高く、とても礼儀正しい男性だった。

R.C.クリスチャンの第一印象

  • 高価なスーツを着ていた
  • 弁が立ち明らかに高水準な教育を受けた人物

上記がマーティンが感じた、R.Cクリスチャンの第一印象だった。

組織は20年前から石碑の建設を計画していた

彼はマーティンに自分の名前はR.C.クリスチャンだと名乗ったが、それは偽名だと言った。

彼が所属する組織は20年前からこの石碑の建設を計画していたという。

さらに石碑の建設は自分の本名や組織の名を伏せて、匿名で行いたいと付け加えた。

「あなたには理解できない」とクリスチャンは言った

「R.C.クリスチャンと彼の組織がやろうとしている事をはじめて聞かされた時、私は卒倒しかけたよ」とマーティンは記者に答えている。

そして「大金をはたいて、こんな馬鹿げた物を建てるなんてドブにお金を捨てるようなものだ」と忠告したそうだ。

すると「申し訳ない。だが、あなたには到底理解できない事だ」と彼は言った。

銀行家マーティンの証言②

その後、マーティンはR.C.クリスチャンをつれて町一番の大きな広場に行き、以前自分が関わった「エルバート郡の入植200周年」を記念して建設された噴水を見せることにした。

「彼にこの噴水の建設がこれまで私が携わったプロジェクトの中でも最大のものだ」と伝えたのさ。

それは、さっきまでR.C.クリスチャンが熱心に語っていた石碑のプロジェクトとは比較にならないほど大きなものだった。

気落ちする様子も見られなかった

R.C.クリスチャンはその話を聞いても、まったく気落ちする様子は見られなかったとマーティンは語っている。

それどころか、彼は週末に飛行機をチャーターして石碑を建てるのにふさわしい場所を空から探そうと思っているといった。

彼は月曜日にまたここにもどって来るとマーティンに伝え、その場を立ち去ったが、この時のマーティンは彼の話が本当なのかどうか半信半疑だったそうである。

銀行家マーティンの証言③

月曜日になり、R.C.クリスチャンはマーティンのもとに戻ってきた。

そこで、マーティンは身元と支払い能力を確認しなければ石碑の建設プロジェクトは中止だと彼に告げた。

最終的にR.C.クリスチャンとマーティンは正式に契約を結んだ。

秘密保持契約書にサインをするなら本名を名乗る

その際にマーティンは彼から秘密保持契約書にサインをするように言われた。

契約書には以下のことが書かれていた。

  • この石碑の建設プロジェクトの仲介人はマーティンのみ
  • R.C.クリスチャンの素性を他言しない
  • プロジェクト終了後、石碑の建設に関わる全ての書類と記録を破棄すること

マーティンがこの契約書にサインをするなら本名を名乗ると彼は言った。

また、RCクリスチャンは石碑のプロジェクトにかかる費用は全国のいろんな銀行から送金すると伝えた。

これは自分の居場所が特定されないためで、やはり用心深いというべきか。自分の正体と組織について頑なに隠そうとするあたり、都市伝説や陰謀論で語られている通り秘密結社が関わっているのだろうか。

建設会社社長フェンドリーの証言②

R.C.クリスチャンは町を発つ前に再びフェンドリーの建設会社を訪れ、石碑がデザインされた木製のミニチュア模型と10ページにも及ぶ石碑の建設についての仕様書が入った箱を手渡した。

その時、フェンドリーは彼から模型と仕様書をこころよく受け取ったが、石碑の建設費用が口座に振り込まれるまでは建設プロジェクトに懐疑的だった。

しかし、銀行家のマーティンが話していた通り、金曜日に1万ドルが振込まれたことでR.C.クリスチャンについてあれこれ詮索するのをやめ、石碑の建設プロジェクトに取り掛かった。

フェンドリー社長の娘メリッサの証言

フェンドリーの娘メリッサは「父は昔から挑戦することが大好きだった」と語っている。

また、父・フェンドリーはこのエルバート郡の歴史の中でもっとも挑戦的なプロジェクトになるぞと意気込んでいたそうだ。

ジョージアガイドストーンの建設工事がはじまる

その夏、ジョージアガイドストーンの建設工事がはじまった。フェンドリーの建設会社は工事の進行状況を数百枚の写真で丁寧に記録していった。

採石場で削岩機を使って114フィート(約35メートル)の石を削り、これ以上にないと思われる大きな石の塊を探した。フェンドリーと建設作業員たちは、28トンもの重量の石板を持ち上げた時、石の重さで使用しているクレーン車が壊れるのではないかと心配だった。

その後、ロケットモーターを搭載した特注品の切断機を使って大きな花崗岩(かこうがん)を切断し、石の清掃とサイズ調整がおこなわれた。

ジョージアガイドストーンはムリネックス牧場の丘に建てられた

フェンドリーとマーティンの2人は、エルバート郡でガイドストーンを建てる場所を探すのを手伝った。

見つかった土地はダブル7と呼ばれる牧場にある丘で、あらゆる方向から見渡せる景色の良い場所だった。

ウェイン・ムリネックスから土地を購入

この土地のオーナーであるウェイン・ムリネックスから5エーカの土地を5000ドルで購入し、土地代の支払いに加え、購入した土地の管理権をムリネックスとその子供たちに半永久的に譲渡した。

この土地を購入した事でジョージアガイドストーンの未来は決まった。フェンドリーの建設会社はこの土地にガイドストーンを建てた。

5エーカ―というと、サッカーグランド5つ分に相当する。

R.C.クリスチャンはジョージア・ガイドストーン完成後に消えた

建設会社グラニト・カンパニーのオフィスでR.C.クリスチャンはフェンドリーと別れの挨拶をした。

RCクリスチャンは「あなたに会うことは、もうないだろう」と言い、握手をすることもなく立ち去ったという。

ジョージア・ガイドストーンの所有権をエルバート郡に譲渡

それ以降、R.C.クリスチャンは銀行家のマーティンだけに連絡してきた。

それから数週間後、彼は土地とジョージアガイドストーンの所有権をエルバート郡に譲渡するようマーティンに依頼した。

R.C.クリスチャンは「時代とともに市民のプライドがこの石碑を守るだろう」と言っていた。

フェンドリーとマーティンはウソ発見器のテストを受けた

ジョージアガイドストーンの黒い噂は建設工事が終わる前から広がりだした。

その原因は「10のガイドライン」の1行目に書かれているアイツだ。「大自然と永遠に共存し、人類は5億人以下を維持する」というメッセージ。

エルバート郡でR.C.クリスチャンの姿を知る者は、フェンドリーとマーティンの2人だけしかいなかったので、彼ら自身にも疑いの目が向けられた。なかなか噂や悪評が止まないので、2人はエルバート郡市民センターでウソ発見器のテストを受けることにした。

その結果はシロで、2人がウソをついていないことが証明された。

「人類は5億人以下を維持する」の破壊力は絶大

この1行目の不気味なメッセージの噂が広がるにつれガイドストーンの悪評は収まらず、マーティンにいたっては仲の良い友達からも「あなたは、なぜ悪魔たちの手助けをしたの?」と言われる始末。

また地元の大臣ジェームス・トラベンステッドは、オカルトマニアがこの石碑に群がり、いつか犠牲者が出ると予想していたという。

さらに、このような大臣や地元民の心配をよそに、アトランタの魔女信奉者のグループがジョージア・ガイドストーンを巡礼地と定めて、週末になるとさまざまな異教の儀式が行われた。数羽の鳥が斬首されたという不気味な噂もあった。

銀行家マーティンの証言④

その後もマーティンは、R.C.クリスチャンと連絡を取り続け、定期的に手紙をやり取りするペンフレンドになった。

時々、R.C.クリスチャンはアトランタ空港にやってきて公衆電話からマーティンに連絡すると、エルバート郡から車で西に40マイル(約60キロ)ほど行ったジョージア州立大学があるアセンズの町で待ち合わせて2人で夕飯を食べたそうだ。

もう、マーティンは彼の抱えている秘密に対して疑問を抱いてなかった。

親交が深まっても組織について語ることは無かった

「あなたは、これらの粗削りな巨石を前にした時、理解が及ばないために様々な疑問を抱くだろう。しかし、この巨石たちを包み込む広大な日差しと静けさが、そんな好奇心すらも消してしまうだろう」

R.Cクリスチャンと名乗る年配の男性は、ストーンヘンジの調査をおこなった英国軍の大佐で兵器調査局局長ヘンリー・ジェイムズの言葉を引用してマーティンの好奇心を上手く逸らしていた。

そして「彼は自分が属している組織について決して語ることは無かった」とマーティンは語った。

その後、マーティンは「9.11同時多発テロ」の攻撃の直前にR.C.クリスチャンから最後の手紙を受けとったが、すでに80歳を越えていて高齢だったため、R.C.クリスチャンはもう亡くなっているのではとマーティンは考えている。

陰謀論で語られていることは真実ではない

  • アメリカの金融システムの崩壊
  • 石油や食料の供給ストップ
  • 暴動
  • 民族戦争

ガイドストーンを建設した組織は上記のような大混乱を起こす計画があり、最終的に人口を減らすことが目的だというような陰謀論がある。

マーティンはこの陰謀論を聞かされた時、首を大きく横に振って「それは真実ではない。本当は私が知っているR.C.クリスチャンに関する全てをぶちまけたいところだよ。でも真実を話すことは出来ない。それが彼との約束だ」と語った。

マーティンはR.C.クリスチャンとの当時の取引記録をすべて破棄すると約束したが、今でも書類の入った箱と彼からの手紙を捨てられずにいる。マーティンはこのことについていつか本に書こうと思ったが、やはり永遠に秘密にしておこうと考えているようだ。

関心を集めるには秘密が必要

「あなたはこのジョージアガイドストーンの真実を墓場まで持って行くつもりですか?」という記者の質問に「R.C.クリスチャンが私に望んでいるのは、それだけだろう」とマーティンは答えた。

そして、最後に次の言葉を付け加えた。

「ずっと彼は自分が誰で、どこから来たのかを秘密にしなければならないと言っていた。人々に興味を持たせるには、この秘密が役に立つと。だから私がR.C.クリスチャンについて話して良いことは、彼が誰なのかは秘密ということだけだ」

関心を集めるためには秘密が必要だ。人間は謎に吸い寄せられる生き物だ。

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