人の身のでありながら、72体もの悪魔を使役していたという伝説の悪魔召喚士ソロモン王。
彼はどのようにして、悪魔たちを屈服させ、王として君臨したのか?
今回は、そんな中二病チックなソロモン王に迫ります。
古代イスラエルの英雄ソロモン王
人類の歴史の中で、悪魔と契約し召喚した人物は数多くいるかもしれない。
しかし、その中でも最強と名高いのはソロモン王に違いない。
ソロモン王は、紀元前10世紀頃に実在した古代イスラエルの王である。
優れた知恵と巧みな政治力で古代イスラエル王国に栄光をもたらした英雄だが、それだけでなく、たくさんの悪魔を使役したという伝説も残っている。
上級悪魔さえも従わせる絶対遵守の力
ソロモン王の悪魔召喚に関する伝説には次のようなものがある。
- 72体の悪魔を召喚し自在に操った
- 堕天使ベリアルとその配下の52万2280体の悪魔を小さな瓶に封印した
- 蝿の王ベルゼブブも逆らえなかった
それほどまでにソロモン王の魔力は強大で抜きん出ていた。
ベルゼブブでさえ逆らえなかった
ソロモン王がエルサレム神殿を建てようとした時、上級悪魔のベルゼブブを召喚しようとした。
しかし、ベルゼブブは人間ごときに使われるのを嫌がって必死に抵抗したが、結局ソロモン王の強大な魔力の前に逆らうことが出来なかった。
ベルゼブブ自身が大理石の切り出し作業に駆り出されただけでなく、神殿建設の労働力として、たくさんの悪魔たちを呼び出す約束をさせられたりと、それはそれは悪魔使いが荒く、こき使われたそうだ。
悪魔がソロモン王に勝てない理由
悪魔たちがソロモン王に勝てない、逆らえない理由は、2つの魔法アイテム(宝具)の力によるものだ。
ソロモン王の持つ2つの宝具とは
ソロモン王が強大な悪魔に対しても、絶対遵守の力を発動できるのは次の2つの宝具によるものだ。
- 魔法の指輪
- 天使ラジエルの書
①魔法の指輪
強大な魔力を放つ魔法の指輪は、大天使ミカエルから授かったアイテムだ。
その威力は凄まじく、すべての天使と悪魔に命令を下せるモノだという。
②天使ラジエルの書
「天使ラジエルの書」は、宇宙のありとあらゆる知識が詰め込まれた本である。
ソロモン王は、これら2つのマジックアイテムを駆使して、悪魔という悪魔を片っ端から、使いっぱしりにしていたと見られる。
ソロモン王の失敗
絶対王者として無敵モード全開のソロモン王だったが、一度だけ大ポカをやらかした事件があった。
春の木漏れ日の中で、君の優しさに隠れていた僕は弱虫だったよね。
そう、人はいつも失くした時に気づくのだ。
油断しすぎて魔法の指輪を奪われる
エルサレム神殿の建設に必要な人員として呼び出していた悪魔の中に「アスモデウス」という悪魔がいた。
アスモデウスは、神殿建設を見学しにきたソロモン王に対して、「お前など指輪さえ無ければ怖くない」と挑発した。
それを聞いてカッとなったソロモン王は、何を思ったのか、その場で生命線であり命の綱である大切な魔法の指輪を外してしまったのだ。
次の瞬間、待ってましたとばかりに、アスモデウスは魔法の指輪を奪い、魔力を失ったソロモン王は都から追放されてしまうのだった。
その後、アスモデウスはイスラエルの王になり、魔法の指輪を海に捨ててしまった。
ソロモン王はリベンジに成功する
後悔は先に立たない。
ソロモン王は、調子に乗って悪魔たちを舐めきっていたことを砂漠を放浪しながら後悔していた。
そんな失望ともドン底とも言える地獄を心ゆくまで味わっていた時、突然、恋人の「アンモナイト・ナマハ」から連絡がとどく。
ひさびさに再会したアンモナイト・ナマハが、たまたま海で捕まえた魚を捌いてみたところ、なんと中から魔法の指輪が出できたのだ。
あっと驚いたソロモン王は、この世の物とは思えぬ喜びようだったという。
そう、それは悪魔たちの天国がこれから地獄に変わることを意味する。
こうして、瓢箪から駒よろしく、ふたたび魔法の指輪とめぐり逢い宇宙したソロモン王はイスラエルへ大急ぎで帰ることにした。
エルサレム神殿の玉座に座り、天使のような微笑みでふんぞり返っていた悪魔アスモデウスを全力全開で引きずり下ろすと、ビンの中に封印してしまった。
あとがき
ソロモン王はこの事件がトラウマになり、その後の生涯で一度たりとも指輪を外さなかったと伝えられている。
現代でも結婚指輪を外した時から、気が緩み魔が指して、あれがああなって、これがこうなってと、気づいたら夫婦関係にヒビが入っていたなんてザラなのだから、既婚者はくれぐれも指輪の脱着には注意してほしい。
でないと、ソロモン王みたいになってしまうかもよ。
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