世界中には様々な秘密結社が存在している。お隣、中国で生まれた三合会(さんごうかい)もその一つである。
もっとも、三合会は秘密結社というよりも、どちらかと言えば犯罪組織(マフィア)としてその名が知れ渡ってしまっているのが玉にきずだ。
直近の出来事でいえば、香港の親中派に雇われ、以下の2つのデモを妨害し、暴力を振るったとして民主派に批判されている。
- 2014年:香港政府デモ
- 2019年:逃亡犯条例改正案をめぐる抗議デモ
この記事では、中国生まれの秘密結社「三合会」についてお伝えする。
秘密結社「三合会」について
三合会は香港を拠点にする犯罪組織
三合会とは、香港を拠点とするいくつかの犯罪組織を総称する呼び名である。
三合会を構成している有名な犯罪組織としては、14K、潮幇、新義安、和字頭などである。
実体を持つ犯罪組織ネットワークであり、複数の組織が寄り集まった結社の一つと解釈されている。
トライアド
三合会は、英語圏ではトライアド(Triad)やトライアド・ソサイエティ(Triad Society)と呼ばれている。
名称の由来とシンボル
三合会という名称の由来は、「天・地・人」という3つの要素が合わさって調和をなすものとして名付けられたとされる。
そして、団体みずからのシンボルとして「三角形」を使用した。
三角形という図形をシンボルとしているあたり、どこかの秘密結社とも関わりがあるのだろうか。
三合会は中国で生まれた
三合会は歴史の古い組織で、中国・清朝の時代に生まれた反体制的な結社であった。
これらの結社の目的は「満州人の建てた清朝を打倒し、漢民族による中国大陸の奪還(反清復明)」であった。
現代における三合会の組織の大本となったのは、17世紀に台頭してきた洪門(ほんめん)だった。
洪門は天地会とも呼ばれ、「清王朝を倒して、明王朝を復権するために5人の修道士が創設した」と言われている。
三合会の現在
現在、三合会の影響力は、以下のように世界各地におよぶ。
- マカオ
- 台湾
- 中国大陸
- 北米
- 南アフリカ
- オーストラリア
- ニュージーランド
当初の壮大な志は影を潜め、犯罪の黒幕や秘密結社が仕切る大規模な組織というよりは、小規模な犯罪グループのようにも見える。
権力を振りかざすのは一部の者のみで、恐喝、売春、偽造、盗品販売、麻薬販売などをおこなっているのが日常だ。
それでも、1956年に政府による厳しい取り締まりが実施されるまでは、しっかり組織化されていたとされる。
欧米に渡った三合会
香港や台湾からの移民によって、三合会は「イギリス」や「アメリカ」にも渡った。アメリカ、イギリス両国のアジア人コミュニティで起きる犯罪の多くは三合会に関係している。
香港や中国からの支配はおよんでいないとされるが、このような情報は英米の支配者層が流したものとも考えられる。
アメリカもイギリスも、他国のアジアの犯罪組織が自国内にのさばっている事など認めたくないだろう。
また、三合会にとっても過小評価された方がいろいろと都合がよいとの見方もできる。
三合会とクレジットカード偽造問題
三合会はイギリスとアメリカ全土で大きな問題を起こしている。それは、「クレジットカードの偽造」である。
三合会のメンバーは中国料理のレストランでウェイターを脅し、「食事代を払う客のカードのデーターをコピーさせている」という。
極東で盗んだデーターをもとに大量のクレジットカードが偽造される。そして、偽造されたクレジットカードは世界中にバラ撒かれるのだ。このような国を跨いだ協力体制は多くの危険をはらんでいる。
もし、英、米、中政府に指摘されているように、厳しい取り締まりによって三合会がバラバラで内部紛争の絶えない組織であるなら、世界中に偽造クレジットカード問題が巻き起こっているだろうか。
三合会の犯罪ネットワーク
香港がイギリスから中国へ返還されたあと、三合会は世界中で野放しになっていると恐れられている。
新たな拠点はオーストラリアにあり、ヤクザやマフィア、中国の秘密結社の堂(トン)と結託し、政府や企業から金を巻き上げているという。コンピューターウイルスやハッキングなどのサイバーテロもその手段となっている。
近年のオーストラリア全体主義化の危機には中共だけでなく、三合会の進出が何らかの影響を及ぼしている可能性もある。
イギリスと三合会
三合会による偽造クレジットカードのバラ蒔きは、イギリスでは十分に立証されている。
特にバーミンガムのレストランでは数十件以上の事例があり、2週間のうちに極東で偽造カードの配布と詐欺事件が発覚したという。
大圏幇
あるジャーナリストがつかんだ情報によれば、三合会には大圏幇(たいけんほう)と呼ばれる大組織があることだけは分かっている。
大圏幇については諸説あり、香港を拠点とする犯罪組織14Kと同じように、複数の下部組織を持つ三合会傘下の一大組織なのか、政策や活動をすべて統括する包括的組織なのかはわかっていない。
日本と三合会
1930年代、日本が中国に侵攻したとき、三合会に支援を頼み、報酬を支払ったとされている。
毛沢東が率いる共産主義者が勝利したが、それでも日本政府はリー・ユエン・カンパニーという会社を仲介にして三合会に金を払い、住民を監視させ、あらゆる反日活動を制圧させたという。
現在ではサイレントインベイションなど立場は逆転し、日本政府の構成員が陰で三合会および中国共産党から活動資金の援助などを受けているのかは不明である。
三合会を支配しているもの
三合会には、所属する犯罪組織を束ねる上位の組織があると囁かれているが、ハッキリとは分かっていない。
そもそも三合会が生まれたのは侵略された国の奪還という反体制的な目的のためであったが、今では見る影もなく、秘密結社からただの犯罪組織に落ちぶれたように見える。
しかし、それは表向きの姿であり、現在の秘密結社「三合会」を陰で操っているオーナー、もしくはパートナーは静かなる侵略で世界征服を企むお隣の国の組織なのではないかという妄想も膨らんでくるのだ。