2008年9月、リーマンショック(リーマンブラザーズの倒産)が発生し、米国経済はダメージを受けた。
だが、倒産したリーマンブラザーズの中枢は、当時、世界最大の投資ファンド運用会社ブラックストーン・グループに吸収された。
ブラックストーン・グループは、リーマン・ブラザーズを退社したピーター・G・ピーターソンとスティーブ・シュワルツマンによって、1985年に設立された会社である。看板を付け替えてもやることは同じなのだ。
リーマンショックでメリルリンチは倒産
リーマン・ショックの時代にはメリルリンチも倒産した。
2009年1月1日、バンク・オブ・アメリカがメリルリンチを吸収し、社名は「バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ」に変更された。
このように金融機関の名前は付け替え可能な「仮面」にすぎない。それを誰が所有しているのかが重要である。
メリルリンチはブラックロックと経営統合
その後の2006年、メリルリンチはブラックロックと経営統合した。ブラックロックといえば、米ニューヨークに本社を置く世界最大の資産運用会社だ。
2023年12月末時点における同社の運用資産残高は10兆ドル(約1,411兆円)と日本のGDP(558.5兆円)の2倍以上に相当し、3倍に迫る勢いである。
米国の資産運用業界では寡占化が進んでいる。その上位3社のブラックロック、バンガードグループ、ステートストリートは「ビッグスリー」と呼ばれており、ファンドを通じて下記のような大企業の大株主になっている。
- アップル
- マイクロソフト
- コカ・コーラ
- ゼネラル・エレクトリック
バイデン政権にも影響力をもつ
バイデン政権ではブラックロック出身者であるブライアン・ディーズ氏とアデワレ・アデエモ氏がそれぞれ国家経済会議委員長と財務副長官に就任し、政財界への影響力が強まっていることが指摘されている。
岸田首相がラリー・フィンクと面会
2024年3月21日、岸田首相は官邸でブラックロックの最高経営責任者(CEO)のラリー・フィンク氏と面会し、政府が進める資産運用立国や株高について意見交換したという。
このとき、岸田氏がブラックロックにどんな圧力がかけられたのかは不明だが。2024年4月4日、衆議院総務委員会で「NTT法改正案」が可決された。
軍事費を捻出するためにNTTを売るという話もあるようだが、そんなもん国債発行でやればいい。そもそも政府は武器を買うことよりも「民のかまど」を気にしろと。グローバル化の名の下に国内は壊されていく。
サブプライム・バブルで米国経済を破壊
2000年代、グローバリストが米国経済の破壊に使用した爆弾はサブプライム・バブルだった。
彼らはこれで米国の経済を破壊しようとした。実際、サブプライム問題の大爆発で世界経済は破壊された。
では、その翌年の2008年9月に発生したリーマン・ショックは何のために引き起こされたのか。
EU戦略とクーデンホーフ・カレルギー伯爵
2008年、EU(欧州連合)は「EU憲法」を採択しようとしていた。
一般的にEU(欧州連合)は「クーデンホーフ・カレルギー伯爵」のアイデアとされている。つまり、ヨーロッパ再建のために彼はヨーロッパ統一を提案したのだ。
彼はフリーメーソンの一員だったので、「EUの背後にはフリーメーソンがいる」とも囁かれていた。
背後はフリーメーソンか?
クーデンホーフ・カレルギー男爵の背後にはロスチャイルドがいたとされる。彼らは表に出てくることはないが、いくつもの煙幕を張っている。
「EU=フリーメーソン陰謀説」もロスチャイルドの煙幕の1つ。1978年のフランス革命もフリーメーソン説が囁かれていた。
だが、彼らを動かしてきたのはロスチャイルドだった。
経済的統一から政治的統一へ
そのような流れの中でEUは着々と進化を遂げ、かつては絶対に不可能といわれたユーロ(欧州通貨)も実現した。
欧州通貨「ユーロ」の登場は「欧州が経済的に統一された」ことを意味する。次に彼らが目指すのは「欧州の政治的統一」だ。
そのためには彼らは「EU憲法」を各国に採択させる必要があった。ユーロが経済統合のシンボルであるとすれば、EU憲法は政治統合のシンボルだった。
EU憲法(リスボン条約)の発効
- 欧州の経済的統一:欧州通貨(ユーロ)
- 欧州の政治的統一:EU憲法(リスボン条約)
2008年6月、アイルランドが国民投票でEU憲法の批准を否決した。
2007年調印の「リスボン条約(EU憲法)」では、EU大統領ポストの新設や加盟国増加に備えた意思決定の効率化を盛りこんでいた。
発効には加盟27か国の国民投票による批准が必要で、一国でも批准を否決すればリスボン条約は発効しない。
リーマンショックで経済的に攻撃
採決を仕切り直すため、グローバリストはリーマンショックでアイルランド経済に大打撃をあたえた。
この時、EUがアイルランド経済を救済することでアイルランド国民はEUに懐柔されてしまった。
2009年10月、ふたたびEU憲法の是非を問う国民投票が行われたが、結果はもちろん批准であった。
EU憲法採択
EU憲法採択の流れは次のようになっている。
- アイルランドのEU憲法否決
- リーマン・ショックで世界経済危機
- EUがアイルランド経済を救済
- アイルランドEU憲法批准
- EU憲法採択
このような謀略的な動きにより、2010年1月、EU大統領が登場することになった。
彼らはリーマン・ブラザーズを倒産させ、リーマン・ショックを引き起こした。
グローバリストがその気になれば、FRBを使ってリーマン・ブラザーズを救うこともできたはずだ。だが、彼らはそうしなかった。
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