不思議な話

地球平面説を信じる人が増えた理由はYouTube?常識と非常識という名の宗教

世の中には少数だが常識を疑ってかかる人達がいる。ちまたで話題の「地球平面説」もその一つ。言葉だけなら聞いたことがあるかもしれない。

地球が平らなのか、球体なのかは置いておくとしても、平面説を信じている人がどんな人なのか興味が沸くところだ。

「地球平面説が急速に広がった原因はYouTubeにある動画が原因なのでは?」なんて話も聞く。

今回は、このちまたをザワつかせる「地球平面説」を信じている人々とこの陰謀論が急速に広がった原因について見ていく。

地球平面説とは

Flat earthimage:wikipedia

地球平面説とは、「ホントは地球は円盤状で平面状なんだろ?何で隠すんだよ?」という現代の常識である地球球体説に反旗をひるがえす宇宙論である。

科学の発達していなかった古代の人々は常識としてこの地球平面説を信じていたが、現代では非常識な陰謀論という扱いになっている。

地球平面説を信じている人の数は2015年頃から増え始め、アメリカでは人口の約2%の600万人の人達が信じていると言われる。

地球平面説を英語で言うと

  • 地球平面説・・・フラットアース(Flat Earth)
  • 地球平面説の支持者・・・フラットアーサー(Flat Earther)

上記が地球平面説と平面説支持者の英語表現だ。

地球平面説を信じる人達が集う団体

地球平面協会「フラットアース・ソサイエティ(Flat Earth Society)」という平面説を信じる者たちが集まっている団体もある。

地球平面説を支持している人達は日々、地球が平面であることを広めるため布教活動をしている。

地球平面説を支持者する人の数は明確には分かってないが、隠れ信者の数は数百万人とも言われている。2019年11月にはアメリカで3回目の国際会議が開かれた。

地球平面説のドキュメンタリー映画はnetflix(ネットフリックス)で

動画配信サイトのネットフリックスでは、地球平面説についてのドキュメンタリー映画「ビハインドザカーブ」が視聴できる。

このドキュメンタリー映画では、科学にどれほど否定されても地球は平面だと主張し、世界中にその信奉者を増やし続けている地球平面説のコミュニティを追いかけている。

地球平面説を支持する人たちの主張

地球平面説の支持者が主張している本当の地球の姿は、次のようになっている。

  • 地球は平面で円盤状
  • 地球は北極を中心にしたドーム状の形をしている
  • 地球の外側は氷の壁で囲まれていて、それが南極である
  • 太陽と月は同じ大きさで、直径が51㎞
  • 太陽と月は地球の上空4,800㎞の高さにあり、24時間かけて周回している
  • 平らな地球の下側が何でできているかは不明
  • 地球に重力は存在しない
  • 地球は常に上昇していて、それを重力だと勘違いしている
  • 丸い地球の写った衛星写真は加工したものである
  • 南極と北極がどこの国にも属してない理由は地球平面説を隠蔽するためである
  • 宇宙は存在しない

この主張のこじつけ感がハンパないが、個人的には「宇宙は存在しない」が好きだ。この世界は仮想現実で出来ているという「シュミレーション仮説」にも通じるものがある。

地球平面説を信じる理由

  1. 地球平面説は聖書に基づいている
  2. NASAや政府の陰謀
  3. 自分の感覚と馴染まないため
  4. 飛行機で南極の上空を飛ぶことが禁止されている
  5. 国連の旗のデザインが地球が平面であることの証拠
  6. 地球平面説を証明する200の証拠がある

彼らが「地球は丸い球体である」という事を疑い、地球平面説を信じている理由は上記の6つ。

人によって平面説を信じる理由は様々だが、これからまだまだ増える可能性もあるだろう。

①地球平面説は聖書に基づいている

地球平面説を信じる理由の1つとして「聖書に基づいているからだ」という主張がある。

アメリカは国民の80%がキリスト教徒だと言われている。熱心なキリスト教徒であれば、生活や価値観の中心に聖書がある人も多い。

聖書の中には「地球の形は平面であり、円盤状だと書かれている」という説があり、地球の四隅(よすみ)には角(かど)があるとも書かれている。

だが、聖書の解釈は人によって変わるので、平面説について書いてあるという人もいれば球体説について書いてあると言う人もいる。

長い歴史の中で聖書のストーリーを自分の都合の良いように解釈することは、今に始まった事ではない。聖書に書かれていることをそのまま地球平面説の根拠にするのはチョット弱いかも知れない。

②NASAや政府の陰謀

政府や世界の支配者たちは地球が平面という事を隠している。政府が人々を洗脳し地球があたかも球体であるかのように見せている。というバリバリな理由もある。

平面説の支持者は、特に宇宙開発全般を担当するNASA(国際宇宙局)に対する不信感が強いようだ。

地球平面説の支持者はNASAへの不信感が強い

  • アポロ月面着陸は嘘でフェイク映像が使われた
  • 2007年と2012年にNASAが撮影した地球の画像ではアメリカ大陸の大きさが違っている
  • NASAはロズウェル事件で宇宙人を確保した
  • ケネディ大統領は宇宙の真実を公表しようとしたため暗殺された

筆者も含め、上記のような理由でNASAを疑っている人が多い。

さらに、宇宙から撮影した地球の写真や映像も合成で、すべてNASAのでっち上げだと考える人が増えている。

アポロの月面着陸など、これまでのNASAの発表には不自然な点も多く、さらなる不信感が広がっている。

アポロ月面着陸の陰謀論も関係している

  • 映像に出てくる背景が使いまわされている
  • 宇宙船の影の位置がおかしい
  • 一番最初に月に降りたアームストロング船長を宇宙船の外から撮影している
  • スプーンなどの月には無い物の映像が紛れている
  • 宇宙服のヘルメットのガラス面に撮影スタッフの影が映り込んでいる
  • 嘘の映像を撮影したと言われる人が見つかっている
  • 時速4,800㎞という超高速で移動している月面に一発勝負で着陸するのは無理

上記が平面説の支持者がアポロ計画を疑っている理由である。

アポロ計画がアメリカの捏造(ねつぞう)だったとすると、何のために嘘をつく必要があったのだろうか。

アポロ月面着陸の捏造は宇宙開発競争が原因?

ソビエト連邦の宇宙開発では、1930年代から1991年の崩壊までの、ソビエト連邦によるロケット開発計画と宇宙開発計画全般について述べる。

ソ連の60年を越える歴史において、主に機密扱いのこの計画は宇宙開発分野において数多くの偉業を成し遂げた。世界初となる業績の例を挙げると、大陸間弾道ミサイル(1957年, R-7)、人工衛星(1957年, スプートニク1号)、宇宙へ行った動物(1957年, ライカ)、有人宇宙飛行(1961年, ユーリイ・ガガーリン)、人工惑星(1959年, ルナ1号)、月面衝突(1959年, ルナ2号)、月面着陸(1966年, ルナ9号)、宇宙ステーション(1971年, サリュート1号)、火星着陸(1973年, マルス3号)などがある。

(出典:ウィキペディア)

今となっては真実は闇の中だが、アポロ月面着陸をアメリカの捏造だと仮定すると、その理由はソ連に対する牽制(けんせい)ではないかと考えられる。

ソ連は世界で最初の宇宙進出を果たしており、出遅れたアメリカもこの宇宙開発競争に負けるワケにはいかなかった。

だから、宇宙開発でソ連には負けてないという「強いアメリカ」をアピール(演出)をする必要があった。

実際に月に行くだけの科学力がアメリカに無かったとしても、行ったフリをしなければならなかったのだ。

米ソ宇宙開発競争をさらに陰謀論的に見てみると

この激化したアメリカとソ連の宇宙開発競争を地球平面説という陰謀論フィルターに通してみる。

  • 地球の形は平面でドーム状
  • 宇宙空間は存在しない

上記の主張をもとに考えてみると、地球の上空はドーム状のスクリーンのようなものでフタがされていて、このスクリーンに星空が投影されているという話だ。

だから、そもそもロケットやスペースシャトルで宇宙に飛び出そうとしてもドームのフタが邪魔して外に出られない。

結論は、ソ連もアメリカも実際には宇宙に行っていないが、マウントを取りたいがためにお互いに捏造合戦を繰り広げていた可能性もあるのだ。米ソは、テーブルの下で握手している可能性もある。

太陽や月や星空は地球上空のドームに映し出されたフォログラム?

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③自分の感覚と馴染まないため

世の中には、一定の割合で何となく地球が丸い球状だと思えない人もいる。地球に住んでいる自分たちが地球が球体であると感じられないという、ある種の直感というやつだ。

これは、回っている地球の上で生活している感じがしないといった感覚的な違和感が理由だ。また、回転している地球の上に海が存在しているのはおかしいと考える人もいる。

僕らも学校で地球は丸いと教えられてきたから、それが常識だと思っている。しかし、事前に地球が球体だと教わっていなかったら、一体どちらを信じるのだろう。

④飛行機で南極の上空を飛ぶことが禁止されている

北極の上空は飛行機で飛ぶことができるのに、「南極がダメなのはナゼなんだぜ?」という疑惑がある。

南極に飛行機が近づけないのは、南極に飛行場が無いから危険という理由など、こういう取って付けたような理由は誤解を招きやすくなる。

ところで、地球平面説とは別にしても南極の件は気になるものだ。南極大陸には「南極条約」があり、制限も多くて不自然だ。

その挙動不審な対応が地球平面説の支持者や陰謀論者を刺激するのだろう。つまり、世界各国の政府は南極大陸に何かを隠している。南極には知られたくない秘密があるのだと。

ヒットラーとナチスが南極に逃げたという都市伝説も

ヒットラーとナチスの残党は、第二次大戦中に南極に逃げたという都市伝説がある。

ヒットラーはドイツが戦争に負ける前から南極に基地を作ったり、調査隊を送ったりして執拗に何かを探していたと言われている。

噂によれば、地下王国アガルタの入り口を探していたのではという噂がある。南極には地下帝国に通じる道があるのだとか。

南極に人を近づけたくない理由は不明だが、とにかく南極には何かあるんだろう。

⑤国連の旗が地球が平面であることの証拠

国連の旗のデザインが地球平面説を物語っていると主張する者もいる。

これは、もうそのままの見た目そのもの。確かに、国連の旗には平面図で世界の地図が書かれている。

あと、地図の外側を囲っているギザギザの葉っぱのような模様が南極の氷の壁を表している。

⑥地球平面説を証明する200の証拠

地球平面説を証明する200の証拠があるという主張。これは「アトランティスの陰謀」という書物に由来している。

この本はエリック・デュペイという人が書いたものだが、なぜか平面説支持者は、この本に出てくる200の証拠というやつを重視している。

だが、たいして本の内容は無いようで、地球球体説に反論できるほどのパンチは効いてないとされている。トンデモ本といった扱いだ。

地球平面説を信じている有名人

この地球平面説を信じているのは、なにも一般人だけではない。

支持者の中には「ハリウッドの大物芸能人」から「プロスポーツ選手」、「ジェット機」のパイロットまでいると言われている。

以下にご紹介する有名人は、おおやけに自分はフラットアーサー(地球平面説支持者)だと宣言したお三方だ。

宣言したはいいが、同調圧力により途中で主張を撤回せざる負えなかった人もいる。

NBAのカイリー・アービング

カイリー・アービングは、アメリカNBAのプロバスケットボール選手で熱心な地球平面説支持者だった。

彼の主張は「地球が丸いのは写真を見ればわかると言われても、その写真が本物かどうか疑わしい」というもの。

のちに批判が殺到したため謝罪し、主張を撤回した。彼が地球平面説について語っていた動画は現在削除されている。

地球平面説を支持するラッパーのB.o.B

アメリカのラッパー、「B.o.B」も地球平面説を支持する一人。以前からSNSで地球平面説に関する発言を熱心にしていた。

自分の発言に対して反論してきた天文学者には、相手をディスる曲を作って公開したことで有名だ。

また、クラウドファンディングで資金を集め、小型衛星を打ち上げて宇宙から地球は平らだと証明しようとしたことも話題になった。

ティラ・テキーラ

ティラ・テキーラは、アメリカの女優・歌手・モデルをこなすマルチタレント。

彼女は地球平面説の支持者だが、陰謀論でおなじみの「謎の組織イルミナティ」と戦うと宣言をしたことやヒトラー、反ユダヤ主義に心酔しているとも言われており、ティラ・テキーラ自身がある意味、都市伝説と化している謎な人物なのだ。

地球平面説が広まった原因はYouTubeなのか?

近年、急速に地球平面説が広まった原因として動画投稿サイトのYouTubeの影響が挙げられている。

テキサス工科大学がおこなった調査によると、YouTubeを見るまで地球が平らだなんて思いもしなかったという人たちがいた。

その中の何人かは陰謀論の嘘を見抜こうとしてYouTube動画を見てみたが、逆に陰謀論動画の方が真実ではと思ったそうだ。まさにミイラ取り。

さらに、地球平面説を信じる人は、911陰謀論やアポロ月面着陸、反ワクチン運動、小学校銃乱射事件などの陰謀論にも関心を示していた。だからどうした。

2019年よりYouTubeは地球平面説と9.11陰謀論に関する動画を規制

YouTubeは2019年頃から「地球平面説」と「9.11陰謀論」に関する動画に対して規制する方針を発表した。

具体的には、動画の削除まではおこなってないが、YouTubeにアクセスした時に表示される「あなたへのおすすめ」の項目に「地球平面説」と「911陰謀論」の動画を表示させないようにするという。

地球平面説と911が削除対象になった原因にはAIがからんでいる?

YouTubeには有益なコンテンツも多く、情報共有や学習などにも役立っている。

しかし、その陰には陰謀論、暴力、プロパガンダなどの悪質なコンテンツも隠れている。

2010年に推奨対象の動画を表示するAIアルゴリズムの設計を担当したギョーム・シャロス氏によると、Googleの方針に従って長時間視聴される動画を優先的におすすめの項目に表示するように人工知能(AI)のアルゴリズムにインプットしていたそうである。

YouTubeが視聴時間の長い動画を推奨対象にした結果

  • 地球平面説
  • 自閉症
  • ワクチン

上記の陰謀論に関する動画が視聴時間が長いとされている動画だ。

YouTubeの親会社は、Googleだ。まず、前提としてGoogleは広告関連の企業だから「視聴時間の長いユーザーが広告をたくさん見てくれる顧客である」という考え方がある。

だから、視聴時間の長い動画を優先的に「おすすめ」に表示させることでユーザーにたくさん広告を見てもらおうとするのは当然の事。

しかし、動画の内容の良し悪しよりも「長時間視聴=広告収益」を優先してAIアルゴリズムを組んだ結果、上記のような陰謀論が拡散し、地球平面説支持者やその他の陰謀論者を増やしてしまったのではないかと考えらている。

常識と非常識という名の宗教戦争

地球平面説は一部の人たちにとっては信仰に近いものとされている。

この論争を傍から見ていると、地球球体説を信じる「常識教の信者」と地球平面説を信じる「非常識教の信者」の宗教戦争にも見えてくる。

その人が心の底から信じているのもを宗教とするなら、信じない事を選択した人も「信じない教」という名の宗教の信者なのである。そういう意味では、常識を妄信する人も常識という名の宗教に依存している。

なので、1つの説を妄信することは良くないと思うが、これまでの常識を疑うといった発想は人間にとって大事なものではないだろうか。

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